糖質を摂ると骨が溶ける?~驚くべき糖質と骨の関係
「骨粗しょう症」がクローズアップされるのは通常50歳以降、女性の場合閉経後です。しかし、骨の健康には20代の頃から気にかけてほしいもの。なぜなら、糖質を摂り過ぎると骨が溶けてしまうからです。「そんな話は聞いたことはない」と驚く方も多いかもしれませんね。ここでは、あまり知られていない、糖質と骨の関係についてご紹介します。
「糖質を摂り過ぎると骨が溶ける」メカニズム
だ「糖質を摂り過ぎると骨が溶ける」、これは砂糖たっぷりの炭酸飲料の中に骨を入れたらシュワシュワと溶けてしまう…といったことではありません。糖質を摂ると、上がった血糖値を下げるために、インシュリンが分泌されますが、このときに大切な働きをするのが「カルシウム」です。インスリンを分泌するためには、そのためのスイッチを押す必要があります。実は、そのスイッチを押すのがカルシウムの役目で、血糖値が上がると、血液の中のカルシウムは、インスリン分泌のスイッチを押すために消費されてしまうのです。
つまり、糖質をたくさん食べる人ほど、インスリン分泌のために血液の中からカルシウムがどんどん使われていきます。血液中に必要なカルシウム量が足りなくなると、体は足りない分を補うためにカルシウムの貯蔵庫である「骨」からカルシウムを溶かし、血液に必要なカルシウム量を確保しようとするのです。これが「糖質を摂り過ぎると骨が溶ける」メカニズムです。
糖質を摂り過ぎていませんか?
と言っても「私はそんなに甘いものは食べないし」と思っている人もいるでしょう。しかし、現代の食生活では、我々は思っている以上に多くの糖質を口にしているものです。糖質は生きていくために必要なエネルギー源ではありますが、必要以上に摂り過ぎると、さまざまな不調や病気の原因をつくります。日頃の食生活を振り返ってみてください。「食事代わりに菓子パン」「小腹がすいたらチョコレート」といった生活をしていませんか?
このような糖質まみれの生活を続けていると、知らず知らずのうちに骨からカルシウムが溶け出て、更年期を迎える頃には骨がスカスカになってしまいます。実際、妊娠・出産を機に骨量を調べたら、「骨年齢はおばあさんだった」ということも珍しい話ではありません。「甘いものは骨を溶かす」―これは事実です。
女性に骨粗しょう症が多い理由
骨粗しょう症は男女問わず主に加齢によって引き起こされますが、男性よりも圧倒的に女性に多いと言われています。その理由は、女性がもともと男性よりも骨量が少ないことに加え、骨の新陳代謝に、女性ホルモンのエストロゲンが関わっているからです。
骨は、体の中で常に破壊と再構築が繰り返されています。この過程においては、骨を作る細胞である「骨芽細胞」と、骨を壊す細胞である「破骨細胞」がそれぞれ働いていますが、エストロゲンには、この「破骨細胞」の働きを抑える作用があります。しかし、エストロゲンは更年期の頃から分泌量が少なくなり、閉経後にはほとんど分泌されなくなります。そうなると、破骨細胞の骨を溶かす働きにブレーキが効かなくなり、カルシウムが溶けだして、まるで骨に鬆(す)が入った状態になってしまうのです。
40代、50代で骨の健康を意識するのでは遅い
女性は、ただでさえ、妊娠・出産によって骨がもろくなります。これは、お腹の赤ちゃんの成長に骨のカルシウムが優先的に使われるため。女性の骨量は、30代で最大になると言われているので、それまでにいかに骨の貯金を増やすことができるかがカギを握っています。コツコツためて、最大限の骨量まで増やして30代を迎えられるのか、十分に増やすことができずに骨が溶けだすスピードに追い越されてしまうのか―。
骨の貯金は若いうちから取り組んでおくべき重要課題です。今のうちから、密度の濃い、ギュッとつまった強い骨を作りましょう。また。年齢を問わず、毎日の食事から骨の栄養をしっかり摂るよう心がけてください。スイーツバイキングで目を輝かせている場合ではありませんよ!
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