納豆の栄養・効果とは~納豆菌とナットウキナーゼの秘密

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煮豆より納豆が体に良い!

日本の食卓に欠かせない納豆。多くの良質なたんぱく質が含まれており、栄養効果に加えて薬理効果があります。興味深いことに、煮ただけの「大豆」の状態では、たんぱく質の消化吸収率は約65%ですが、納豆に加工すると消化吸収率は約80%にも跳ね上がります。納豆は良質なたんぱく質を効率良く摂るのに欠かせない食品です。

また納豆には、大豆には含まれていないビタミンK2が豊富に含まれています。ビタミンK2は微生物に由来するもので、体内の腸内細菌によっても作られます。しかし、納豆菌が作り出すビタミンK2の量はなんとその7倍。ビタミンK2は血液中にあるカルシウムを骨に取り込むため、骨を強く丈夫にしてくれます。

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好き?嫌い?ネバネバ感の効能!

納豆特有のネバネバ感。この正体は、大豆を納豆菌で発酵させた時に生まれる「ナットウキナーゼ」と呼ばれる酵素です。実はナットウキナーゼには医薬品をしのぐほど効能があります。

一つには、血管内にある血の塊を血栓と言いますが、ナットウキナーゼには血栓を溶かす働きがあるため、血液をサラサラにしてくれます。血液をサラサラにする食品は他にもありますが、なんとナントウキネーゼの血栓溶解作用はあらゆる食品の中で最高。血管の詰まりによって起きる心筋梗塞や脳梗塞などの生活習慣病の予防に効果抜群です。
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また、納豆のネバネバには「ムチン」と呼ばれる物質も含まれています。カタツムリの粘液の成分でもあるムチンは、胃の粘膜を強化して胃壁を守ってくれるため、胃炎や胃潰瘍を予防する効果があります。さらに肝機能を高める働きもあり、アルコールの分解を助け、二日酔いの原因となるアセトアルデヒドの毒性を消してくれます。
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スッキリ!お腹の調子を整えましょう!

納豆1gの中に10億個もあると言われている納豆菌善玉菌の一つであるこの納豆菌の整腸作用は強力です。腸内にたまったアンモニアやアミン、フェノールなどの有害物質は、便秘や肌荒れの原因となりますが、納豆菌は、腸内に入ると、すでに存在している他のた善玉菌と共同して特殊な酵素を作り出し、その酵素の力で有害物質を殺して善玉菌を増やしてくれます。しかも納豆菌が優れているのは、ヨーグルトなどに含まれている同じく善玉菌である乳酸菌と比べ はるかに熱や酸に強く、腸の中で長生きしてしてくれるということです。

また、納豆の大豆には食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は、便のかさをふやし、腸の働きを活発にして便秘の解消有害物質の排泄に一役買ってくれます。加えて、腸内の善玉菌のエサになるため、善玉菌(納豆菌など)を増やすのにも役立ちます。食物繊維と納豆菌が共に含まれている納豆は、納豆は腸内環境を整えるのに最適な食品と言えるでしょう。

さらに、納豆菌に含まれているジピコリン酸は、O-157サルモネラ菌に対する強い抗菌作用があります。納豆は食中毒が発生しやすい季節には特に食べておきたい食品です。

集中力や記憶力を高めてくれる!?

大豆加工品の中でも特に多くの「レシチン」が含まれている納豆。脳の神経伝達物質に欠かせないレシチンは、集中力記憶力を高め、脳を活性化してくれます。また、血液中のコレステロールを適正に保つため、認知症や動脈硬化の予防にもなります。他にも、正常な遺伝子を傷つけてしまう活性酸素を除去して、ガンなどさまざまな病気の発生を抑えたり、血管の弾力性を高めて高血圧の予防をしてくれるなど、さまざまな働きがあります。

何回混ぜる?美味しく食べよう!

混ぜれば混ぜるほどフワフワになる納豆。よく混ぜた納豆は美味しく感じますが、実は、混ぜた回数が多いからといって、体に良い酵素やビタミンの量が増えるわけではありません。美味しく感じるのは、混ぜることによって豆がつぶれて納豆の発酵が進み、美味しさの素となっているグルタミンが表に出てくるからなのです。

では、混ぜ方でも旨みや甘みに違いが出るのでしょうか?食文化史研究家の納豆博士、永山久夫氏(Wikipedia)によると、まず醤油などを何も加えずに、右に15回、次に左に15回かき混ぜた後、醤油や薬味を入れて数回かき混ぜると、旨みや甘みが増して美味しくなるとのことです。是非試してみてください。

いつどれくらい?効率良く食べよう!

ナットウキナーゼには血液サラサラ効果があると前に述べましたが、実はこの効果は8〜12時間、つまり半日しか持続力がありません。脳梗塞などが最も起きやすい時間帯は深夜2時〜3時頃ですから、夕食時に食べると最も効果的と言えます。

健康な成人であれば、できるだけ1日40g〜50g(=1パック)を毎日食べるのが理想的です。熟成させて発酵すればするほどナットウキナーゼやビタミンK2は増えるため、賞味期限ギリギリで食べるとさらに高い効果を期待できます。

ただし、あまり長期間放置すると、発酵食品である納豆も「腐る」ことがあるのでご注意ください。水っぽくベタついていたり、逆に干からびてたり、カビが生えたりしている納豆は、食中毒になる恐れがあるため食べてはいけません!

調理でアレンジ?上手に食べよう!

ごはんにかけるだけでなく、食材に混ぜて焼いたり、炒めたり、煮たり、揚げたりしても美味しい納豆。いろいろな料理にアレンジすることができます。一つ注意することは、なるべく加熱は避けるということ。ナットウキナーゼは約70℃、納豆菌は約130℃で死んでしまいます。栄養素を失わないために、できるだけ熱を通さない調理法が望ましいです。例えば、揚げる時は納豆を衣などによく包んで、短時間で揚げるなどの工夫をすると良いでしょう。

保存できる?賢く食べよう!

たくさん買い過ぎてしまったり、買ったけどなかなか食べない納豆は、冷凍保存するのがオススメです。納豆菌は、低温になると胞子になって休眠するので、栄養や効能もそのまま冷凍されます。ただし、パックのまま冷凍するのではなく、ビニール袋に入れたりラップに包んだりして、空気に触れないようにしておくのがオススメ。水分の蒸発を防ぎ、美味しさを保つことができます。食べる時は、前日に冷蔵庫へ移動して自然解凍すればOKです。

また納豆の栄養は、ドライ納豆やふりかけ納豆など、市販の納豆加工食品からも摂ることができます。ただし、高熱処理されているものなど、一部の加工食品はナットウキナーゼが失われているのでご注意ください。納豆加工食品は、ナットウキナーゼが残っているフリーズドライ製法のものを選びましょう。
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参考文献:「いきいき美人の納豆レシピ」/著者 杉本 恵子・高見澤 悦子/発行所 株式会社 素朴社
「元気が出るねばねばパワーレシピ」/著者 福田 芳子/発行所 社団法人 家の光協会
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運営者情報

健康&ダイエットNAVI 管理人

健康診断で脂肪肝を指摘されたことを機にダイエットを決意。さまざまな文献を読み健康的なダイエットを研究。糖質制限、有酸素運動(ボクシング)、筋トレ等の実践により、1年間で約17kg減、体脂肪11%減のダイエットに成功しました(管理人のダイエット体験談はこちら)。このサイトでは、ダイエットや健康に関するさまざまな有益な情報をご紹介しています。

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