タンパク質が体にとって大事なものだということを知らない人はいないでしょう。『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事
- 筋肉の材料になる
- 筋肉がつけば体脂肪が減らせる
- 老化防止効果がある
などの理由で重要とされています。
ここでは筆者の提唱する「完全無欠ダイエット」で、タンパク質を「完全無欠」「やや注意」「ハイリスク」と3種類に分類した表と、主なタンパク質についての筆者の見解を紹介します。
完全無欠ダイエットのタンパク質リスト
食品名 | |
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▲完全無欠 ハイリスク▼ | グラスフェッドの牛/ラム肉、放し飼い鶏卵、ホエイプロテイン・コンセントレート(WPC) |
カタクチイワシ(アンチョビ)、ムシガレイ、イワシ、ベニザケ、ヒラメ、マスなど低水銀の天然魚 | |
放牧豚肉、良質なホエイプロテイン・アイソレート(WPI)、放し飼いカモ/ガチョウ肉 | |
工場畜産卵、放し飼い鶏/七面鳥肉、発芽豆類 |
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工場畜産肉 |
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高水銀/養殖のシーフード、大豆などの豆類 |
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チーズその他の低温殺菌/加熱処理乳製品(バターは除く) |
完全無欠なタンパク質
グラスフェッドの牛/ラム肉
「グラスフェッド(grass-fed)」とは、「(穀物ではなく)草で育てられた」という意味。最良のタンパク源だが、グラスフェッド牛はしばしば食肉解体処理前の30日間、動物性脂肪を増やすために穀物飼料を与えられることに注意。これでは健康へのメリットがなくなるので、最後まで牧草で育てられた肉(=グラスフィニッシュド)にこだわりたい。
放し飼い鶏卵
放し飼い鶏の卵黄は濃い山吹色で、工場畜産卵と比較すると、ベータカロテンを7倍、ビタミンEを3倍、ビタミンAを1.7倍、オメガ3脂肪を2倍多く含んでいる。卵黄は卵の栄養がほとんどが集まっているので、今流行りの「卵白のオムレツ」はおすすめできない。
ホエイプロテイン・コンセントレート(WPC)
良質なホエイ(乳清)に含まれるアミノ酸は、筋肉増のみならず、抗酸化物質グルタチオンの生成に効果的。ただし、炎症性を高める可能性のある処理がされているので、摂取は最大1日大さじ2杯、激しい運動をする人は大さじ4杯にとどめるように。
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低水銀の天然魚
天然ものの魚介類はヘルシーな脂肪や主要・微量栄養素、抗酸化物質などを豊富に含んでいるが、同時に多少の水銀を含んでおり、水銀は平衡感覚系の障害や腸内カンジダに関する問題を引き起こすことが分かっている。水銀含有量が低く安全な魚はカタクチイワシ(アンチョビ)、ムシガレイ、イワシ、ベニザケ、ヒラメ、天然のマスなど。
やや注意のタンパク質
放牧豚肉
ブタを何でも食べるのでカビ毒に汚染された穀物がしばしば与えられる。また、ヒスタミンが多く含まれやすいので、豚肉を食べたあとでアレルギーやめまいを感じたら要注意。
放し飼いカモ/ガチョウ肉/七面鳥/鶏(ニワトリ)
鳥類は自然に穀物を食べる数少ない動物で、なおかつトウモロコシと大豆をエサとしてよく補足して与えられる。このため他の種類の肉よりもオメガ6脂肪酸の比率が高い。その中でもニワトリと七面鳥は多くの穀物を食べるので、オメガ6脂肪酸の他にカビ毒の問題もある。
工場畜産卵
工場畜産のニワトリは質の悪い穀物と抗生物質を一生食べて育つが、母鶏は卵を産む際に毒素を除去するので、幸い卵が汚染されることはない。しかしもちろん放し飼い鶏に比べると栄養価はずっと低い。
良質なホエイプロテイン・アイソレート(WPI)
「ホエイプロテイン・アイソレート(WPI)」とは、ホエイ(乳清)プロテインを高度に加工・精製したもの。タンパク質は高温に熱せられると構造が変質し、またホエイに残っている脂肪が酸化する。乳糖やカゼインなどが体質的に問題なければ、コンセントレート(WPC)のほうが望ましい。
発芽豆類
豆類は水に漬けて発芽させると、栄養素はそのままに処理工程で反栄養素の影響を弱めるので非常にヘルシー。ただし豆類にはアレルゲンと消化阻害物質が含まれ、カビ毒に汚染されることもあるため、高品質のものを探すこと。
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ハイリスクなタンパク質
養殖のシーフード
養殖のシーフードは天然のもと比べて栄養素とヘルシーな脂肪が乏しい。しかも養殖は天然の生態系を壊すので、手を出すべきではない。
工場畜産肉
アメリカで工場畜産される家畜は、グラスフェッドの家畜と比べてはるかに栄養素が少ない上に、安く太らせるために汚染穀物、生ゴミ、ジャンクフード、ニワトリのくちばしや羽などを与えられて育ち、さらに抗生物質その他の化合物をたっぷり投与される。こうした肉を食べるときは、なるべく赤身の肉を選んで、脂肪を取り除くように。
一般的な大豆、その他豆類
大豆に含まれる脂肪分はほぼすべて多価不飽和オメガ6で、しかも高温処理されるので、ほとんどの大豆を食べることは酸化した脂肪を摂取することに等しい。また、反栄養素が多く含まれる上に、アメリカで「オーガニック」の表示がない大豆は基本的に遺伝子組換え。ただし、味噌、納豆、醤油などの発酵大豆は、発酵過程で反栄養素が低減されているので問題は少ない。
その他の豆類は、腸に害になる食物繊維やレクチンを含み消化が悪く、胃酸の生成を損なう上に、全般的に糖質も高い。