空腹感がおさまらない4つの原因
いつも異常に空腹、空腹感を抑えられない、食事を食べてもまたすぐにお腹がすく、などの悩みを抱えている人がいるかと思います。空腹感との付き合い方はダイエット成功の鍵。場合によっては何らかの病気の可能性もあるので、その原因を見つめ直すことは大切です。『The Hunger Fix』の著者であり、『Elements Behavioral Health(健康行動学研究センター)』のシニアアドバイザーのパム・ピーク氏が語った以下のポイントを是非参考にしてください。
代謝がよい
多くの人は、代謝をよくするために頑張ってトレーニングして筋肉をつけるのですが、中には幸運なことに生まれつき代謝がよい人がいます。代謝がよいということはエネルギーを多く消費するということですので、その分多くの燃料を必要とします。人の基礎代謝量には個人差があるものですが、ベルモント大学の研究では、人の約3割は基礎代謝量が同世代の平均と比較して8%以上も異なる(多いまたは少ない)ということが報告されています。「つまり、代謝のよい人は他の人よりも1日に100~400kcalも余計にカロリーを消費している可能性があります」(ピーク氏)。大したカロリーではないと感じる方もいるかもしれませんが、ついついご飯をお代わりしてしまうのはそのせいかもしれません。
精製・加工したものを多く食べている
白米、パン、パスタなどの精製された穀物や、お菓子やスナックなどの加工食品を食べると、血糖値が急激に上昇し、下降したときにむしろ食べる前よりも空腹を感じることがあります。International Journal of Obesity(肥満に関する国際ジャーナル)の調査では、高脂肪・高糖質の食べ物は、気分や感情を調整する脳内物質と干渉し、落ち込みと興奮を引き起こすことが報告されています。「精製した砂糖には特に強い力があり、”報酬系(快楽中枢)”と呼ばれる脳の中枢を刺激します。一日中食欲が持続してしまうのは、これが原因であることが多いです」(ピーク氏)。スナック菓子などの加工食品はなるべく控えて、血糖値の上がりにくい全粒粉の穀物(玄米、麦各種、雑穀、オートミール、全粒粉、そば、とうもろこし等)を食べるように心がけましょう。
ホルモンがうまく機能していない
一例として月経前症候群がありますが、その他ホルモン的なさまざまな問題が、長期間の空腹感を引き起こすことがあります。「よくある原因の一つに甲状腺機能亢進症があります。これは甲状腺組織の活動が異常に活発になる病気で、甲状腺ホルモンが大量に分泌された結果、全身の代謝が過度に高まります。バセドウ病は甲状腺機能亢進症を起こす代表的な病気です。また低血糖症や、その逆に血糖値が高くなりすぎる前糖尿病や糖尿病なども過剰な空腹感を引き起こすことがあります」(ピーク氏)。これらのいずれかに当てはまることがあったら、医師に相談してください。
空腹と食欲を混同している
実は「いつも空腹」という人の中には「ただ食欲旺盛なだけ」という人が多いのです。「空腹は、一つの原始的な生物学的衝動で 例えば頭痛、震え、腸の収縮などといった身体の症状と関連があり、これらが原因でお腹がグーと鳴り空腹感につながることがあります。一方、食欲は心理的な衝動で、ある何かを食べたいという欲求です。本来、空腹と食欲は同時に発生するのが望ましいのですが、なかなかそううまくはいきません」(ピーク氏)。自分が本当に空腹かどうか確認するにはこちらの記事を参考にしてください。