糖質制限ダイエットブームの影響もあり、最近は糖質の食べ方について気を付ける人が増えてきたように思います。話題のダイエット本『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事
- 糖質は夜のみに摂るべき(睡眠の質が改善される)
- なるべく反栄養素の少ない糖質を限られた量だけ食べるのがよい
- 一食につき完全無欠な炭水化物約30g食べるのを基本とし、週1~2回は100~150g食べる
- 糖質を減らせば体重は減るが、ずっと食べないのは体調に悪影響。特に強度の高い運動をする人はしっかり食べるべき
- 栄養の点では糖質からは多くを得られない(あくまで燃料の供給源)
ここでは主な糖質についての「完全無欠」度の表と、筆者の見解を紹介します。「白米が玄米よりも体によい」など斬新な見解が含まれ、非常に興味深いです。
完全無欠ダイエットの糖質リスト
食品名 | |
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▲完全無欠 ハイリスク▼ | カボチャ、サツマイモ、ヤムイモ、ニンジン |
白米、キャッサバ、タロイモ |
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黒米、ワイルドライス、玄米、バナナ、生鮮/冷凍オーガニック軸付きトウモロコシ | |
ジャガイモ、ムラサキイモ |
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ソバの実、キヌア(キノア) |
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小麦、トウモロコシ、アワ/キビ、その他の穀類、コーンスターチ |
完全無欠な糖質
カボチャ
カボチャは、果糖や反栄養素が極めて少ないという点で断トツで完全無欠な炭水化物源。栄養も豊富で、抗酸化物質、カリウム、カロチノイドを豊富に含み、リン、ビタミンC、ビタミンK、葉酸、亜鉛、マグネシウム、マンガン、カルシウムも中程度含む。また、水溶性の食物繊維が豊富なので、腸内環境を整える効果が大きい。
サツマイモ
サツマイモは低毒素で、クリーンに燃焼される糖質。ミネラル、ビタミン、抗酸化物質が豊富で、果糖は少ない。皮に含まれる化合物にも栄養があり、糖尿病患者のインスリン感受性、ヘモグロビンA、コレステロール、中性脂肪値を完全する効果がある。
ニンジン
カロチノイド、カリウム、リン、ビタミンC、ビタミンK、抗酸化物質、食物繊維が豊富で、セレンも少量含まれる。がんの成長を防ぐと証明されたポリアセチレン、脳機能を向上させるアントシアニンの濃度も高く、果糖や反栄養素は少ない。過敏性腸症候群や腸障害の人は、消化しやすいよう、加熱調理したニンジンを食べるのがよい。
白米
意外に思う方が多いだろうが、白米は、玄米やワイルドライスより完全無欠。外皮を除去しているので反栄養素が少なく、他の穀類に比べると糖質も少ない。ただしビタミンやミネラルには乏しい。加熱調理後に冷まして冷や飯にすると、レジスタントスターチが作られて、腸内細菌の好物のエサに変えることができる。
やや注意の糖質
キャッサバ、タピオカ、タロイモ
キャッサバ、タピオカ、タロイモなどの熱帯の低木は、果糖や反栄養素は少ないが、たいして栄養もなく、糖質自体は多い。生食すると危険になりうる有害な成分が含まれるので、加熱がおすすめ。レジスタントスターチの供給源としては有効なので、ダイエット安定期には夜寝る前に摂るのも一つの方法。
トウモロコシ
トウモロコシは、除草剤の影響もあり、毒素を生成するフザリウム属というカビとともに成長するため、ほとんどのものが汚染されている。食べるなら、カビ毒の少ないオーガニックの軸付きのものを。
玄米、黒米、ワイルドライス
玄米、黒米、ワイルドライスは、フィチン酸やレクチンや腸に炎症を起こす食物繊維など、反栄養素を多く含んでいる(※食物繊維は多ければよいというものではないことに注意)。白米はこれらの米よりも美味しい上に問題も少なく、白米より玄米を選ぶべき合理的な理由はない。
キヌア(キノア)
キヌア(キノア)は大豆とともに近年ベジタリアンの間で大流行しているが、優れている点といえばグルテンを含まないことくらいのもの。アミノ酸バランスがよいことがもてはやされるが実際に含まれる量はごくわずかで、腸を損傷する可能性のある物質が含まれる。また、糖質が多いゆえに、畑ですでに劣化が始まり、貯蔵後も劣化し続ける。
ハイリスクな糖質
非オーガニックのトウモロコシ
アメリカ産のトウモロコシは遺伝子組み換え技術が使われており、これが自然発生するカビの毒性を高め、その上に除草剤ラウンドアップの影響もあり、カビ汚染が特にひどい作物になっている。またトウモロコシに含まれるタンパク質ゼインはグルテンと反応して腸に炎症をもたらす。
小麦
- 小麦に含まれる糖質は、ブドウ糖やショ糖よりもはるかに血糖値を急上昇させる
- グルテンなどの小麦タンパク質は、腸内膜にダメージを与える他、橋本甲状腺炎や狼瘡などさまざまな自己免疫系疾患の原因になる
- グルテンが脳の血流量を低下させるため、知的能力が下がる
- カビ毒を含んでおり、健康やパフォーマンスに悪影響を与える
- 小麦タンパク質の代謝の過程でアヘンと同じ作用を持つ物質が生じるため中毒性がある
アワ、キビ
アワやキビにはグルテンはないが、似た種類のタンパク質を含んでおり、腸損傷や炎症を起こす。カビ毒に汚染されていることが多く、特に甲状腺障害につながることが多い。