お腹周りの部分痩せが可能である根拠~スロートレーニングのすすめ
歳をとってくると気になるのがお腹周り。「ダイエットするならお腹周りの体脂肪を優先的に落としたい」と思うのが人情です。しかし、その一方で「部分痩せってそもそも可能なの?」と疑問に思っている人も多いのではないでしょうか?実際、ちょっと昔は「部分痩せなど不可能」という考えが主流でしたが、近年は体脂肪に関する研究が進み、「成長ホルモン」が体脂肪分解、特にお腹周りの脂肪を減らすために重要な役割を果たしていることが分かってきました。ここでは、お腹周りの部分痩せが可能である根拠と、お腹痩せのために効果的で簡単なトレーニング方法をご紹介します。
成長ホルモンとは?
「そもそも成長ホルモンって何だっけ?」と思う人もいるかもしれません。成長ホルモンは「身長を伸ばすホルモン」というイメージが強いですが、他にも、細胞を修復する、代謝を促進する、血糖値を安定させるなどさまざまな働きがあります。残念ながら、思春期前後をピークとし、歳をとると共にその分泌量は減少していきます。
成長ホルモンのダイエット効果
ある実験で、被験者に対して成長ホルモンを注射し、その後中性脂肪がどう変化するかを調べました。一つ補足しておくと、「中性脂肪」とは「脂肪酸」と「グリセロール」が合体したもので、必要に応じて分解されて血液中に遊離します。血液中に遊離している脂肪酸とグリセロールは、人間が活動するエネルギーとして使われます。
実験の結果はと言うと、成長ホルモンを注射した2時間後には、血中の脂肪酸とグリセロールの量が、それぞれ通常の2倍以上に増加しました。これは言い換えると、成長ホルモンによって体脂肪が多く分解され、エネルギーとして使われやすい状態になったということです。成長ホルモン、恐るべし!
お腹の部分痩せが可能である根拠
さらにこの実験ではもう一つのことが分かりました。それは、「お腹周りの脂肪の方が、太もも周りの脂肪よりも多くのグリセロールが遊離していた」ということです。これは言い換えると、お腹周りの脂肪はエネルギーとして使われやすいということになります。もっとも、これは太ももを部分痩せしたい方にとっては残念なニュースかもしれません。
成長ホルモンを分泌させるには?
ここまでで、成長ホルモンが、脂肪を分解する、特にお腹周りの脂肪を分解してくれるるありがたい存在だということが分かりました。では、どのように成長ホルモンを分泌させたらよいのでしょうか?前に述べた通り、成長ホルモンの分泌量は思春期前後がピークで、歳と共に減少していきます。
しかし嬉しいニュースがあります。それは、筋肉中の乳酸の濃度を高めるようなトレーニングをすると成長ホルモンが分泌されるということです。
「乳酸」は、トレーニングマニアの人以外にはあまり馴染みがない言葉かもしれません。紛らわしいのですが、ヨーグルトなどの「乳酸菌」とは全く関係ありません。「乳酸とは何か?」を簡単に説明するのは難しいのですが、とりあえず、無酸素運動をしたときに血液中に増える物質というくらいに覚えておけばよいでしょう。つまり、無酸素運動をすればお腹周りの部分痩せができるのです。
無酸素運動とは?~簡単にできる無酸素運動
では「無酸素運動」とはいったんどんな運動なのでしょうか?実はこれも誤解が多いのですが、決して「呼吸をしない運動」という意味ではありません。詳しく説明すると非常に難しい話になるのでざっくりとだけ説明しますが、「有酸素運動」以外が「無酸素運動」で、代表的なものが「ダッシュ系」と「筋トレ」です。
「なんかキツそうだなぁ」と恐れをなしている方もいるかもしれませんが、そうでもありません。確かに、ダッシュ系の運動を生活に取り入れるのは難しいかもしれませんが、筋トレであれば比較的簡単に実践できると思います。特に筋トレの中でもおすすめなのが「スロートレーニング」で、スロートレーニングは特に成長ホルモンの分泌を強く促すことが分かっています。
スロートレーニング(スロトレ)とは?
「スロートレーニング」とは、簡単に言えば、「上げ下ろしをゆっくりする筋トレ」です。とにかくゆっくりキツい動きをすれば何でも「スロトレ」になります。
ダンベルを使えばいろいろなバリエーションが広がりますが、何も使わなくてもスロトレはできます。以下に、道具を使わずに手軽にできるスロトレをいくつかご紹介します。
そんなに難しいものではないということがお分かりいただけたのではないでしょうか?ここでご紹介したスロトレは全て自体重を使ったものなので無理な負荷もなく、ゆっくり動くので安全。それでいて決して楽というわけではありません。是非毎日の生活に取り入れて、お腹の部分痩せを実現してください。何事も大事なことは継続です!
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