痛風が起きる4つの主な原因
痛風という病気をご存知でしょうか?突然感じる強烈な痛みが足の指の付け根に走り、熱を持ったように感じて赤く腫れます。これは、体内で多くなりすぎた尿酸が結晶となって関節などに溜まり、炎症を生じさせているために起こります。
こういった症状は痛風発作と呼ばれ、一般的には、2日ほど激痛があり、1週間〜10日くらいで徐々に良くなっていきます。しかし、放置していると、多くの場合発作の間隔が次第に短くなっていき、そのうちに、足首や膝の関節が腫れ、体のあちこちに結節が出来たり、腎臓が悪くなったりする重大な病気につながることもあります。
ここでは痛風が起きる主な原因や、痛風が起きるメカニズムについてご紹介します。
発作が起きる!痛風と尿酸の関係とは?
上で述べたように、痛風が起きる直接の原因は、多くなりすぎた体内の尿酸です。では尿酸とは一体なんでしょうか?尿酸が発生する原因は、プリン体と呼ばれる物質です。プリン体は細胞のDNAやRNAに含まれており、新陳代謝を繰り返すときに、細胞分裂によって放出されます。また、食べ物から摂り入れることや、エネルギー代謝することによっても生じます。
このプリン体が肝臓で分解されるときに、1日に600〜700mgの尿酸を作り出します。1日に作り出された尿酸は、約7割が尿と共に、約3割gが便や汗と共に排出されます。健康な体にはもともと1200mgの尿酸プールがあり、その量は一定に保たれていますが、尿酸が作られ過ぎたり排出が円滑でなかったりすると、溜まって溢れてしまい、痛風としての痛みを生じさせてしまうのです。
予防したい!痛風が起きる原因とは?
痛風になりやすい人の特徴とは何でしょうか?まず、性別は男性であること。また、家族に痛風にかかった人がいるなど遺伝の要因もあります。さらに、これはまだはっきり解明されていませんが、ストレスも原因の一つと考えられています。実際、尿酸値が高い痛風の人は、真面目で責任感が強くて精力的、忙しくてせっかちなタイプの人に多く見られます。
ただし、一般的には痛風が発生する主な原因としては、「肥満」「アルコール」「高タンパク・高脂肪の食事」「激しい運動」が挙げられます。これらの4つについて、詳しくご紹介します。
1. 肥満~お腹が出たリンゴ型体型の人は要注意
一つめは、肥満です。脂肪が蓄積されると、尿酸は多くなって排出されにくくなります。特に お腹周りが出っ張ったリンゴ型体型の人は、内臓脂肪がつきやすく痛風になりやすいでしょう。
肥満を解消するためには、食習慣を改善することが重要です。1日の適正量を守り、食べ過ぎを避けて、栄養バランスの良い食事をとります。ただし、痩せるための努力は必要ですが、急激なダイエットは逆に尿酸値を上げてしまいますので、月に1〜1.5kg程度の無理のない減量を目指しましょう。
2. アルコール~節度を保ちましょう
二つ目はアルコールです。アルコールの大きな問題はプリン体で、プリン体は尿酸を発生させ、痛風を引き起こす大きな原因となります。
ここで注意しないといけないのは、プリン体というとビールに多く含まれているので、ビール以外のアルコールを飲むことは問題ないというイメージがありますが、どんなアルコールであれ、アルコールは肝臓で分解される時にたくさんの尿酸がつくられます。それと同時に、尿酸を排出させる腎臓機能を低下させるので、結果としてアルコールを飲むと尿酸値が上昇してしまうのです。
アルコールは週に2日の休肝日を設けて、おつまみには低エネルギーの野菜や海藻、きのこ類を選びましょう。アルコールを飲むと食欲が増しますが、食べ過ぎないようにすることも大事です。
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3. 高タンパク・高脂肪の食事~脂っこいものや甘いものはほどほどに
三つ目は、高タンパク・高脂肪の食事です。特に、動物性の高タンパクを摂り過ぎる食事はエネルギー過多になって、肥満になりやすいでしょう。また、プリン体が多く含まれている食品を食べ過ぎると、当然尿酸値は高くなってしまいます。
市販のお弁当や惣菜類も含めて、外食が多い人は以下の点に注意してください。
- 炒め物や油もの、丼ものなどの単品料理は避けて、多種類の栄養が摂れる定食などのメニューを選びましょう
- エネルギー量の表示を見て目安量を参考にしましょう
- 肉類に含まれる動物性脂肪の摂り過ぎに注意して、できればサバやサンマやイワシなどの青背魚の脂肪や卵や大豆製品などを摂りましょう
- 甘い菓子や飲料は避けて、果糖が含まれている果物も少しにしましょう
4. 激しい運動~オススメは有酸素運動
四つ目は、激しい運動です。運動するのが痛風に良くないとは意外に思うかもしれませんが、高速のランニングなどの激しい無酸素運動は、息継ぎが少なく酸素が足りなくなってしまい、プリン体を増やしてしまうのです。また、多量の汗によって水分が不足して、尿酸の濃度を上昇させてしまいます。
痛風の解消には、酸素を取り入れながらゆっくり行う有酸素運動が効果的です。ウォーキングや水泳、サイクリングやジョギングなどの軽い有酸素運動は、肥満解消と同時にストレスの軽減にもなるでしょう。また、尿酸の排泄を促すために、一日2リットル以上の水分を摂って、尿量を多くすることも心がけてください。特に、入浴後や就寝前、運動後や夏の季節は十分補給しましょう。尿路結石を引き起こさないために、硬水よりも軟水のミネラルウォーターがオススメです。