伊達式ダイエット5つのポイント
「ダイエットのカリスマ」の異名をとる伊達友美さんという方がいます。管理栄養士、ダイエットカウンセラーとしてこれまで3000人以上の減量栄養指導を経験してきており、自身も20kgの減量を成功させたという方です。そのダイエット理論は非常に理に適ったものですが、初めて知る人にとっては意外なものが含まれているかもしれません。ここでは伊達氏の著書から、伊達式ダイエット理論を簡潔にまとめたの5つのポイントをご紹介します。
カロリーを気にせず食べる
一般的なダイエットでは摂取カロリーを抑えるのが基本です。しかし伊達式ダイエットでは、細かいカロリー計算はせずにしっかり食べることを推奨しており、「栄養をきちんと摂ってしっかり食べる」⇒「代謝がよくなる」⇒「カロリー消費量が上がる」という逆転発想のアプローチをとっています。必要な栄養素を摂らないと、食べたものがスムーズに消化されず、脂肪も燃焼されにくくなるからです。
また、興味深いことに、伊達氏のところに「痩せたい」と相談に来る女性の摂取カロリーの平均の統計をとったところ、日本人の摂取基準をはるかに下回っていたとのことです。「そんなに食べていないのに痩せない」と悩んでいる方は、この考え方はヒントになるかもしれません。
がっつり肉を食べる
ダイエットのために肉を食べるというと驚く人がいるかもしれませんが、実はこれも理にかなっています。肉と言えば、筋肉を作る元であるたんぱく質がダイエットに有効であることはよく知られていますが、伊達氏は他のことにも注目しています。
一つは「L-カルニチン」という成分。L-カルニチンは羊・牛・豚などの赤身の肉に豊富に含まれ、脂肪を燃焼させる働きがあります。ダイエットの定番である鶏のササミには、L-カルニチンはあまり含まれていません。
もう一つはアミノ酸です。体内でアミノ酸が足りないと、甘いものへの欲求が抑えられなかったり、甘いもの中毒に陥りやすいと言われています。
体脂肪は油で流す
「ダイエットに油は大敵」と思っている人は多いかもしれません。しかし、油は人間の体にとってなくてはならない大事なもの。例えば、女性ホルモンは油から作られますし、人間の脳の半分以上は油でできているそうです。油抜きのダイエットをすると、皮脂が足りなくなって肌がカサカサになってしまったりもします。
だからこそ、「良い油」を摂ることが必要です。では良い油とは何なのでしょうか?「植物性油」が良い油だと思っていた人は、今すぐその考えは改めてください。サラダ油に含まれているオメガ6系の脂肪酸・リノール酸は体内の炎症反応を高め、花粉症やアトピーなどのアレルギーやリウマチを引き起こすと言われています。またマーガリンに含まれているトランス脂肪酸はさらに質が悪く、悪玉コレステロールを増やし、心臓疾患を招くという報告があります。
「良い油」とは、α-リノレン酸を含む、エゴマ油、シソ油、アマニ油、あるいはブリやサバ、マグロ、イワシなどに含まれるDHAやEPAといった魚の油です。これらの油は、体にたまった悪い油を洗い流す働きがあります。これは、皮脂の混じったメイク汚れをオイルでクレンジングするのによく似ています。
米と味噌汁で体を温める
朝食やランチは会社近くのカフェでアイスカフェオレとサンドイッチ…といった食事をしている人も多いのではないでしょうか?しかしこの食事は、二つの意味で健康によくありません。
一つは「冷え」の問題です。パンもアイスのカフェオレも体を冷やす食品。冷えは代謝を下げるので、脂肪が燃焼されにくくなります。痩せない大きな原因の一つは冷えにあるといっても過言ではありません。また、冷えや低体温は免疫力を低下させ、ガンなどの深刻な病気を引き起こす原因になるとも言われています。
もう一つはパンに含まれる小麦粉です。小麦粉に含まれるアルブミンという成分は、精神的な不安症状を悪化させることが分かっており、欧米ではうつ病の患者には精神科医がパンやパスタなど、小麦粉の食品を制限させることがあるそうです。
やはり日本人に一番向いている健康的な食事は温かい米のご飯と味噌汁です。米は、我々が生まれ育った土地で作られた農産物ですし、パンと比べると原型に近い(加工されていない)粒食というのもよいところです。どちらも体を温めてくれる上に、味噌は体によい発酵食品。また、味噌の原料である大豆に含まれるイソフラボンはホルモンを整え、乳がん予防にも効果があります。具に入れる野菜からは食物繊維やビタミンを、出汁のもとになる煮干しからはマグネシウムやカリウムを摂ることができます。
お腹が空いたときに食べる
「一日三食規則正しく食べましょう」とよく言われます。しかし、それは食欲がないときにも無理に食べろということではありません。例えば、前の日の晩に食べ過ぎ飲み過ぎて、朝起きて胃が重いときがあるでしょう。そんなときは消化力が落ちているので、朝食を食べる必要はありません。無理やり朝食を食べてしまうと、食べた分だけ太ってしまいます。
江戸時代まで日本人の多くは一日二食でした。一日三食という強迫観念にかられる必要はなく、自分の腹時計を頼りに、お腹が空いたときに食べるのが自然なこと。それで十分に痩せることは可能です。