「痩せたい!」と思ったら、運動をするのも大切ですが、まずは食生活を改善することが先決です。痩せるための食事方法はいろいろなところで紹介されていますが、中には食事制限が厳しすぎたり、現実的には難しいと思うものもあります。ここでは、比較的簡単に実践できてあまり辛くない、食生活の改善ポイントを9つご紹介します。
よく噛んで食べる
人間の「満腹感」は、血糖値と脳が大きく関係しています。食事をすると血糖値が上がります。そして、その血糖値が、体に必要なエネルギーを摂れたというラインまで上昇すると、脳は「満腹になった!」と判断します。これが「満腹感」の正体です。ところが、そこに一つ問題があります。実際に食事を始めて、血糖値が上がり、脳が満腹を判断するまでには、タイムラグがあるということです。その時間は、20分~30分と言われています。つまり、あまり早食いすると、食べ過ぎてしまう恐れがあるのです。
そこで、有効な対策がよく噛んで食べることです。これには二つのメリットがあります。一つは、よく噛んで食べることによって、脳が満腹を感じるまでの時間を稼ぎやすくなるということ。もう一つは、同じものを食べるにしても、よく噛んで、体が食べ物を吸収しやすい形にしてあげたほうが、血糖値の急上昇が抑えられるということ(血糖値の急上昇は糖を脂肪に変える大きな原因です)。日々慌ただしく、のんびり食事もしていられないという人もいるかもしれませんが、一口ごとに20回を目標に、しっかり噛んで食べるよう心がけましょう。30回噛めたら理想的です。
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低糖質スイーツの活用
「甘いものは太る」分かっちゃいるけど止められないという人は多いのではないでしょうか?では、そもそもなぜ甘いものを食べると太るのでしょうか?一つは、カロリーが高いのも問題ですが、もう一つ大きな問題は「糖質」です。甘いものは、血糖値を一気に上昇させる、糖質食品の最たるものです。前項で述べたように、血糖値の急上昇は糖を脂肪に変える大きな原因です。
甘いものが止められない方は、是非「低糖質スイーツ」を活用してください。糖質制限ダイエットが一般的になってきた近年は、さまざまな低糖質スイーツが販売されており、味も普通のスイーツと遜色ありません。これらの低糖質スイーツは、血糖値をまったく上げないスーパー甘味料「エリスリトール」(しかも天然)を使っているのが大きなポイントです。自宅の調味料も、砂糖の代わりにエリスリトールを使うことをおすすめします。
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揚げ物を2日続けて食べない
「揚げ物は太る」これも常識ですね。ではこれについても、そもそも「揚げ物がなぜ太るのか?」ということをちょっと考えてみましょう。一つにはやはり単純にカロリーの問題です。もう一つは「トランス脂肪酸」の問題が考えられます。市販の揚げ物のほとんどは、トランス脂肪酸がたっぷり含まれた、いわゆる「サラダ油」で揚げられています。トランス脂肪酸にはいろいろよくないことがありますが、ダイエットに関しては、脂質の代謝機能を低下させる(=脂肪が分解されにくくなる)ということが問題です(参考:英語版Wikipedia)。ちなみに、日本では「トランス脂肪酸は問題ない」的な情報も見かけますが、それらがマーガリンやサラダ油の製造メーカーが発信しているものだったら、あまり信用しないほうがよいでしょう(自分たちに都合のよい説だけ引用しているからです)。
そこで、本来は「揚げ物は一切止めましょう!」と言いたいところなのですが、身の回りには、コロッケ、メンチカツ、トンカツ、春巻、フライドポテト、ナゲット、ドーナツ…等々、いろいろな揚げ物が溢れかえっています。意外と一切断つのは難しく、あまり無理をするとストレスになる可能性もあります。そこで、せめて、ある日揚げ物を食べたら、翌日は揚げ物は食べないように心がけましょう。そうすれば、揚げ物の消化に負担のかかった胃腸も休めて、代謝も復活します。そして徐々に、週に2日⇒1日…というように減らしていければ理想的です。
低カロリー食材を活用する
低カロリーの食材は、自宅に常備しておきましょう。例えば、野菜、豆腐、きのこ、こんにゃく、海藻などです。これらは、味噌汁の具にしてもよいですし、副菜のおひたし、酢のもの、煮物…等々いろいろな活用法があります。これらの食材を使って、品数や食事のボリュームのかさ増しをするのがポイントです。それだけで食事の満足感が得られ、食べ過ぎの予防になります。
また、これらの食材には、ビタミン、ミネラル、食物繊維も豊富に含まれています。ビタミンやミネラルは脂質の代謝を助けてくれますし、食物繊維は腸内環境を整え、代謝機能自体をアップさせてくれます。
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帰宅後はまず食事
寝る直前に食べるのはよくないと言われます。就寝の3時間前には食事を済ませたほうがよいとも言われますし、4時間前と言う人もいます。しかし、夜9時、10時に帰宅する社会人にとっては、それはなかなか簡単なことではありません。
そこで、夕食がどうしても遅めになってしまうと言う方は、ハードルをちょっと下げてみましょう。帰宅したらまず食事を摂り、その後でお風呂に入るのです。これなら比較的簡単に実践できて、寝るまでの時間を多少なりとも稼ぐことができます。そしてお風呂から上がった後は、食べ物は何も口にしないようにします。寝る前のアルコールも我慢です。アルコールを飲むなら食事と一緒にしましょう。
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風味を加えて料理は薄味に
「塩分多めはよくない」これも多くの人が分かっていることだと思います。高血圧など健康の問題もありますが、ダイエット的には、おかずの味付けが濃いと、ついついご飯が進んでしまうというのが問題です。また、塩分を摂り過ぎると余分な水分を体に溜め込み、むくみの原因にもなります。かと言って、塩味を薄くした料理は味気ないもの。食事の満足感が得られなくては、ダイエットを長続きさせるのは難しくなります。
そこで、料理には香味野菜やハーブ、スパイスなどを強めに効かせるのが効果的です。例えば、ニンニク、ショウガ、ネギ、パクチー、胡椒(白・黒・赤)、山椒、カレー粉、クミン、唐辛子…等々。いつも作っていた料理に、これらの風味を加える代わりに、塩味を引いてみてください。風味を加えるだけで、塩味は薄くても驚くほど満足感が得られることが分かるはずです。
お酒は適量。週2回以上は休肝日を
「アルコールは太らない」などと言う人もいますが、おかしな話です。もちろんアルコール自体にカロリーがありますし、アルコールを分解するときには肝臓の脂質代謝が落ちるので、アルコールは特に内臓脂肪になりやすいとも言われています。さらには、ビールなどの醸造酒は糖質も高いので血糖値を上げますし、お酒のつまみで食べるものもカロリー摂り過ぎの原因になります。
アルコールを飲むなら、まず「適量」を心がけましょう。適量がどのくらいか?については諸説ありますが、一つの目安として、厚生労働省の国民健康づくり運動「健康日本21」では、純アルコールで20g程度が適量と言われています。ここから計算すると、例えば、ビールは約540ml、ワインは約220ml、焼酎は100mlとなります。また、アルコール量が同じでも、ビールなどの醸造酒よりは、焼酎やウイスキーなどの蒸留酒のほうが糖質が低いので、脂肪になりにくいと言えます。そのあたりの詳しい数字は以下の記事で詳しくご紹介しています。
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その上で、最低週2回の休肝日を設けるように心がけましょう。できれば、「揚げ物」と同様に、一日おき、もしくはそれより少なくするのが望ましいです。
お酒のつまみは低糖質を意識
お酒を飲むなら、そのつまみにも気をつけなくてはいけません。せっかくアルコールの量や糖質に気をつけて飲んでいても、飲みながら、太るつまみをガバガバ食べていてはせっかくの努力の水の泡です。
ではお酒のおつまみでは何を食べたらよいでしょうか?一番意識してほしいのは「低糖質」です。例えば、おつまみの定番フライドポテトは、じゃがいもの糖質が高い上に、脂質の高い揚げ物(しかもトランス脂肪酸!)なので最悪。締めの焼きおにぎりやお茶漬けなどの主食系も避けるべきです。肉じゃがや照り焼きなど甘い味付けのつまみもできれば避けたいところ。
次に意識してほしいのは「高たんぱく」です。肉や魚はカロリーが若干高い傾向はありますが、食べているうちに消費されるカロリーも多いので実質的なカロリーはそれほど高くなく、また歳をとると衰える筋肉を補ってくれる元でもあります。また、食べ応えがあるので満腹感を得やすいメリットもあります。さらに、意外と知られていない大事なポイントが、肉類や魚介類にはナイアシンやビタミンB12など、アルコールの代謝を助けてくれる栄養素が豊富に含まれていることです。ガッツリ系つまみは意外とおすすめです。
ちょっと難しいのが「脂質」です。例えばナッツやチーズは高脂質ですが、良質な脂質で、たんぱく質も豊富に含まれるので、適度ならむしろ積極的に食べるべき。しかし、酒を飲んでいると、つまみやすいナッツやチーズはそれが適度で終わらない恐れがあるのが問題です。もちろん、前にも述べたように、揚げ物は極力さけるべきです。まとめて言うなら「揚げ物はなるべく避け、それ以外の脂質はほどほどに」を心がけてください。
調味料を自然に
家庭にストックしている調味料やドレッシング類も、ダイエットを長い目で見たら決してバカにできません。「カロリーハーフ」や「カロリーゼロ」系の調味料を使っている方も多いと思いますが、実はこれがなかなか曲者。例えば、上の写真は、キューピーのマヨーズハーフの成分表ですが、普通のマヨネーズには含まれていない、「砂糖類」「増粘多糖類」「たん白加水分解物」なるものが含まれています。果たしてこれが本当に健康によいものかどうかは非常に疑問です。カロリーゼロのドレッシングについても同じようなことが言えます。
また、マヨネーズに関して言えば、普通・ハーフ問わず、トランス脂肪酸たっぷりの「食用植物油脂」が使われており、そもそもあまり体によいものではありません。
そこで、ちょっと面倒かもしれませんが、作れる調味料は自宅で作ることをおすすめします。特に、トランス脂肪酸ほぼゼロのオリーブオイルとごま油を積極的に活用しましょう。管理人の気に入っているクックパッドのレシピをご紹介します。
■ おいしい♪手作りマヨネーズ
■ 割烹で教わった柚子胡椒ポン酢ドレッシング
■ 簡単★中華ドレッシング!
それでもどうしても作るのが面倒だという方は、市販でもヘルシーなものがあります。以下の2つは、オリーブオイル以外の油を使わないマヨネーズです。是非、なるべくトランス脂肪酸フリーの生活を心がけてみてください。
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