「隠れ冷え症」とは?~冷え症の症状・原因・対策
不調は冷えのサイン?
「万病のもと」とも呼ばれる冷え性。一般に、体が寒くて手足が冷えている症状のことを言い、女性や年配者、痩せている人に多いと言われています。しかし、実は冷えを感じていない人でも、抱えている様々な不調が冷え性と関係していることが多いのです。
例えば以下のような症状に悩んでいませんか?
- 食欲不振
- 便秘
- 首・肩のこり
- 腰痛
- 関節痛
- 寝つきの悪さ
- ダイエットしても痩せにくい
- 集中力・判断力・記憶力の低下
- 目のかすみ
- やる気の減退
- 憂鬱な気分
- 免疫力低下による感染症
- 免疫力低下によるアレルギー性疾患
他にもさまざま症状が考えられます。そして、それらはもしかしたら自覚していない体の冷えが原因かもしれません。
冷え~誤った食生活との関係
偏食や過食など栄養バランスの悪い食事や、飲酒などの食習慣が、冷えを引き起こすことがあります。暴飲暴食はもちろんよくありませんが、食べる量が極端に少ないのも冷え症の原因となります。
そのような食生活を続けると、消化器官に負担がかかり、慢性的な消化力の低下につながります。そうすると、食べた物が完全に消化されずに「未消化物」を体に蓄積するため、消化・吸収・代謝がきちんと行われません。その結果、血液循環をはじめ体の様々な機能が停滞するため、全身の冷えにつながってしまいます。
冷え~自覚症状との関係
体温が比較的高く暑がりな人でも冷え性になることがあります。このタイプには少々肥満ぎみの体型の人が多いです。
意外に思うかもしれませんが、脂肪とはもともと冷たいものです。その脂肪に体が覆われると熱が放出されにくく、暑さを感じてしまいます。「太っている人は暑がり」と言われることが多いのもそのためです。冷えているという自覚症状がないため、暑さを感じる体を冷やそうとして、冷たい物を飲んだり食べたりしがちですが、その結果、体はさらに冷えていき、全身の冷えにつながります。
冷え~精神的ダメージとの関係
体と心は相互に影響し合っています。ショック・悲しみ・恐怖など、心がヒヤリとする体験が多くなると、心が寒々しくなり体の冷えにつながることがあります。また大切な人を亡くしたり、信頼していた人に裏切られたり、家や職を失うといった喪失感も冷えをひどくしてしまうことがあります。
心の冷えは、長期化したり度重なると、やる気や気力の低下、慢性的な憂鬱といった症状になります。また、不安神経症やパニック障害、恐怖症や躁鬱病など、生活に支障が出る程にひどくなることもあります。このような精神的なダメージによって、慢性的な冷えになってしまうことがあります。
冷えを改善する食事習慣
体を冷やすものを避けて、温めるものを食べましょう。例えば、生野菜はヘルシーというイメージがありますが、生ものなので冷たい性質があります。消化もしにくいため、適量を心がけましょう。
肉や鰻、揚げ物などは、スタミナ補給のために食べたくなることがありますが、脂質が多く含まれます。これらは消化しにくく胃腸に負担をかけるので、なるべく避け、もし食べるなら消化力が比較的良い昼食時に食べるようにしましょう。
また、食事の時に白湯を一緒に飲むのも効果的です。消化力が強くなると共に、心身の機能を整えるため、一時的ではなく根本的に冷えを改善することができます。
疲れをとったり解毒作用のある生姜も体温を高めます。また、黒コショウやクミン、シナモンなどのスパイスも、消化や発汗を促して体の熱を上げます。
一日の食事の量の割合は、消化力に合わせて、朝食:昼食:夕食を1:3:2にします。昼食を軽く済ませてしまうと、カロリーや栄養が不足し、満足感が得られずに夕食を多めに食べてしまう可能性があります。また、夕方以降にたくさんの食事を摂ったりお酒を飲み過ぎると、やはり消化力が低下し、体が冷えてしまいます。できれば、就寝2時間前から夜8時以降は、何も食べないようにすると良いでしょう。
簡単にできる冷え対策
脚や腕は、大きな筋肉やたくさんの血管が走っているため、冷やさないようにしましょう。首もとや手首や足首、膝や肩、肘や腰といった関節も冷えを感じやすい部分です。外気で冷えると血管や筋肉が縮まって血流が悪くなり、首や肩のこりだけでなく全身の機能低下による冷えがひどくなってしまいます。
夏でも露出が多い洋服は避け、ストールやショールを携帯しましょう。エアコンがきいている場所と外との急激な温度変化は、全身にかいた汗が一気に冷え、体に大きなダメージを与えます。スーツなどで重ね着が難しい男性であれば、カーディガンや薄手のショートコートを活用するのが望ましいです。
体を温めるケアとしては、半身浴が効果的です。特に、太っている人は、脂肪を落とすための食事改善と併せて、半身浴をすることをおすすめします。太っている人はの体は、冷えの自覚症状がない異常な状態ですから、半身浴を始めても最初は体が温まらなかったり汗が出にくかかったりします。しかし続けていくに従って、徐々に汗をかいて体が温まり、冷えが改善していくでしょう。その結果、代謝・消化が良くなり、痩せやすい体質になっていきます。