ひどい首・肩コリの解消法とは?~ポイントは「拮抗筋」にあった!
首肩のコリが治らない原因とは?
現代病と言っても良い首や肩のコリ。定期的にマッサージや指圧に通っているという人も多いのではないでしょうか。しかし、マッサージや指圧による痛みの緩和は一時的なもので、またすぐにコリが生じてしまいます。これはなぜでしょうか?
通常、首や肩の筋肉は何層にも複雑に重なっていて、一番上にある筋肉を「表層筋」、その下にある筋肉を「深層筋」と言います。マッサージや指圧でほぐすことができるのは表層筋ですが、慢性的なコリがある人ほど深層筋がこっているため、表層筋のコリを解消したとしても肩こりが繰り返されてしまうのです。
拮抗筋とは?~コリをほぐすためのポイント
では頑固な深層筋のコリは解消できないのかというとそんなことはありません。深層筋のコリを解消するためのキーワードが「拮抗筋(きっこうきん)」です。
拮抗筋とは特定の筋肉ではなく、反対の働きをする筋肉を指します。例えば、肘を曲げて力こぶを作ると上腕二頭筋が収縮しますが、この時は逆に上腕三頭筋(二の腕)が伸ばされます。この時、上腕二頭筋を「主導筋」、上腕三頭筋を「拮抗筋」と呼びます。このように、人間の体にはいくつもの拮抗筋が存在します。
肩こりの解消法:胸をほぐす!
例えば、肩こりに悩んでいる方は、ほとんどの場合肩甲骨周辺の筋肉、つまり広背筋が硬くなっています。その広背筋に対する拮抗筋が胸の部分にある大胸筋で、その深層にあるのが肋間筋(肋骨と肋骨の間にある筋肉)です。
肩がこっているとき、肋間筋のところどころを指先で軽く押してみてください。きっと小さなコリや痛みを感じる場所があるはずです。不思議に思うかもしれませんが、その肋間筋のコリを指で優しく揉むと、その痛みが緩和して、同時に背中のコリや張った感じが楽になります。つまり、肩や背中を直接刺激しなくても、肩こりを解消する効果があるというわけです。
首のコリ解消法:首のスジをほぐす!
首がこると首の後ろ側を指圧することが多いと思います。しかし、首の筋肉も何層にも重なり合っていて、いくつもの深層筋があります。すでにご説明したように、深層筋がこっている場合は、表層筋をいくらほぐしてもスッキリ解消しないことが多く、首のコリを繰り返してしまいます。
そこで、首の後ろ側がこったら、そこに対する拮抗筋をほぐしてあげましょう。首の後ろ側の表層筋に対する拮抗筋は「胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)」と呼ばれ、分かりやすく言うと、顔を横に向けた時に浮き出るスジです。
まず肩は動かさずに顔を右横に向けます。すると胸鎖乳突筋が浮き出ますので、その胸鎖乳突筋の後ろ側、つまり左肩に近い方の縁を指の腹で押していきます。できるだけ、胸鎖乳突筋の下をえぐるような感じで指をもぐり込ませ、鎖骨から耳の下まで縦に移動しながら押していきます。何度か往復すると良いでしょう。次に反対側も行ってください。
コリがひどい方は毎日何回か行うことをおすすめします。また、胸鎖乳突筋を蒸しタオルや使い捨てカイロ、ドライヤーの熱風などで少し温めてから行うとさらに効果が高まります。