糖質制限ダイエットを成功させるために必要な6つのポイント
ダイエットの切札として、近年、カロリーでなく糖質を制限する方法が注目されています。しかし、残念ながら誤った情報も氾濫しており、失敗してリバウンドする人も多いのも事実です。糖質制限ダイエットは科学的に証明されている有効なダイエット方法で、正しく行えば極めて有効です。ここでは、意外と知られていない糖質制限ダイエットについて役立つ豆知識をご紹介します。今糖質制限ダイエット中の人も、これからやろうかどうか迷っている人も、是非参考にして、糖質制限ダイエットを成功させてください。
糖質を厳しく制限する必要はない
糖質は少なければ少ないほど効果がありそうな気がしますが、あまりに極端に制限すると続けるのが難しいですし、健康面への不安もあります。実は、2006年に米医学誌『American Journal of Clinical Nutrition』に掲載された研究結果では、「厳しい糖質制限と緩い糖質制限では減量効果に差はない」と報告されています。
食・楽・健康協会代表理事の山田悟氏は、糖質の摂取は1食20~40g、間食で10g、合計最大で1日130g以内という緩い糖質制限食を提唱しています。
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1食40gまでなら、ご飯ならお茶碗半分、食パンなら1枚くらいは食べられます。菓子類や清涼飲料水でも、血糖値を上げにくい甘味料(エリスリトールなど)を使ったものなら楽しむことができます。肉、魚はほぼ糖質ゼロですし、豆腐や豆乳などの大豆製品や野菜も低糖質。これだけバラエティ豊かな食材を食べることができれば、無理なく続けることができるのではないでしょうか。
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カロリーは制限しなくてよい
糖質制限ダイエットのポイントは、糖質を摂ることによって分泌される、”肥満ホルモン”ことインスリンの分泌を抑えることにあります。
ダイエットというとカロリーを抑えることを考える人が多いですが、糖質制限ダイエットではカロリーは制限する必要がありません。カロリーを制限するダイエットは、食事量自体が減る上に肉などの満足度の高い食べ物を我慢しなくてはいけないので辛いですが、糖質制限ダイエットは基本的にお腹いっぱい食べられるので、辛くないから続けやすいのです。
脂質を控えないので腹持ちがいい
糖質、たんぱく質、脂質の3大栄養素の中でカロリーを比べると、脂質のカロリーが断然高いので、カロリー制限ダイエットでは必然的に脂質を抑えることになります。しかし、イギリスの医学雑誌『The New England Journal of Medicine』に掲載された研究結果では、「カロリー制限なしの糖質制限食」「カロリー制限ありの低脂質食」「カロリー制限ありの地中海食(Wikipedia)」の3つを比較したところ、2年後の体重減少の平均の成果は、1位:糖質制限4.7kg、2位:地中海食4.4kg、3位:低脂質2.9gと、糖質制限ダイエットの圧勝となりました。つまり、脂質を制限するよりも、糖質を制限したほうが体重は減るのです。
カロリーを制限するダイエットでは、脂質の多い肉や魚介などのたんぱく源を控えがちです。しかし、たんぱく質を食べると小腸から分泌されるGLPなどのホルモンの働きによって、脳の満腹中枢が刺激され、満腹感が得られます。また、脂質を食べると小腸から分泌されるGIPというホルモンの働きにより胃の蠕動(ぜんどう)運動が抑えられ、その満腹状態が長く続きます。脂質は決して悪者ではないのです。ただし、脂質の中でも、加工食品に多く含まれる「トランス脂肪酸」は明らかに体に良くないので、極力摂るのは避けましょう。
リバウンドしない
糖質制限ダイエットを「筋肉が落ちてリバウンドしやすい」と批判する人がいるようですが、それは間違いです。「筋肉が落ちてリバウンドしやすい」のは、カロリー制限ダイエットのデメリットです。前に述べたように、カロリーを制限するとたんぱく質の摂取が減りがちです。そして、たんぱく質が減ると筋肉が落ちます。そして、筋肉が落ちると基礎代謝(何もしなくても消費されるカロリー)が落ちます。そうすると、リバウンドしやすい体になります。
その点糖質制限ダイエットはたんぱく質はきちんと食べるので筋肉が落ちる心配はありません。
糖質制限ダイエットをする人の中には、欲張って糖質と一緒にカロリーまで減らそうとする人がいますが、これは逆効果です。そうでなくても、糖質を減らそうとすると自然に摂取カロリーはダウン気味になるので、「痩せるために」しっかり食べるように心がけてください。
昼食はコンビニで
三食のうち最も糖質制限をやりにくいのがランチです。忙しい会社員はついついファーストフードなどで手早く済ませがちですが、例えば牛丼、カツ丼、カレーライスなどの丼物には100g以上の糖質が含まれます。ハンバーガーショップのセットも、ポテトや清涼飲料水がついているので、糖質過多になりやすいです。なるべく、和洋中問わず、主食、主菜、副菜、汁物が揃っている定食を食べられる店に行きましょう。また、主食の炭水化物も少なめ(小盛り)にするようお願いするか、もったいないかもしれませんが全部食べずに残すようにしましょう。
もし、定食屋に入る時間がないときは、コンビニでランチを買うのがおすすめです。意外に思う方もいるかもしれませんが、実はコンビニはダイエットの味方です。なぜなら、コンビニの商品のほとんどは、成分表示ラベルで糖質量が確認できるからです。
ではコンビニで何を買ったらよいか?主食系で比較的おすすめなのはサンドイッチです。例えばセブンイレブンのミックスサンドの糖質量は24.7gです。それにサラダやスープを組み合わせると、栄養バランスもよく、糖質もカットできます。逆に、おにぎり、カップ麺、パスタは最低でも40g。特にパスタは60g以上もザラで、これらは極力避けるべきです。
糖質を食べてもすぐに動けば太りにくい
「食べてすぐ横になると牛になる」とは昔の人はうまく言ったものです。牛は、食べたら消化をすすめるために横になる時間が必要だそうですが、人間は横になる必要は全くありません。
食後にはなるべく体を動かすようにしましょう。運動をすると、ブドウ糖を体内に運ぶ働きをする「GLUT4(グルット4)」という物質が刺激され、血糖値が上がり過ぎないようコントロールしてくれます。それはつまり肥満を防ぐこととイコールです。また、インスリンの分泌量が減るので、その結果としてインスリンを分泌する膵臓の疲労も防ぐこともできます。
もっとも、食後にいきなり激しい運動をすることもできません。会社員の方ならなおさらでしょう。しかし、その場での足踏みや階段の上り下りなどといった軽い運動でも十分効果はあります。朝食後は一つ遠い駅まで歩いて通勤電車に乗る、昼食後はエレベーターを使わずに階段で職場に戻る、夕食は駅から離れたレストランで食べて、少し遠回りをして帰る…などいったちょっとした工夫をしてみましょう。
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