スクワットがダイエットに効果的である理由
ご存知の方が多いと思いますが、「スクワット」とは、膝関節の曲げ伸ばしをする運動で、太もも周りやお尻を中心として、下半身全体の筋肉を鍛えることができる運動です。
そして、このスクワットはダイエットに非常に効果的です。こう言うと、もしかしたら意外に思う人もいるかもしれません。「脚の筋肉と痩せることって関係ないじゃん」「脚が太くなるだけでしょ」などと思っている人もいるのではないでしょうか?ここでは、スクワットがダイエットに効果的と言える理由や、スクワットに関するさまざまな疑問について分かりやすく説明します。
脂肪が燃えるのはいつ?
スクワットがダイエットに効果的と言っても、スクワットの運動自体でカロリー消費を期待しているわけではありません(むしろスクワット自体の消費カロリーはごくわずかです)。スクワットがダイエットに効果的なのは、スクワットで脚の筋肉をつけることによって、その筋肉が体全体の脂肪を燃焼してくれるからです。これがありがたいのは、運動をしていないときでも、つまり家でテレビを見ているときでも、寝ているときでも、常に勝手に少しずつ脂肪を燃やしてくれるということです。
代謝の仕組み
もう少し補足しておきましょう。「代謝」という言葉はみなさん聞いたことがあると思います。詳しく説明すると難しいですが、ざっくり言うと、代謝とは脂肪をエネルギーに変え、消費する仕組みのことです。よく「代謝が高い/低い」と言いますが、これは言い換えると「脂肪を多く燃焼してくれるかどうか」ということになります。
代謝を高くするにはいくつかの方法がありますが、分かりやすくて有効なのは、筋肉をつけることです。なぜなら、筋肉は脂肪を燃やしてエネルギーに変える性質があるからです。つまり、体の筋肉の量を増やせば増やすほど、より多くの体の脂肪が燃えてくれます。
なぜスクワット?
とは言え、筋肉を鍛える運動、いわゆる筋トレというものはいくつもあります。もちろんどこの筋肉を鍛えてもよいのですが、ダイエットというものを考えたときに、最も優先度が高い筋トレはスクワットだと断言できます。
ではなぜスクワットなのか?それは、下半身の筋肉は体の筋肉の中で断然大きいからです。体全身の筋肉の中で、約70%が下半身の筋肉だと言われています。同じ時間をかけて筋トレをするなら、大きい筋肉を鍛えたほうが効率がいいですよね。スクワットは、下半身の筋肉を万遍なく鍛えることができる最高の筋トレなのです。
スクワットをやると脚が太くなるのでは?
それでも「スクワットなんかやったら脚が太くなるんじゃ…」と心配している人もいるかもしれません。安心してください。そう簡単に筋肉で脚は太くなりません。そんなに簡単に筋肉ムキムキになったらボディビルダーは苦労しません。
もしかしたら、「実際に学生時代は部活で脚が太くなった」という方もいるかもしれません。しかし、あの頃とは成長ホルモンの出方が違います。むしろ歳をとったら筋肉はどんどん衰えていくので、その意味でも体を支える脚の筋肉を鍛えることは重要です。
とは言え、太ももには脂肪も多くあるので、最初のうちは筋肉がプラスされることで若干太く感じる時期もあるかもしれません。しかし、長い目で見れば、増えた筋肉が、太ももを含め体全体の脂肪を少しずつ落としてくれるので、結果的に脚も細くなります。続けていれば、太ももの脂肪が減ると共に、綺麗な筋肉がついて脚が引き締まっていくことを感じられるでしょう。
スクワットをやると脚の部分痩せができる?
しかし、ここで一つ誤解してほしくないことがあります。「スクワットをすると結果的に脚が細くなる」とは言いましたが、決して「脚の部分痩せ(=脚だけ痩せること)ができる」わけではありません。あくまでも、体中の脂肪が全体的に燃える中の一環として、脚の脂肪も燃えるということです。
こう言うと、がっかりした人もいるかもしれませんが、実はそんなにあきらめたものではありません。脂肪が燃焼されるときには、原則として、体中の脂肪が均等な割合で燃焼されると言われています。そう考えると、例えば「手の甲」にはほんの少ししか脂肪はありませんが、「太もも」には多くの脂肪があります。仮に手の甲の脂肪の量を「1」、太ももの脂肪の量を「10」としましょう。これらの脂肪が均等に「2割」燃えるとしたら、手の甲の脂肪は「0.8」になり、太ももの脂肪は「8」になります。「10」が「8」になったほうが、「1」が「0.8」になるより減る脂肪の量は多いので、その意味では、太ももなどの脂肪が多い部位は「部分痩せ」したようにも見えるのです。
ちなみに、もう一つ「部分痩せ」に関して言うと、最近の研究ではお腹だけは例外的に部分痩せができると言われています。
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お腹の部分痩せをするためのポイントは、成長ホルモンを多く分泌させることで、そのためにはゆっくりした動きの筋トレ、いわゆる「スロートレーニング」が有効だと言われています。これは、腹筋運動に限らず、どんな筋トレでも構わないので、つまりゆっくりとスクワットをやれば、脚の部分痩せはできなくても、お腹の部分痩せにはつながると言えます。これは興味深いですね。
スクワットの注意点
こんな素晴らしいスクワットですが、実は正しいフォームでやることはなかなか簡単ではありません。おかしなフォームでやると、効果がないばかりか膝や腰を痛めてしまう恐れもあります。
もし可能なら、最初はパーソナルトレーナーなどの専門家にフォームを指導してもらうことをおすすめします。お安くはないですが、そのうち自分一人でも正しいフォームでできるようになりますので、長い目で見れば、そんなに高いものではないと思います。
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もし自分一人でやる場合は、こちらの記事で紹介している動画などを見て、正しいフォームに気をつけながら取り組んでみてください。
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もし膝などが痛くなったら、そのときはあまり無理をせず、膝の角度を浅くする「ハーフスクワット」に切り替えるか、パーソナルトレーナーを検討してみてください。