「食べてキレイになる」食習慣を提唱している伊達友美氏。今まで4000人以上に食事指導を行い、分かりやすく説得力のあるカウンセリングで絶大な支持を得ています。伊達氏自身も、20kgの減量やニキビ肌の改善、アンチエイジングを実践し、年齢(1967年生まれ)を感じさせない若々しさを保っています。ここでは、伊達氏の著書からアンチエイジング方法の幾つかをご紹介します。
カロリーを恐れずタンパク質をしっかり摂る
カロリーのあるものは太るというイメージから、低カロリー食品ばかりでダイエットする女性は多いもの。しかし、そんな人が悩まされるのが、ひどい冷え性や肌トラブルです。
カロリーとは熱量のことですから、高カロリーの食品はたくさんの熱をつくります。女性ホルモンは、もともと脂肪をため込みやすく冷えやすい性質があるため、低カロリー食品ばかり摂っていると、冷え性はさらに悪循環を招きます。さらに、体が冷えると代謝が下がるため、脂肪が燃えにくい体になり、むしろ痩せにくい体質になってしまうのです。
そこで必要なのがタンパク質です。タンパク質というと筋肉の材料というイメージがありますが、肌を作るもとでもあります。カロリーを恐れず、肉や魚や卵をバランス良くしっかり摂りましょう。特に、赤身の肉には脂肪代謝を上げるL-カルニチンという成分が含まれています。また、ホルモンバランを整える効果のあるイソブラボンが含まれている大豆製品も良いでしょう。
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良い油を摂る
ダイエットでは、カロリーを抑えるために油を控えがちです。しかし極端に油を控えると、便秘や冷え、疲労感や生理不順、髪や肌のパサつきに悩まされます。
油は、タンパク質や炭水化物と並ぶ三大栄養素の一つである脂質で、心臓を動かしたり、体を温めたり、肌を潤して保護したりするなどの大事な働きがあります。また、美しさに必須の女性ホルモンの原料であるコレステロールの源でもあります。あまり油には神経質にならず、必要な油はしっかりと摂るようにしましょう。
ただし、油には良い油と悪い油があることは覚えておきましょう。おそらく一般的に使われることが多い油は、オメガ6と呼ばれるリノール酸で、代表的なのは大豆油やコーン油、ひまわり油や紅花油などです。しかしこれらの油は、アレルギーや疲労感の原因になったり、炎症を強めたりするため、摂り過ぎには注意が必要です。
一方良い油は、オメガ9と呼ばれるオレイン酸で、代表的な油はオリーブオイルです。それよりもさらに良い油はオメガ3と呼ばれるα-リノレイン酸で、代表的なのはアマニ油やエゴマ油、あるいは青魚やクルミに含まれている脂質です。これらの油は体の調子を整えたり、炎症を抑えたりしてくれます。なるべくオメガ3を多めに摂って、オメガ9を少なく摂るように心がけましょう。
色が濃くて香りの強い食物を摂る
通常、体内には強い抗酸化酵素が存在し、有害な活性酸素を分解して無毒化したり、発生を抑制したりしてくれます。しかし、ストレスが強い時や、外食が続いて栄養バランスが悪い時などには、抗酸化酵素が不足してしまいます。また、抗酸化酵素は40代で減少し始めますので、40台以上の方はもちろん、若い時から抗酸化成分をなるべく多く摂るように心がけましょう。
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そこで、不足した抗酸化酵素は食事から補いましょう。抗酸化物質が多く含まれる食べ物にはいろいろありますが、簡単に言うと、色が濃くて香りの強い野菜・果物には一般的に抗酸化物質が多く含まれています。これらの食物は、濃い色で紫外線から身を守り、強い香りで虫や菌から身を守っています。厳しい環境の中で生き延びるために蓄積されたこれらの成分は、人間にも有効なのです。活性酸素や体内の毒素の排泄を促すと共に、体内でメラニン色素の生成を抑え、肌にシミができるのを防いでくれます。
具体的には、ニンニクやネギ、ニラやセロリ、シソなどの香味野菜には抗酸化や抗ストレス、代謝促進や疲労回復効果があります。バジルやローズマリー、ミントなどのハーブも同様です。また、果物は強い光を浴びている皮の部分に抗酸化成分が多く含まれています。イチゴやクランベリー、ブルーベリーなどのベリー系フルーツを皮ごと食べましょう。レーズンやプルーンなどのドライフルーツは皮ごと食べやすいのでオススメです。
適度な運動をする
フェイスケアやボディケアをバスタイムやその前後に行うことをオススメします。例えば、トリートメントした後、髪に浸透させるのを待っている間、頬や顎のたるみ改善の表情筋ストレッチを行ないましょう。あるいは、入浴後に全身が映る鏡を見ながら、スクワットやストレッチなどボディラインをキレイにするのも効果的です。
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また、適度な運動をして引き締まった体づくりをしましょう。仕事場への通勤時はひと駅分くらい、約20分以上ウォーキングをする、あるいは、日頃からは背筋を伸ばしお腹に力を入れて歩くことで、姿勢を良くすることができます。座っている時や食事する時も、猫背にならないよう気をつけましょう。また、しっかりよく噛んで食べることで顔の筋肉が動き、表情筋を鍛えることができます。
規則正しい食事をする
生まれつき美しい人を羨ましく思ったことが誰にでもあるでしょう。しかし遺伝子研究によると、人の見た目を左右するのは、遺伝的要因が25%、環境や生活習慣などの後天的要因が75%であると報告されています。実際、全く同じ遺伝子を持っている一卵性双生児でも、それぞれの環境や生活習慣が違えば、成長するにつれて双子とは思えないくらい違う容姿に変わってしまうことがあります。
そこで、自分の毎日の食習慣を見直してみましょう。栄養バランスのよい食事をするのはもちろんのこと、一日三食規則正しく食べることや、食事と食事の間の時間を5~6時間くらいあけること、血糖値が急上昇しないような食べ方をするなどにも気を付けましょう。人間は食べたものでできていますので、食習慣の積み重ねは年をとってから大きな違いとなって現れます。
体が必要としている物を食べる
ダイエットや美容に良いと言われているものは、自分が嫌いなものでも食べていませんか?これは体によいように思えますが、実は本能を無視した食べ方。美容のためには、自分の体が必要としている物を食べることが大切です。例えば、汗をかいたらしょっぱい物が食べたくなりますし、疲れたら甘いものが欲しくなります。自分の体の声に耳を傾ければ、自分の体が必要としている物を知ることができます。
かと言って、甘いものが食べたくなった時、白砂糖がたくさん入っている菓子パンやクッキーを食べることは、体にも肌にも良くありません。これらの食べ物には、細胞膜を変質させる、自然界には存在しない加工油であるトランス脂肪酸が使われています。また、白砂糖はタンパク質と結びつくと炎症の原因になったり、炎症を悪化させたりします。炎症は老化の原因の一つですから、疲れやすくなったり肌トラブルが増えてしまうでしょう。
甘いものを食べたくなったら、できるだけ高級菓子店や手作りパン屋などで、天然素材を使用しているものを選んで食べましょう。それよりもよいのは、キウイやリンゴなどのフレッシュフルーツや、クルミやアーモンドなどのナッツ類を食べることです。これらの食べ物には、シワやタルミを予防する美肌効果のある成分が含まれています。
食事を楽しむ
日々の忙しさに追われ、とりあえずお腹を満たす物を慌てて食べるといった食べ方をしていませんか?食べ物には旬がありますし、盛り付け方や食事のシチュエーション、食材の色や食感、香りや味、音など、全ての要素がごちそうになります。余裕がある時は、是非食事を楽しむ気持ちを高め、「美味しそう!」とか「これを食べたらお肌がキレイになる!」とか「このスープの香りとっても幸せ!」といった言葉で表してみましょう。こうした言葉は、一緒に食べる相手を気分良くさせるだけでなく、自分にも良い影響があります。
人間の脳には、脳内モルヒネと呼ばれる神経伝達物質が約30種類あり、若さを維持するものもあれば老化を早めるものもあります。口から発する言葉は心や耳、口を動かす筋肉から脳に信号が伝わって、脳内モルヒネを刺激するため、ポジティヴな言葉を繰り返して発することによって、脳内モルヒネの力を美しくなるために活用することができます。
加えて、体に積極的な反応を起こさせるプラシーボ効果もあります。プラシーボ効果とは、例えば、ただの砂糖水を薬だと言って飲ませると、病気が治るというような効果のことです。手軽だけどちょっと味気ない栄養補助食品やサプリメントなどで食事を済ませる時などに、こうしたポジティヴな言葉を発してみてはいかがでしょうか?大きな声には出さずに、つぶやく、あるいは口を動かすだけでも効果があります。
体に良いものを食べる
空腹だとイライラしたり情緒不安定になったりするもの。しかし実は、たとえ満腹でも栄養不足だと同じような症状に陥ってしまうことがあります。例えば、ストレスがあるとドカ食いをしがちですが、こんなときはたいてい体に良いものを食べていません。代謝に必要な栄養が不足するため、さらにストレスが増してしまうという悪循環になってしまうのです。
一方、良い食事をとれば、心と体が必要な栄養で満たされます。良い食事をしていれば、仕事での失敗など辛いことや嫌なことがあっても、時間が経てば回復し、心も体も立ち直っていることでしょう。逆に残念な食生活をしていては、逆境や試練にあった時、長期間引きずったり、自分の殻に閉じこもったり、自分を責めてしまがち。試練や逆境に耐え抜く力がなくなってしまいます。
食事によって栄養状態が良くなれば、気持ちは前向きになり、見た目も元気になります。当然見た目の美しさにもつながります。ストレスの中でも強くたくましく美しくいるために、体に良い物をしっかり食べましょう。