トレーニングの習慣がついてきたらしめたもの。しかしながら、見逃されやすいちょっとしたことがトレーニングに悪影響を与え、ひいてはトレーニングがら足が遠のくきっかけになることがあります。トレーニングを長く続け、また効率的に結果を得るために、是非以下のことに注意してください。
運動前に水を飲まない
運動するときはペットボトル入りの水を携帯してこまめに水分補給する必要があるということはご存知でしょう。しかし、運動前の水分補給も非常に重要で、これをおろそかにしている人が多いようです。午前中に運動するのであればなおさらです。「起床時、体は軽い脱水状態にあり、水分を欲しています」(ミシガン大学物理療法リハビリテーション学科助教授・Mark Peterson)
ではどの程度の水分補給が必要なのでしょうか?「まず、朝起きてすぐの排尿の色を確認してください。きっと、日中の尿の色よりも濃い黄色のはずで、これは水分をしっかり補給する必要があるサインです。実際にどの程度の水分補給が必要かは、その後どんな運動をするかによります。例えば筋トレをする前には、短距離ダッシュをする前よりも多くの水分を補給するべきです。水がお腹がタプタプしていたらどうなるかということを、水を飲む前にちょっと考えてみてください。」(Mark Peterson氏)。
プラン無しに運動を始めてしまう
やみくもにウェイトを持ち上げたり、プールに飛び込んでいたりしていませんか?ジムでトレーニングを始める、あるいはランニングを開始する前には、今から何をするのかということを踏まえ、きちっとしたプランを立てておくことが成功のコツです。
「壮大なダイエット目標がある割には、その日ジムに通う目的が何であるかはっきりしていない人が多いです。その日のトレーニング内容を前もってしっかり考えておき、書き留めておくことをおすすめします」(フォーカス・パーソナルトレーニング協会 共同設立者・Joseph Masiello氏)
「トレーニング内容を書いておくことによって、それをやり遂げないといけない、という気にさせてくれます。また、次に何をやろうかと迷うことがなくなるので、トレーニングがより効率のよいものになります」
どのようにプランを考えたらよいか分からない人もいるかもしれません。「まず、筋トレと有酸素運動、どちらを重視するのかそのバランスを考えてみてください。もし自分でプランを考えるのがどうしても難しい方は、パーソナルトレーナーに相談するか、エクササイズプランを提案してくれる書籍やビデオを参考にするとよいでしょう」(Masiello氏)
音楽を適当にシャッフルで聴いている
音楽を聞きながらトレーニングをする方も多いと思いますが、ハードなトレーニングに向けて気持ちを高めたいときに、泣けるスローバラードが流れてきたら気分が盛り下がってしまいます。ちょっとしたことですが、トレーニングを長く続けるためには、このようなこともモチベーション低下の原因になりえます。「トレーニングを中断して、いい曲が見つかるまで次の曲の頭出しをしたい人はいないと思います」(Masiello氏)
トレーンング開始時に再生ボタンだけ押せばいいように、お気に入りの曲をダウンロードして、前もって自分が望む順序のプレイリストを作成しておくとよいでしょう。そうすれば中断せずにトレーニングに打ち込むことができます。
トレーニング中にメールチェックしている
トレーニング中に届いたメールをチェックしていませんか?たしかに、メールチェックにかかる時間はものの2~3秒、返信してもたかだか10秒くらいかもしれません。
しかし、その数秒の間あなたの注意はトレーニングからそれています。「効果的なトレーニングには集中力が必要です。トレーニング中は、携帯電話はロッカーか家に置いておいてください。もし音楽を聴くために携帯電話が必要なら、機内モードにしておくことをおすすめします」(Masiello氏)
毎回同じトレーニング内容を繰り返している
一つの決まったトレーニング内容に打ち込む人が多いと思います。それはいろいろ変えるよりも楽だからです。しかし、もし数ヶ月間同じことを繰り返しているとしたら、きっと脳か体のどちらか、またはその両方がトレーニングに飽きているはずです。
「我々はついつい単調なトレーニング習慣に陥りがちです。しかし、常にトレーニングの成果を実感するためにはトレーニングの内容は常に変えていくべきです。例えば新しいヨガのクラスに参加する、友人とクロスフィットに挑戦してみる、あるいはいつものトレーニングメニューにいつもと違うものをいくつか入れるだけでも構いません。新鮮な気持ちでトレーニングに取り組むことができるので、体が喜びます」(Peterson氏)。
筋トレを最後にやっている
一日の中で有酸素運動の後に筋トレをやっていませんか?これは、自分が思っている以上にパフォーマンスに悪影響があります。「筋トレはフォームが大切で、疲れていないときのほうが正しいフォームに集中しやすいからです。例えばスクワットやランジを想像してみてください。正しいフォームの筋トレは、効果が得やすいだけでなく、ケガを防ぐ意味でも重要です」(Masiello氏)
また研究によれば、筋トレの後は成長ホルモンが分泌され、その働きで体脂肪が分解されるので、その後に有酸素運動を行うことによって効率的に体脂肪が燃えることが分かっています。
トレッドミルでひと汗かいてから筋トレという誘惑を断ち切ってください。それでこそ、その一回ウェイトを上げることに専念できるのです。