血便が出る4つの原因
トイレで出すものについてはなかなか話題にしにくいもの。何かおかしいことに気付いても、例えば血便があっても、あまり気に留めない方もいるかもしれません。しかし、便と健康には密接な関係があり、問題を放置すると大きな病気を引き起こす可能性があります。「大便は腸の状態を映す鏡のようなものです」(NY市の胃腸科専門医・Niket Sonpal氏)
トイレットペーパーに血がついている、あるいは用を足した後の便器の中に血が見える場合、その原因はさまざま。すぐに医師に相談するのが最善の方法です。とは言え「中には比較的よくある問題や、あまり心配する必要がない問題もあります」(Sonpal氏)
潰瘍
どんな原因かを知る上で、血の色が大きな手がかりになります。
もし血の色が黒に近いような濃い色の場合、多くの場合それは胃腸の上部(胃や食道)から来るもので、潰瘍の可能性があります。潰瘍は比較的一般的な病気で、10%の人が死ぬまでに一度は発症すると言われています。治療は基本的に簡単で、正しい投薬、ストレス軽減、断酒、禁煙などにより改善されます。
痔
一方、「栗色など明るい色は、多くの場合胃腸の下部(小腸や結腸)に由来します」(Sonpal氏)。特に、鮮やかな赤い色の場合は、痔の可能性があります。「痔は大量に出血することがあるため危険です。痔の改善には食物繊維を多く摂ることが有効です」。
肛門のひび割れ
明るい赤い色の出血の場合、肛門のひび割れも考えられます。その原因は便秘から出産までさまざまです。
しかし「出血は痔やひび割れのせいだろうと勝手に思いこむことは非常に危険です。医師に正式な診断をしてもらうことを強くおすすめします。恥ずかしがることはありません。我々は見慣れているのですから。」(Sonpal氏)
結腸直腸がん
血便の原因が、結腸直腸がんということもあります。結腸直腸がんの場合、早期であれば出血量は少ないですが、進行すればするほど多くなります。しかし、出血の量がどのくらいかということを正しく判断することはなかなか困難です。「一つ確実に言えることは、何よりも”予防”が大事だということです。一般的には50歳になったら結腸鏡検査を受けることが推奨されていますが、もし家族に結腸直腸がんになった方がいる場合、それよりも早く受けるべきです」(Sonpal氏)
「結論としては、血便が出るのは決して普通の状態でないということです」(Sonpal氏)。
もしトイレで普通でない状態に気付いたら、すぐに医師にお尻を見せに行ってください。