ヘモグロビンA1cの数値にショックを受けていませんか?ヘモグロビンA1cの数値が高いということは、つまり高血糖の状態が長く続いているということ。血糖値が高い状態が続くと、これを低下させるために、膵臓が大量のインスリンを分泌して疲弊します。その結果、細胞のインスリン感受性も鈍り、糖尿病につながることがあるため、放置すると大変危険です。
ヘモグロビンA1cを下げるには食生活の改善が必須。具体的には、食事の糖質を控える必要があります。しかし糖質制限食は「物足りない」「美味しくない」などの理由で長続きしない人もいます。そこで、血糖値の上昇を抑えながら満足感も得られる、調理法や食事法のコツをご紹介します。
調理方法のコツとは
具材を大きく切る
糖尿病や高血圧のいわゆる食事療法食というと、カロリーが低く、量が少なくて、薄味であまり美味しくという人が少なくないようです。揚げものや甘いもの、濃い味のものは食べてはいけないと思っている人も多いでしょう。しかし、ちょっとした工夫で、健康に良く且つ満足感を得られる食事をつくることは可能です。その簡単な方法の一つは、具材を大きく切るということ。具材が大きいとたくさん噛まないといけないので、自然と食べるスピードが抑えられ、血糖値もゆるやかに上昇します。また、大きく切った具材は小さく切った具材に比べて表面積が小さいので、少量の調味料ですみ、減塩にもなります。
調味料をきちんと量る
面倒くさいと思われるかもしれませんが、調味料はきちんと量ることをおすすめします。目分量では、塩分や糖分を摂りすぎてしまう危険が高くなってしまうからです。「レシピ通りの分量では味が物足りない。自分の味付けのほうが美味しい」と感じている人は、塩分の摂りすぎに慣れてしまっている可能性があります。レシピ通りの薄味に慣れるよう心がけましょう。
調味料選びを工夫する
調理するときはサラダ油よりもオリーブ油やごま油を使いましょう。不飽和脂肪酸の油は体内で中性脂肪になりにくいため、ヘモグロビンA1cを下げたい人にはぴったりです。また、砂糖よりもみりんを使う、酢を積極的に使う、出汁をしっかりとる、といった工夫も、血糖値を上がりにくく、血圧を下がりやすくするのに効果的です。また出汁を野菜からとると、野菜の甘みや旨みを引き出すことにもなるので、塩分や糖分などの調味料を控えることにもつながります。
食べ方のコツとは?
ゆっくり噛んで食べる
ヘモグロビンA1cを下げる食べ方のコツの一つは、ゆっくり噛んで食べ、消化のスピードを落とすということです。早く食べると、血糖値が急激に上昇してしまいますので、特に糖尿病の食事療法では厳禁です。早食いの自覚がある人は注意しましょう。通常、脳が満腹と認知するまで約15分かかります。ゆっくり噛んで食べ、食事には最低でも15分以上かけることを心がけましょう。
食べる順番に気を付ける~まずは汁物
血糖値の上昇は食べる順番によっても左右されます。血糖値を急上昇させないためのおすすめの食べる順番は、和食のマナー通りに、まずは汁物、次に主食、主菜、副菜の順番です。お腹がすいた状態で汁物を飲むと、唾液が分泌されます。唾液の中には糖質を分解するための酵素が含まれているため、次に食べる炭水化物の分解がスムーズになります。汁物がない場合は、お茶や水などの飲み物を口にするのも良いでしょう。
活用したい食材とは?
おから
ヘモグロビンA1cを下げたい人にとって有効な糖質制限。しかし、炭水化物を減らすと物足りないという人は少なくないでしょう。そんな方におすすめの食材がおからです。おからはタンパク質豊富で低カロリー、食物繊維も豊富。カロリーを気にすることなく、たくさん食べることができて、便通も良くなります。比較的安く手に入のも魅力です。
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寒天
寒天はヘモグロビンA1cを下げる効果があります。寒天に含まれている成分の約8割は食物繊維。これは、ひじきやわかめよりもはるかに多い数値です。たっぷりの食物繊維が腸での糖の吸収をゆるやかにしてくれるため、血糖値の急上昇を防いでくれます。また血糖値の下降もゆるやかになるので、すぐにお腹がすかず、間食を防ぐことにもつながります。
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きのこ
低カロリーでヘルシーな食材の代表ともいわれるきのこ。きのこに含まれる食物繊維は水溶性と不溶性のバランスがよいのがポイント。特に水溶性の食物繊維は、水に溶けるとゲル状になって、胃の中にある食べ物を包んでゆっくりと腸へ移動してくれます。その結果、消化や吸収がゆるやかになり、血糖値の急激な上昇が抑えられ、高血糖を防ぐことができます。また、カリウムも豊富に含まれていて、体内にたまった余分の塩分を体外へ排出するよう促してくれるので、味つけに塩分を使っていても安心です。
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塩麹
縁の下の力持ち的存在として活用したい調味料が塩麹です。素材の10%分の塩麹を食材につけると、塩麹の酵素が食材の成分を分解し、30分も経った頃には素材そのものの旨みが引き出されます。他の調味料で味つけする必要がなくなるので、減塩になり、しかも物足りなく感じがちな食事療法食も美味しくなります。幅広い食材に使うことができるのも魅力です。
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まとめ
そもそもヘモグロビンA1cとは、酸素を運ぶ働きがある血液中のヘモグロビンが、血中に余っている血糖と結びついたもの。血糖を減らすことがすなわちヘモグロビンA1cを減らすことにつながります。血糖自体は体のエネルギー源ですので体に必要なものですが、余ってしまうと、インスリンによって脂肪細胞として蓄積され、中性脂肪になってしまいます。日々の食事では低糖質と栄養バランスを心がけ、血糖値を管理しましょう。