チャコールドリンク(ダイエット/クレンズ)の効果とは?
活性炭を配合したレモネードなどの「チャコールドリンク」が話題になっています。活性炭にさまざまな効果があることは科学的に証明されていますが、果たしてチャコールドリンクを飲むことによって、具体的にどのような効果があるのか?と疑問に思う人が多いのではないでしょうか?ここでは、活性炭のさまざまな効果の中から、飲んだとき(口から体内に入れたとき)に期待できる効果をご紹介します。
腎臓の機能を改善する
腎臓の機能が低下すると、本来尿から排出される尿毒素が、腸などの体内に蓄積し、さらに腎機能を悪化させます。活性炭には、その尿毒素を吸着し、対外に排出する働きがあります。この働きは、特にタンパク質を分解する際に発生する尿毒素に対して有効です。
複数の研究で、慢性腎臓病のあるマウスに活性炭を投与したところ、腎臓の機能を改善させると共に、腸や腎臓の炎症を減少させることが確認されています。また、クレメジンという薬がありますが、これはまさに活性炭が原料で、尿毒症の治療に用いられています。
腸内のガスを減らす
お腹にガスが溜まって痛みを伴う「ガス腹」に悩む女性は多いもの。活性炭には、腸内で発生するガスの発生を抑える働きがあります。複数の研究で、腸内ガスが多い人を対象に活性炭を投与したところ、ガスが大幅に減少すると共に腸内ガスに伴う腹痛も解消され、また注目すべきことに副作用もなかったことが報告されています。
この効果についての詳細な仕組みは解明されていませんが、活性炭はには無数の小さい穴が開いており、腸内に溜まった水分とガスがこの穴を通過する際に、ガスが減少すると考えられています。欧州食品安全機関(EFSA)は、この目的のために活性炭を摂る場合、毎食の30分前後に、最低 1g の活性炭を摂ることが有効だと指摘しています。
デトックス効果
活性炭は昔から水をろ過する用途で使われてきました。現代でも、例えば浄水場などで、水を浄化するために活性炭が活用されています。
この働きは人間の胃腸の中でも同様に働きます。活性炭は、胃腸の水分の中に含まれるさまざまな有害菌や毒素を吸着し、体外に排出するのを助けてくれます。活性炭自体は胃腸から体内に吸収されないため、もちろん人体に影響はありません。この効果については、動物実験やボランティアによる研究で証明されています。
下痢止め
下痢にはいくつか原因がありますが、細菌やウイルス感染が原因の下痢の場合、活性炭は有効な下痢止めとして働きます。これは、既に述べた、活性炭の有害菌を吸着する働きによるものです。市販の下痢止めにはさまざまな副作用がありますが、嬉しいことに、活性炭の下痢止め作用には副作用もありません。
ホワイトニング
これについては、活性炭を「飲む」ことではありませんが、口には入れますので、一応ご紹介しておきます。活性炭は多くの歯磨き粉にも使われています。期待されているのは、活性炭の吸着の働きによるホワイトニング、抗ウイルス、抗菌などの効果です。ただし、2017年の研究では、活性炭をホワイトニング等のやオーラルケアに使用することについては、「その効果や安全性は十分証明されていない」と報告されていることに注意してください。
まとめ
このように、活性炭にはさまざまな効果があります。「チャコールクレンズ」については一定の健康効果を期待できそうです。ただし、ダイエットについての効果は確認されていません。腸内環境を改善する効果から、間接的にダイエットにも好影響を及ぼす可能性はありますが、「チャコールダイエット」の効果についてはあまり期待しないか、少なくとも即効性は期待しないほうがよいでしょう。