これは危険!急いで眼科に行くべき眼の病気とその症状
眼の病気や怪我は「放っておけば治るだろう」と軽く考えるのは危険です。悪くすると失明に至る場合もありますし、そこまでには至らなくても、視力が大きく低下してしまう場合があります。ここでは、早急に眼科を受診するべき9つの疾患と、それに伴う症状をご紹介します。
目次
外傷性疾患
化学外傷
化学物質(液体・粉末)が眼に入ったことにより、化学変化を起こした状態です。特に「アルカリ性」のものは、危険であり、早急な対応が必要です。「生石灰」「セメント」「モルタル」「中性でない家庭用洗剤」「カビ取り剤」「パーマ液」「毛染め液」「脱毛剤」などがこれに当たります。すぐに水道水で10分以上目を洗い、病院を受診しましょう。眼に入ったものを持参すると正確な診断をするのに役立ちます。
物理的外傷
眼の怪我は、頭部や顔面の外傷を伴った場合が多いと言えます。「眼科」の診察とともに「脳外科」「形成外科」「整形外科」などと連携した診察が必要となりますので、総合病院でみてもらうのが好ましいでしょう。また、極度の視力低下や、眼球運動障害などの症状が出ていると、より緊急性が高いと言えます。眼球の中に異物が入っている、孔があいているなどといったケースも深刻です。
非外傷性疾患
網膜動脈閉塞症
文字通り、網膜の動脈が閉塞する病気です。症状は、発症時期が明らかな視力低下、視野欠損であり、時間とともに障害が進みます。早期に治療をすれば改善の可能性はありますが、対応が遅れれば回復は困難となります。まさに時間との勝負の代表疾患であると言えます。
化膿性眼内炎
症状は、視力低下、霧がかかったようにみえる、飛蚊症、眼痛、充血などになります。特に、白内障などの手術の後に、発生する危険があり、十分注意しなければなりません。対応策としては、指示された点眼薬を適切に使用することや、定期的な検診を怠らないこと。さらには、感染しやすい作業を避け、一定期間は洗髪や洗顔を避けることなどになります。理解力の低下した高齢者などに対しては、まわりの人が注意を促すことが必要です。
裂孔原性網膜剥離
眼の奥にある「網膜」という部分が剥がれてしまう病気です。この剥離が、眼の奥にある「黄斑部」という部分に及ぶと、一気に視力が低下し、最悪の場合、失明に至ります。症状は、視野が欠ける、霧がかかったようにみえる、飛蚊症などです。このうちの「飛蚊症」は、網膜剥離に限った症状ではなく、むしろ、網膜剥離である可能性はさほど高くありませんが、念のために眼科を受診すべき症状の一つでもあります。病状が深刻であれば、すぐに入院し、安静指示となり、近日中に手術を行うことになりますので、疑われる場合はある程度の心構えが必要です。
急性緑内障発作
眼の中を流れている「房水」という水の出口が塞がって、眼の中の圧が上昇する病気です。症状は眼痛、頭痛、充血などであり、時間の経過とともに「視神経」を障害し、失明に至ります。嘔吐などの症状もあらわれるため、脳神経外科や内科などを受診してしまい、眼科受診が遅れてしまう場合もあるようです。早急に適切な治療を行えば、良好な経過をとることが多いため、普段から眼科の定期検診を受けて、緑内障の可能性がないか把握しておくことが重要です。
角膜潰瘍(穿孔)
熱い涙、視力低下、眼痛などが主な症状です。眼内液の漏出が明らかな場合は、特に緊急の事態となります。
眼窩蜂巣炎
症状は、眼のまわりの発赤、腫れ、眼痛、眼球突出、ものが二重にみえるなどです。眼内や頭蓋内への波及、敗血症などの可能性があり、生命の危険をもたらすこともある恐ろしい病気です。
頭蓋内病変
ものが二重に見える、瞼が下がってくる、視野が狭くなるなどの症状は「脳動脈瘤」「脳梗塞」「脳出血」「脳腫瘍」などのサインである場合もあります。早急な対応が必要になります。
流行性角結膜炎
症状は、眼痛、目やに、充血などです。これらの疾患自体には緊急性はありませんが、感染力が強く、家庭内や、学校、職場などにおいて大流行を起こす可能性があり、適切な対応が必要です。アルコール消毒では除去が難しく、根本的な対応には「塩素系消毒薬」の使用が必要になります。家庭内においては、手洗いをきちんとすることや、感染者と同じタオルなどを使用しないことが対策として挙げられます。また、目薬を使い回しすることは、逆に感染を広げる原因となりますので、絶対にしてはいけません。
まとめ
以上、対応に緊急を要する眼の病気を挙げてみました。例えばアルカリ外傷などの予期せぬ事態が起きた場合、パニックに陥って病院へ駆け込みがちですが、まずは目を洗うべきだということを理解しておいてほしいと思います。また、緑内障や網膜剥離などは、重症なのかそうでないのかを自己判断するのは難しい病気です。普段から定期的に眼科を検診を受診しておくことが望ましいと言えるでしょう。