胃が弱い人が食事で気をつけたい5つの対策
胃が弱いって辛いですよね。誰しも「胃が弱ったときは胃にやさしいものを食べよう」と思いますが、実はそこには意外と知られていない、胃にやさしい食べ方があります。是非参考にして日々の食生活に取り入れてみてください。
植物性油脂よりも動物性油脂
メタボ対策や血管の病気予防のためには、今流行りの不飽和脂肪酸を含む植物性油脂の方がなんとなく良さそうな気がしますよね。ところが、マーガリンやサラダ油などの植物油よりも、バターやマヨネーズなどの動物性油脂の方が消化がよく、胃への負担は軽いのです。
その理由は、化学の話になりますが、植物性油脂は炭素同士が結合する性質があり、「炭素の鎖」が長いものが多く、分解に時間がかかるからです(図の”C”が炭素。植物性油脂は赤い矢印の部分で炭素が結合している)。これは意外ですね。
動物性油脂の例
植物性油脂の例
というわけで動物性油脂を毛嫌いせずに積極的に摂りましょう。特に「マーガリンよりはバター」これは絶対です。また、動物性油脂は多くの場合一緒にたんぱく質を摂れるというメリットもあります。は言え、もちろん食べ過ぎは禁物。何事もほどほどにどうぞ。
生の魚を食べる
「魚を煮付けで食べるのと刺身で食べるのではどちらのほうが消化がよいでしょうか?」と質問したら、おそらく煮付けと答える人が圧倒的に多いと思います。しかし、これも意外なことに実は刺身のほうが消化によいのです。
その理由は、たんぱく質は加熱によって「変性」し、凝固する性質があるからです。凝固するとそれだけ分解するのに時間がかかって、胃の中に滞留する時間も長くなってしまいます。魚の場合、刺身が最も滞留時間が短く、次に煮魚、次に焼き魚の順番で時間が長くなっていくと言われています。胃が疲れているときは是非新鮮な刺身を食べましょう。
ちなみに肉や卵にも同じことが当てはまります(生卵、生肉のほうが消化がよい)。しかし生肉はサルモネラ菌や病原大腸菌による食中毒の恐れがあるので、胃の弱い方は別の意味で避けたほうがよいですね。また、逆に言うと、胃の滞留時間が長いほうが腹もちがよいとも言えます。胃の元気な方は、しっかり火を通したたんぱく質を食べたほうがダイエットのためにはよいでしょう。
トマトは湯剥きする
トマトの皮には、水溶性の食物繊維「ペクチン」が豊富に含まれています。食物繊維は、血糖値の急上昇を防いだり余分な脂質を摂り込んで体の外に排出してくれたり、腸内細菌のエサになってくれたり…と良いことばかり。五大栄養素に加えて「第六の栄養素」と言われることもあります。胃が元気であればもちろんしっかり摂りたいのですが、人間の消化酵素では分解できないので、胃腸の中でかなり長い時間滞留してしまうという問題があります。そのまま排泄されるということもしばしば。
そこで、胃が弱っていていて、胃への負担を減らしたいときはトマトの皮は湯剥きすることをおすすめします。日頃あまり料理をしない方は「湯剥きなんて面倒」と思うかもしれませんが、やってみれば意外と簡単ですよ。
野菜に火を通す
トマトに限らず、野菜は食物繊維が豊富です。そこで、なるべく胃に負担をかけないように野菜を食べるには、とにかく加熱するというのがポイント。加熱することによって野菜がとろとろになると、食物繊維は断ち切れた状態になります。野菜サラダよりは野菜スープ、野菜スティックよりはラタトゥイユ、と覚えておいてください。
スープにする場合は、生クリームなどを加えてミキサーにかけてポタージュ風にするのもおすすめです。より食べやすく、美味しくいただけます。また、加熱することによって野菜のかさが減るので、よりたくさんの量が食べられるというのもメリットですね。
食物繊維は細かく刻む
それでも、野菜に火を通す時間がなかったり、生野菜のシャキシャキ感を味わいたいというときもありますよね。また、生野菜には、加熱によって壊れやすい酵素やビタミンCをそのまま摂れるという大きなメリットもあります。
そんなときは、とにかく細かく刻みましょう。刻むことによって野菜の食物繊維は断ち切ることができます。山形の郷土料理に、きゅうり、ナス、ミョウガなどを刻んだ「だし」というものがありますが、これなどはその良い例ですね。
「だし」のクックパッドおすすめレシピ
⇒山形の『だし』・・kikusui流
刻むのが面倒だったら、もちろんフードプロセッサーにかければ簡単ですし、牛乳やお好みのフルーツと合わせてミキサーにかけてスムージーにするのおすすめですよ。