【女性に多い】コレステロール胆石の原因・食事の注意点とは?
「コレステロール胆石」は女性に多い病気です。女性の中でも、出産経験のある40~50歳代に特に多いとされています。また、食欲旺盛でちょっと太目というのも胆石の人によく見られる特徴です。コレステロール胆石は、激しい腹痛や発熱、吐き気等を伴う胆のう炎や胆管炎につながることも多く、決して侮ることはできません。ここでは、コレステロール胆石の原因や食事について詳しくご紹介します。
目次
コレステロール胆石とは?
そもそも胆石とは胆汁の一部が固まってできた結石のこと。そんな胆石は、「コレステロール胆石」と「色素胆石」の2種類に分けることができます。一般的に多いのは「コレステロール胆石」の方で、全体の7割を占めています。
「コレステロール胆石」はさらに3種類に分けることができます。
1つは「純コレステロール胆石」です。色は少し黄ばんだ白、大きさは約直径1㎝ですが、中には3~4㎝のものもあります。
2つ目は「混成石」です。色は茶褐色で中は白、表面は胆汁中のビリルビンカルシウムが付着して固まっています。
3つ目は「混合石」です。色はさまざまですが、淡い黄や褐色など。主な成分であるコレステロールにビリルビンカルシウムが混ざって結石化しています。
コレステロール胆石ができる原因とは?
コレステロール胆石ができる仕組み
胆汁中に含まれているコレステロールは、通常、水や脂と相性の良い胆汁酸やレシチンによって溶かされた形で存在しています。しかし、胆汁中のコレステロールが増えすぎると問題が生じます。余ったコレステロールが胆汁に溶けきれず固まってしまうからです。このようにしてできたものが、コレステロール胆石です。
コレステロール胆石ができる主な原因
コレステロール胆石ができる最大の原因は、脂質の多い食生活です。肉やこってりしたものを過剰に食べたり、食事の量自体が多い人は、コレステロールが固まり、胆石ができやすくなります。
また、胆のう内に長時間胆汁が溜まったままになると、胆汁が濃縮されて固形成分が結石化しやすくなるため、食事の時間が不規則だったり、食事の間隔が空き過ぎたりすることも原因なることがあります。
コレステロール胆石ができるその他の原因
コレステロール胆石は、生活習慣病の1つとも言われています。脂肪分の多い食事は胆石のもとをつくるだけでなく、血液中のコレステロールや中性脂肪も増やしてしまうため、高脂血症になる可能性があります。さらに高脂血症の状態が続くと、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞など命にかかわる病気につながることもあります。
コレステロールや脂肪が多い自覚のある方は十分注意してください。健康な人の基準値は以下の通りです。
- 総コレステロール:150~219mg/dl
- 中性脂肪:50~149mg/dl
- LDL(悪玉コレステロール):70~139mg/dl
- HDL(善玉コレステロール):40mg/dl以上
コレステロール胆石の人の食事の注意点とは?
コレステロール胆石の人は、何よりも肥満を解消することが重要です。ただし、脂肪分が多い食事を一切しないとか、食事の量を極端に減らすといった方法はよくありません。不足したカロリーを補おうとして体脂肪が動員され、逆に血中コレステロールが増えてしまうことがあるからです。また、栄養不足のために胆のうが十分に働かず、胆汁が淀んで状態を悪化させてしまうこともあります。
具体的なアドバイスとしては以下のようなことが挙げられます。
毎日の体重の変化を意識する
適正体重を目指して食事をコントロールすることが重要です。適正体重はBMI(ボディ・マス・インデックス)と呼ばれる肥満度の指標を使って算出できます。
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まずは、自分の現状をしっかり把握するために、毎日体重を測ることから始めましょう。就寝前や起床後、排尿をすませた後など、いつも決まった条件のもとで計測してください。また、毎日何をどのくらい食べているか思い返し、内容を見直して、無駄な摂取カロリーを減らしましょう。
また、消費するエネルギーを多くすることも大切です。基本的に、中高年以降は基礎代謝が落ちるので消費エネルギーが減っていきます。摂取エネルギーを減らすと同時に、運動量を増やし、消費エネルギーを増やすよう心がけましょう。
1日3食を規則正しく食べる
コレステロール胆石の人は、食事と食事の間が空き過ぎないように注意してください。なるべく1日3食決まった時間に食べることが重要で、食事をとる時間がない時は、ちょっとした軽食やおやつを口にしましょう。ただし、高脂質のものは避けてください。また、軽食をつまんだときは、通常の食事量をその分減らすようにします。最悪なのは、朝食抜き、昼食軽め、空きっ腹で夜遅くに帰宅し、しっかり食事を摂ってしまうというケースです。
食べ過ぎないよう工夫する
肥満対策には、なるべくよく噛み、ゆっくり時間をかけて食べることが有効です。ゆっくり食べることによって満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防ぐことができます。また、食べる順番としては、最初にサラダや植物性のおかずから食べるようにしましょう。最初に食物繊維を摂ることによってより早めに満腹感を感じやすく、また食物繊維が余分な脂質の吸収を抑えてくれます。栄養バランスも整いやすくなります。
また、胆のうが弱い人は肉食傾向にありますので、タンパク質は基本的に、肉よりも魚を食べるよう心がけてください。外食はなるべく控えたほうがよいですが、やむをえず外食する際は、洋食や中華は避け、和食を中心に選びましょう。調理の際、油脂を使う量も比較的少ないですし、メインが魚になっていることが多いからです。ただし、和食といっても天ぷらや揚げ物は避けてください。
まとめ
肥満の人は、体重が標準的な人よりも約3倍の確率で胆石ができると言われています。脂肪やコレステロールをためない食事を心がけ、食べる量を減らし、運動量を増やしましょう。ただし、無理なダイエットは禁物です。食事の改善も運動も、最初は軽めで始めて徐々にペースを上げるのが長続きするコツです。無理なく根気強く、コレステロール胆石を完治させましょう。