糖尿病にならないために食事で注意すべきこととは?
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糖尿病は、生活習慣病の一つで、癌や脳血管疾患、心臓病など日本人の三大死因に繋がる命にかかわる病気と言われています。糖尿病の怖さは、自覚症状がないまま発症していたり、発症に気づいた時にはかなり進行しているということにあります。実際、血糖値が高く「糖尿病予備軍」と呼ばれる人の数は、東京の人口約1320万人の2倍である2500万人程もいると言われています。ここでは、血糖値を下げ、糖尿病になるリスクを減らすことができる食事方法をご紹介します。
炭水化物と糖分の組み合わせを避ける
健康な人の血糖値は、空腹時に110、食後30分で140、食後2時間で115です。食後、血糖値が急上昇するのを避けるためにも、血糖値に大きく関係する「炭水化物」と「糖分(砂糖)」の組み合わせの食事は控えましょう。
例えば、朝食の場合、パンやコーンフレークといった穀類にジャムや砂糖を付けて食べるのではなく、卵やヨーグルトといった良質のタンパク質と、牛乳やバナナを一緒に食べることで、満足感を得つつ血糖値の急上昇を避けることができます。
血糖値の上昇を抑える食べ物を摂り入れる
血糖値の上昇を抑える効果がある食べ物をご存知でしょうか?それは、野菜・きのこ・海藻など食物繊維が豊富に含まれているものです。食物繊維は消化・吸収されないので、それ自体は血糖値を上昇させず、また、水溶性食物繊維には糖質や脂質の吸収を遅らせる効果があるからです。
また、肉・魚・大豆製品・卵などのタンパク質も、炭水化物に比べると血糖値を上げにくい食品です。
血糖値の上昇を抑えるための食べる順番
気を付けると良いのが食べる順番です。まず、食物繊維を食べて空腹感を満たし、次にタンパク質を食べ、最後にごはん・パン・いも類などの炭水化物、という順番で食べるようにしましょう。
この順番で食べることによって消化がゆっくりになります。これを毎日の食習慣にすれば、少しづつですが確実に血糖値を下げることができます。
早食いを避けてよく噛む食材を選ぶ
お肉とうどん、どちらが血糖値が上がるように見えるでしょうか?高カロリーなお肉のほうと思う方もいるかもしれませんが、実際はうどんの方が血糖値が上がってしまいます。その理由は、うどんは炭水化物である小麦でできていている上に、つるつると食べやすく早食いになりやすいからです。早食いは血糖値を急上昇させてしまう大きな原因の一つですので、ゆっくり噛んで食べるよう心がけましょう。その反対に、お肉(特に塊肉)の場合、よく噛んで食べる必要があり、消化にも時間がかかるので、血糖値の上昇はゆるやかになります。
また、ごはんを五穀米や玄米にしたり、パンをライ麦や全粒粉のものにしたり、おかずにごぼうやれんこんなどの野菜を多くするのも効果的です。血糖値上昇を抑えるとともに、噛み応えがあるので満足感もアップします。
ちょこちょこ食べて大食いを避ける
普通は一日3食ですが、これを一日5食にすることによって血糖値の上昇を抑えることができます。血糖値が上昇するのは食事の時ですから、食事の回数が少なければ、一回当たりの食べる量も少なくなり、その結果血糖値の上昇を抑えることができるというわけです。
一日の食事の間隔は4時間くらいにして、最後の食事をなるべく遅くならないようにするのが理想的です。これによって、血糖値の変動をゆるやかに保つことができます。
肉は食べ方と食べる量に気を付ける
肉も種類を上手に選びましょう。ハムやソーセージなどの加工肉、豚ロースや牛肉は飽和脂肪酸が多く、血中のコレステロールが上がり動脈硬化になりやすくなるので、なるべく避けたほうがよいでしょう。反対に食べても良い肉は、鳥のムネ肉や鶏ささみ、豚ももや豚ひれなどです。
また、肉は脂肪と一緒に摂取すると血糖値が上がりやすいので、蒸したり茹でたりして脂を落とすのがおすすめです。食べる量は一回の食事で肉100g程度を目安にし、野菜150gを一緒に食べるようにします。もちろん、肉よりも野菜を先に食べるのが望ましいです。
血糖値を下げるお茶を飲む
普段、何気なく飲んでいるお茶にも血糖値を下げる効果があることをご存知でしょうか?例えば、緑茶は腸で糖質の吸収を遅らせるカテキンが含まれており、四番茶には、血液中の糖を効率よく処理するポリサッカライドが含まれています。また、桑の葉茶は食物が小腸でブドウ糖に分解されるのを防いでくれるデオキシノジリマイシン(DNJ)が含まれており、グァバ茶に含まれているポリフェノールには血糖値を下げる効果があります。他にも、中国のギムネマ茶・フィリピンのバナバ茶・アンデスのヤーコン茶なども効果的です。
お酒は条件を守って飲む
適量であれば、糖尿病になっても飲むことができるお酒があります。例えば、赤ワインに含まれているポリフェノールには、血糖値を下げるとともに、血液をサラサラにする働きがあります。実際、赤ワインを一日一杯飲むと、糖尿病の発症率を4割低くすることができるという研究もあります。また、比較的度数が低く、糖質が少ない焼酎も良いでしょう。
逆にやめた方が良いお酒は、糖質の多い日本酒や、アルコール度数の高いウイスキーなどです。
また、一日グラス1〜2杯の適量を心がけること、週2〜3日の休肝日を設けること、やけ酒や空腹時の飲酒は絶対にしないこと、飲酒により血糖値が上がったまま寝ないことなどに注意しましょう。
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