生きるための食事:6週間で10キロ痩せるための食事法
今回は、「Eat to Live」いう書籍より、栄養学と肥満研究の専門家、ジョエル・ファーマン博士が考案した食事法をご紹介します。
食事法のカギは、公式「健康=栄養量÷カロリー量」
博士によれば、健康とは「健康=栄養量÷カロリー量」、つまり栄養摂取量をカロリーの摂取量で割った値によって予測できるといいます。簡単に言うと、栄養は豊富で、逆にカロリーが低いものを食べるのがよいということ。栄養については、特にビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養密度の高いものを中心に食べるのが望ましく、これを心がけることによって、永続的な体重のコントロールと、生命を脅かす疾患の予防につながるそうです。
博士は、まず6週間「結婚の誓いをするように」、真摯に減量に取り組むことを提唱しています。本当に覚悟を持って減量に臨み、この6週間を乗り切った患者さんの中には、2か月で27kgの減量に成功した人もいるそうです。博士は、この科学的に設計された食事法によって、優れた健康と活力を求める人たちの期待に応えられると信じています。
空腹を満たすため無制限に食べてよい食品
この食事法では、1日に生野菜を450g、蒸すなど加熱した緑色の野菜を450g食べることが目標に掲げられ、食事の最初に食べるよう指示されます。生野菜や緑色の野菜は、低カロリーなうえに、栄養素と食物繊維が豊富で健康によく、食べれば食べるほど、減量できるといいます。また、トマト、ナス、玉ねぎ、カリフラワーのような緑色でない野菜や、マッシュルームなどのキノコ類も無制限に食べることができます。
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博士によれば、豆類は「減量する人の親友」だそうで、1日に250gを目標に食べるよう推奨しています。豆類は腹持ちもよく、コレステロールや血糖値を低下させる働きがあり、甘いものへの欲求を防ぐ効果も期待できるため、制限はありません。
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また、果物は、毎日少なくとも4種類食べるように指示され、ジュース、缶詰、ドライフルーツは禁止されますが、新鮮な果物、または冷凍の果物であれば、制限はありません。
6週間制限される、あるいは禁止される食品
ジャガイモ、カボチャ、サツマイモなどのでんぷん質の野菜や、大麦、玄米などの全粒穀物は、食べても構いませんが、1日250g以内に制限されます。精製された白米、パン、パスタはより厳しい制限が必要だといいます。糖尿病などの理由でより早期に減量する必要がある人や、今まで減量に挑戦しても成果を出せなかった人は、目標の体重になるまで、これらの食品を禁止する必要があります。
ナッツやシード類は、1日30g未満に制限されます。これらは、その貴重な栄養素や健康的な脂肪分を効率的に得るために、生の状態か、家庭で軽く火を通して食べるように指示されます。
ほかに、オメガ3脂肪分を摂取するため、フラックスシード(ロースト亜麻仁)を毎日大さじ1杯食べるよう言われています。スパイスやハーブは使用できますが、塩が禁止され、動物性食品、乳製品も禁止されます。どうしても我慢できない場合は、週に1度か2度だけ、脂肪分の少ない、カレイなどの魚を食事に取り入れたり、卵の黄身を除いて食べるようにするとよいそうです。
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真剣に減量したい、健康を回復したいと願う人のための食事法
この6週間の食事法は、食品に多くの制限がありますが、博士の元を訪ねた何千人もの患者さんが真剣に取り組み、結果、健康を取り戻しています。博士によれば、彼の元を訪れる多くの患者さんが、複数の薬剤が必要な慢性疾患を抱えていたそうですが、狭心症、高血圧、糖尿病、喘息、アレルギーなどの症状が回復し、薬が不要になった人たちが大勢いるそうです。例えば、糖尿病疾患で、インシュリンによる治療が必要な方の90%以上が、最初の1か月で、インシュリンが不要になっているらしいです。
ある患者さんは、血管形成手術やバイパス手術を受けたにも関わらず、3本中2本のバイパスされた血管が詰まり始め、胸の痛みが再発しました。医師からは2度目のバイパス手術を勧められましたが、食事で改善できる方法はないかと考え、博士の元を訪れます。博士の指示に従ったところ、2か月後には、胸の痛みも消え、血圧も正常化し、薬も使わずに総コレステロール値も135に低下したとのこと。狭心症と高血圧で使用していた6種の薬も必要なくなり、7年経過した現在も、彼に血流障害の兆候は見られていません。これはほんの一例です。
博士の元を訪れる人たちの多くは、定期的な健康管理のために訪れる、比較的健康な人たちです。5キロでも不要な体重を落として、より長くより健康に生きるため、博士の指導を受けに来ているとのこと。今回ご紹介したこの食事法が、減量したい方、健康に気を配りたいと思っている方の参考になれば幸いです。