骨粗鬆症(骨粗しょう症)を改善する方法
骨粗鬆症(骨粗しょう症)とは、骨密度が低下して骨折しやすくなる病気です。閉経によって女性ホルモンの分泌が低下すると骨密度を低下させるため 、特に女性に多い病気と言われています。がんや心筋梗塞、脳卒中などのようにそれ自体が直接命を脅かす病気ではありませんが、骨粗しょう症による骨折のために晩年を「要介護状態」で過ごす人も少なくありません。骨粗鬆症にならないように日頃から食事や運動など生活習慣に気をつけるのが一番ですが、もしなってしまった場合でも改善することは可能です。ここでは、骨粗鬆症の方が症状を改善するためにできることや気をつけるべきことをご紹介します。
骨折しないための予防策とは?
骨粗鬆症を改善する前に、骨粗鬆症の方はまず今骨折しないことを考えましょう。骨粗鬆症の方は骨がもろくなっているので、自分でも驚くようなわずか衝撃で骨折することがあります。具体的には以下のような予防策が挙げられます。
- 家の中でつまづいて転んでしまう危険がある物を置かないようにすること
- 身の回りをいつもすっきりと片付けておくこと
- 家に階段がある場合は支えとなる手すりを付けること
- 夜寝るときは夜間起きた時の動きに対応できるよう小さな灯りを付けておくこと
いずれにしても、日頃から慌てず落ち着いて行動するよう心がけましょう。
骨粗鬆症を改善する体操とは?
骨粗鬆症は骨に刺激を与える運動を適度に行うことによって改善されます。
そこで、骨を支える筋肉を鍛えることができる体操を行うのがおすすめです。簡単で効果的な体操を幾つかご紹介します。
足と背筋を鍛える
- 柱に向かって立ち、足を前後に開く
- 後ろ足を踵をつけたまま伸ばし
- 柱に向かって腕立て伏せをしながら後ろ足のアキレス腱を伸ばす
腹筋を鍛える
- 膝を立て座り、両手は外太腿に添える
- その状態で上半身を後方にゆっくり倒し、数秒キープする
- またゆっくり元に戻す
腹筋とお尻の筋肉を鍛える
- 仰向けに寝て両膝を立てる
- 片方の手を腰の下に入れて、もう一方の手を下腹部に置く
- 下腹部を抑えつつ腰に力を入れて、腰の下に入れた手を押さえ付けるようにする
これ以外にも、毎日意識的に体をなるべく多く動かしましょう。簡単な運動としては、30分から1時間程散歩するのも効果的で、血行が良くなり丈夫な骨を作るのに役立ちます。
骨粗鬆症を改善する食事とは?
骨粗鬆症の方は、骨からカルシウムが溶け出してしまっているので、不足しているカルシウムを摂取できる食品を多く摂るようにしましょう。
カルシウムの摂取量を一日に200〜400mg増やすことを考えましょう。200mgのカルシウムを含む食品には以下のようなものがあります。
- 牛乳200cc
- チーズ32g
- ひじき15g
- わかめ25g
- 小松菜1/3束
- 木綿豆腐2/3丁
またカルシウムだけでなくビタミンDも多く摂りましょう。ビタミンDにはカルシウムの吸収率を高める効果があります。ビタミンDを多く含む食品には以下のようなものがあります。
- 牛乳
- バター
- 卵黄
- レバー
- 魚肉
逆に、加工食品やインスタント食品、清涼飲料水などはカルシウムの吸収を妨げるので摂取は控えましょう。
骨粗鬆症を改善する日光とは?
興味深いことに、適度に日光浴をすると骨粗鬆症が改善されます。これは、太陽光を浴びると、紫外線が体内のコレステロールをビタミンD(カルシウムの吸収を助ける)に変化させるからです。人間に必要なビタミンDの半分は、日光を浴びることによってまかなうことができると言われています。ただし、紫外線はシミや皮膚がんを起こす恐れもあるので、夏場のような強い日差しや直射日光はなるべく避け、木陰などで程良く日光を浴びましょう。