本当に健康的な油とは?~「完全無欠ダイエット」の脂肪・油リスト
『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』という、話題のダイエット本があります。ここで提唱されている「完全無欠ダイエット」で、人のエネルギーを左右するものとして重要視されているのが脂質(脂肪と油)です。脂質は栄養素の中で最もエネルギー効率が高く、最もクリーンに燃焼される良質なエネルギー源であり、筆者は、「ヘルシーな脂肪をたくさん食べることは、ほかのどんな種類の食品を大量に摂るよりずっと望ましい」と語っています。
ここでは、その脂肪・油を「完全無欠」「やや注意」「ハイリスク」と3種類に分類した表と、主な脂質についての筆者の見解を紹介します。
完全無欠ダイエットの脂肪・油リスト
食品名 (*=卵アレルギーがないか確認すること) |
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▲完全無欠 ▼ハイリスク | MCTオイル 高品質カカオバター 放し飼い鶏の卵黄* クリルオイル グラスフェッドの赤身肉の脂と髄 アボカドオイル ココナッツオイル |
魚油 良質のバターとギー |
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パームオイル パーム核オイル 放牧豚ベーコン脂 生マカダミアのナッツとオイル エクストラバージン・オリーブオイル |
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生アーモンド・ヘーゼルナッツ・クルミとその油 | |
カモ/ガチョウ脂 グレインフェッドバターとギー |
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ブロイラー鶏脂 サフラワー油(ベニバナ油) ひまわり油 キャノーラ油 ピーナッツ油 大豆油 綿実油 コーン油 植物油 加熱したナッツとその油 亜麻仁油 |
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マーガリンをはじめとする人工トランス脂肪 遺伝子組換え穀物油 市販のラード |
完全無欠な脂肪と油
グラスフェッドの動物性脂肪
「グラスフェッド(grass-fed)」とは、「(穀物ではなく)草で育てられた」という意味。グラスフェッドの骨髄、牛脂、羊脂、ラードなどの動物性脂肪は栄養価が高く、必須脂肪酸、タンパク質、ミネラル、抗酸化物質など、他では得難い脂溶性の栄養素を含んでいる。骨髄は特にオメガ3脂肪酸が豊富で、バラした骨を割って髄液を直接摂取すれば、人間の脳を大きくできるという説もある。グラスフェッドの動物性脂肪は地上最大の完全無欠な脂肪源。
良質のバター
グラスフェッドの動物から作られたバターは、脂溶性ビタミン、抗酸化物質、ヘルシーな脂肪、ビタミンA、E、D、Kをたっぷり含んでいる。一方、穀物飼育のバターは、バターの全ての有益な化合物をひどく低減させ、新しい毒素を取り込み、オメガ6濃度を高める。なるべく牧草飼料の割合が高い牛のバターを選ぶのがよい。
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ギー
「ギー(Ghee)」とは、バターを煮詰めて水分や蛋白質を取り除いて、純粋な乳脂肪にしたもの。バターよりも栄養が濃い上に、アレルギーや下痢の原因になることがあるカゼインと乳糖がないため、さらに完全無欠。
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バージンココナッツオイル
飽和脂肪酸が特に豊富で、加熱調理に使うのがおすすめ。中鎖脂肪酸が脳機能を高め、ケトン体の生成を増やし、体脂肪を減らす働きがある。
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MCTオイル
そのココナッツオイルの6倍以上の「MCT(=中鎖脂肪酸)」を含むのがMCTオイル。ほぼ純粋な中鎖脂肪酸と短鎖脂肪酸から成り、さらにケトン体を生成して脳機能を増進させる働きが強い。
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クリルオイル
クリルオイルとは、プランクトンの一種である南極オキアミから得られるオイルのこと。オメガ3脂肪酸や抗酸化物質アスタキサンチンが豊富で、心疾患やがんのリスクを減らしてくれる上に、睡眠の質を高める効果もある。安物は加工中に酸化しているものもあるので、高品質ブランドを選ぶのが大事。
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カカオバター
飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸が豊富で、ポリフェノールと抗酸化物質が豊富。コーヒーやデザートに入れてチョコレートの風味を加えるのがおすすめ。スキンケア用のカカオバター(ココアバター)もあるので、必ず食用を買うこと。
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アボカドオイル
アボカドオイルはよい油だが、一価不飽和脂肪酸を摂り過ぎるのと、酸化しやすいリスクがあることに注意。一番よいのはアボカドを直接食べること。
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やや注意の脂肪と油
エクストラバージン・オリーブオイル
意外とオメガ3の含有度が低い上に、最近の調査では、アメリカの輸入オリーブオイルの69%が無表示の他のオイルを含んでいることが判明。暗色ガラス瓶に詰められた高品質ブランドを選ぶこと。また、酸化しやすいため加熱料理には使わず、そのままサラダなどにかけて摂るのがおすすめ。
パームオイル・パーム核オイル
多価不飽和脂肪酸が多く、パルミチン酸という成分がリボ多糖(LPS)という細菌性内毒素を肝臓に送ることが証明されている。比較的良質な油ではあるが、摂り過ぎには注意。パーム核(カーネル)オイルのほうが、多価不飽和脂肪酸がより少なく、中鎖脂肪酸がより多いので優れている。
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ナッツオイル(マカダミア・アーモンド・クルミなど)
マカダミア・アーモンド・クルミなどのナッツオイルは、実の中にあるときは化学的に安定しているが、空気・光・熱にさらされると酸化しやすい。可能であれば加熱処理していない低温絞りのものが望ましく、冷蔵庫で保存し、加熱はしないほうがよい。最良なナッツは一価不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸が豊富なマカダミアとアーモンド。
放牧豚ベーコン脂
栄養価が高く抗酸化物質が豊富だが、オメガ6脂肪酸の濃度がやや高い。可能であれば放牧豚で自家製ベーコンをつくるとよい。
グレインフェッドバターとギー
「グレインフェッド(grain-fed)」とは、「(草ではなく)穀物で育てられた」という意味。グレインフェッド乳牛は、病気や栄養不良で体が弱くなるため、そのミルクはカビ毒などに汚染される可能性が高い。しかしカビ毒の60%はカゼインに蓄積されており、カゼインがほぼ除去されるバターは比較的安全。
カモ/ガチョウ脂
放し飼いのカモとガチョウの脂肪は、栄養素と脳の働きを高めるコレステロールを多く含み、牛肉やラム肉の脂ほどではないが酸化耐性も高い。市販されることは少ないが、もし見つけたら買いだめすべし。
ブロイラー鶏脂
鶏皮はコラーゲンの良い供給源だが、同時に炎症性のオメガ6の脂肪が多い。食べるなら、放し飼い鶏の皮を、焼くか炙るかして食べるのがよい。ブロイラー鶏&唐揚げという組み合わせは特におすすめできない。
ハイリスクな脂肪と油
サフラワー油(ベニバナ油)、ひまわり油
サフラワー(ベニバナ)の種子は、オイル抽出の過程で高温まで加熱され酸化している。ひまわり油はさらに酸化しやすい。ひまわりの種をひとつかみ食べるほうがはるかに自然でよい。
その他植物油
キャノーラ油、コーン油、綿実油、亜麻に油、ピーナッツ油、大豆油などの植物油は摂っても得るものはない。少量でも健康を損なう恐れがあるのでなるべく摂らないように。
マーガリン
マーガリンが含んでいる人工トランス脂肪酸は、善玉コレステロールを減らし、心臓病リスクを高め、中性脂肪値を上昇させる。さらに、がん、認知症、アルツハイマー症、肝損傷、不妊症、うつ病と関係があることも分かっている。加えて、たいてい遺伝子組換えの穀物や豆、種油から作られているので、さらに健康リスクが増大する。脳をダメにして寿命を縮める脂。