「えん麦のちから」の食べ方と効果~美腸スイーツ試食体験記
腸内環境を整える健康食品として最近各メディアで取り上げられている「えん麦(ばく)のちから」。今回、都内の人気カフェとコラボして「えん麦のちから」を使った”美腸”スイーツが発表されるとの情報をキャッチし、2015年10月22日、その試食会に取材に行って参りました。
場所は白金のカフェ&ダイニングバー「blanc noir(ブランノワール)」。フレンチトースト(パンペルデュ)が看板メニューの瀟洒なお店です。
腸内フローラとえん麦について
試食に先立って、和洋女子大学家政学群の王堂哲教授より、腸内フローラとえん麦についての講義がありました。非常に興味深い話だったので、その要点を箇条書きで抜粋しておきたいと思います。
- 腸内細菌と言うと乳酸菌が有名だがそれは全体から見るとほんのごくわずか(10~100億個)。人間の腸内細菌はおよそ100兆個あり、重さでは1.5~2kgにもなる
- 腸内細菌はほとんど大腸にいる。いわゆる消化のよいものは全て小腸で吸収されてしまうので、「消化の悪いもの」(=食物繊維)を食べることが重要 ⇒ 大腸で善玉菌のエサとなる
- 食物繊維には不溶性と水溶性があり、その理想のバランスは2:1。食物繊維を含む食品はそのどちらか一方しか含まれないことが多いが、えん麦にはその両方が理想的なバランスで含まれている
- えん麦を水や豆乳に溶かすことによって粘性が出るので、大腸まで届きやすい ⇒ 粘性によって消化がゆっくりになるので、空腹を抑える効果もある
- 腸内環境を整えることによる効能
- 便通改善(※下図アンケート結果参照)
- 免疫改善
- 脳に好影響(「腸脳相関」についての研究結果がある)
- メタボ・肥満の予防改善効果
30~40代女性の女性を対象にした「毎日継続的に食べている食品」についてのアンケート結果
ポイントは「お通じ良好の人」と「便秘の人」の比率。「雑穀米やえん麦、大麦などの食物繊維が豊富な穀物」「グラノーラ等のシリアル類」の『穀物製品』を継続的を食べている場合、「お通じ良好の人」は「便秘の人」よりも2倍以上も多く(ヨーグルトはわずか1.14倍)、他の食品と比べて圧倒的であることが分かります。
「えん麦のちから」の食べ方~ブランノワールのスイーツメニュー
そしてお待ちかねのスイーツの試食。ブランノワールのオーナーでありスイーツの考案者である深町健太郎さんから、「えん麦のちから」を使ったスイーツ開発の裏話を伺いながらいただきました。
豆乳ときな粉のパンベルデュ
こちらがブランノワールの看板メニューのパンベルデュ(フレンチトースト)。トッピングはバナナで、黒蜜ときな粉がかかっています。デニッシュ生地にはサツマイモと黒ゴマが練り込まれているとのこと。外側はカリッとして香ばしく、中はしっとり&もちっとした食感で、これはそこらのフレンチトーストは一味違います!甘さはやさしくもふくよかで、いくらでも食べられそうです。砂糖は一切不使用、甘味はメイプルシロップのみとのこと。
今回は試食なのでハーフポーションでしたが、本来はこのパンベルデュが2つとアイスクリームがつきます(税込¥1,100)。ちなみに「えん麦のちから」は、1人前の卵液(アパレイユ)に2.5g含まれているそうです。深町さん曰く、このスイーツのように焼いたものはえん麦の香りが引き立つので、一つの使い方として有効とのことでした。
アサイーボウル
ご存知スーパーフルーツのアサイーを使った、最近巷で評判の健康スイーツ「アサイーボウル」。材料に使った甘味ははちみつのみとのことで、フレシュな果実の味を前面に出した味わいです。スイーツとして完成されていて、えん麦のちからの風味は分からなかったのですが、もしかしたら同じ穀物のグラノーラと調和しているからなのかもしれません。深町さん曰く、アサイーボウルは本来シャーベットのようなものなので溶けやすいのが難点なのが、えん麦のちからを入れることによってとろみが出て、溶けにくくなるのがメリットとのことでした。
実際のメニューではこのように提供されます(税込¥800)。材料は、アサイーピューレ(無糖)、牛乳、はちみつ、グラノーラ、バナナ、ミックスベリー(ラズベリー、クランベリー、ブルーベリー、ストレベリー)、えん麦のちから10gとのこと。
VERY BERRYのスムージー
材料はミックスベリー、クランベリージュース、牛乳、はちみつ、えん麦のちからということで、まさに(very)ベリー(berry)尽くしのスムージーです。深町さん曰く、えん麦に合わせるのはある程度香りの強いもののほうが合うということで、当初は抹茶スムージーにすることを検討していたそうですが、今ひとつしっくりこず、最終的にベリーに落ち着いたそうです。
実際のメニューではこのように提供され(税込¥700)、えん麦のちからは1人前に10g含まれています。アサイーボウルにも言えることですが、これをいただいて思うのは、やはりえん麦のちからのとろみがいい味を出しているということです。ただし深町さん曰く、適度なとろみ具合を見つけるのには苦労したとのことでした。
ちなみにこのとろみは、食物繊維が水分が含むことによって出てくるそうです。そして驚くべきことに、水分を吸収することによってなんと8倍にも膨張するとのこと!実際にこの日の試食会はPM1:00~2:30で、昼食は食べずに参加したのですが、試食会後も夕食の時間まで全くお腹はすきませんでした。膨張するという点ではチアシードと同じ特徴があるので、ダイエット目的の方にもぴったりだと思います。
また、管理人はもともとお通じは悪くはないほうではありますが、翌日は期待通りにすっきりしたことも一応ご報告しておきます。
「えん麦のちから」の美味しい食べ方を知りたい方、あるいはそんなことはどうでもいいからとにかくこのスイーツを食べてみたい!という方、是非これらのスイーツをブランノワール(食べログ)さんで体験してみてください。
管理人からの「えん麦のちから」の食べ方提案
今回の試食会では「えん麦のちから」スイーツに活用する方法が分かって大変参考になりましたが、日々の食事にどう活かしたらよいかと悩んでいる方もいるかと思います。管理人は、この「とろみ」を活かせるのではないかと考え、後日、マーボー豆腐のとろみ付けに使ってみました。
伝わりづらい写真で申し訳ありません。。。ちなみにこのマーボー豆腐には市販の「素」は使わず、豆板醤・甜麺醤で一から味付けをしています。また400gの木綿豆腐一丁を使っているので結構な量です。マーボー豆腐を含め一般的な料理では、片栗粉を水で溶いたものを加えてとろみをつけますが、今回は当てずっぽうで「えん麦のちから」を直接投入してみました。少しずつ加えながら混ぜていると、1袋の約半分(5g)程度入れたところで、十分なとろみがつきました!どうやらこの使い方で正解だったようです。味も全く違和感なく、いつも作るマーボー豆腐と全く変わりませんでした。
ただし、後で説明書きをよく読んでみたら、牛乳や水など200mlに1袋(10g)入れて溶かして飲むのが標準的な食べ方(飲み方)で、その際は「ダマになりやすいので、必ず粉を先に入れてください」と書いてありました。。。
管理人の場合、結果的には粉末をマーボー豆腐に直接に投入するやり方で問題はありませんでしたが、いっぺんに加えず、混ぜながら少しずつ加えるという方法が功を奏したのかもしれません。可能な場合はやはり指示の通り粉を先に入れたほうが無難だとは思います。
ともあれ、考えてみると、片栗粉はジャガイモのデンプンなので、言わばただの糖質。特に特筆する栄養素があるわけではなく、その上、GI値(※血糖値が上昇するスピード。これが高いと空腹を感じやすく、脂肪がつきやすい)も「65」ということで決して低くはありません(参照サイト:http://dietmart.net)。その点、「えん麦のちから」は「50」と低GI(参照サイト:http://www.oatlife.co.jp)である上に、食物繊維の含有量、整腸作用など諸々のメリットがあり、はるかに健康的にとろみをつけることができます。
— 2015年11月4日追記 —
この他に以下の方法で活用して成功しました。
- カレー
- 合わせ調味料
- 野菜炒めの仕上げ(水っぽくなった場合に加えてとろみをつけてごまかす)
— 追記ここまで —
ちなみに「えん麦のちから」の1袋は10gで、ブランノワールさんのスイーツでは、アサイーボウルとスムージーで1袋全部、パンベルデュ(フレンチトースト)では1/4使われていることになります。管理人の作ったマーボー豆腐では半量の5gでとろみ付けは十分だったので、個人的には1袋というとかなり多い印象はあります。好みのとろみ具合を見つけるには若干試行錯誤が必要かもしれません。
また「えん麦のちから」の香りは、喩えるならほんのりパンの香りで、何にでも合わせやすそうだという印象を受けました。ブランノワールの深町さんは「えん麦特有の香りがあるので、香りの強いものと合わせたほうが…」という旨のことをおっしゃっていましたが、これはプロならではの感覚なのだろうだと思いました。おそらく一般の方でこの匂いが気になる方はほとんどいないと思います。
「えん麦のちから」の効果・メリットまとめ
「えん麦のちから」の最大の特徴は、食物繊維の量が素晴らしく多いことです。例えば、穀物の中でも玄米は食物繊維が多いと言われており、実際白米の約8倍の食物繊維が含まれますが、「えん麦のちから」にはその玄米のさらに約9倍もの食物繊維が含まれています。そして、ただ多いだけでなく、その食物繊維のうち、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維が2:1の比率というよいバランスで含まれるというのが重要なポイントです。簡単に言うと、不溶性食物繊維の特性は「胃や腸で水分を吸収して大きくふくらむ」ということ、水溶性食物繊維の特性は「粘性があるので胃腸内をゆっくり移動する」と言えます。
この2種類の食物繊維がたっぷり含まれる「えん麦のちから」を摂取することによって得られる効果にはさまざまなものがありますが、大きくまとめると、「便通改善」と「ダイエット効果」いう2つに集約することができそうです。いずれもさまざまな角度から説明できます。
便通改善について
不溶性食物繊維に由来(※胃や腸で水分を吸収して大きくふくらむ)
- 腸の蠕動(ぜんどう)運動が活発になり便通が促される
- 便のかさが増える
水溶性食物繊維に由来(※粘性があるので胃腸内をゆっくり移動する)
- 大腸まで届いてから分解されるので善玉菌が増える
ダイエット効果について
不溶性食物繊維に由来(※胃や腸で水分を吸収して大きくふくらむ)
- 腹もちがよい
水溶性食物繊維に由来(※粘性があるので胃腸内をゆっくり移動する)
- 吸収がゆるやかなのでお腹がすきにくい
- 血糖値が上がりにくい⇒糖質が脂肪に変わりにくい
- 善玉菌が増えることによって、コレステロール抑制効果がある
- 片栗粉の代用品にできる⇒片栗粉より低カロリー、低GI値
- ただ食べて消化されるだけで多くのカロリーが消費される(食事誘導性熱産生が高い)
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ダイエットの効果が目に見えて現れるのはある程度時間がかかるかもしれませんが、便通改善に関してはおそらくかなり早い段階で効果を感じることができるでしょう。いずれにしても、間違いなく体によいものですし、要は穀物ですので副作用もありません。便秘に悩んでいる方、あわよくばついでにダイエットできたらいいなと考えている方は一度試してみる価値はあると思います。
商品のさらに詳しい情報については以下のサイトをご覧ください。
健康的なダイエットをしたい人専用!「えん麦のちから」