俗に「リンゴ1個は医者いらず」と言われますが、実は、リンゴよりもバナナのほうが健康的でダイエットにも効果的であることをご存知でしょうか?ここでは、バナナに含まれるさまざまな栄養素と、その効能をご紹介します。
カリウム
バナナの特長と言えば、まず第一にカリウムが豊富なことが挙げられます。カリウムには、体内のナトリウム(塩分)とバランスを取りながら、体内の水分を調節する働きがあり、心臓機能の維持や血圧の調整をしてくれる重要なミネラルです。バナナのようなカリウムが豊富な食べ物を食べると、心疾患や脳卒中のリスクを減らす効果があることが研究でも明らかになっています。
また、カリウムは腎臓結石(尿管結石)を予防する効果もあります。腎臓結石(尿管結石)という病気は、体内のカルシウムが不足している人に起こりやすいのですが(※カルシウムが不足すると骨からカルシウムが大量に溶け出てしまうため)、カリウムを摂ることによってカルシウムが尿から排出されることを抑えてくれるからです。
加えて言うと、カルシウムが不足するということは、つまり骨が脆くなってしまうということ。丈夫な骨を維持するためにも、是非バナナを積極的に食べましょう。
優秀なエネルギー源
最近では、スポーツをする一般の人がスポーツドリンクやエナジーバー(ジェル)で栄養補給することもずいぶん一般的になってきました。しかし、プロのスポーツ選手が試合前や試合中によく食べるものが、実はバナナであるということをご存知でしょうか?バナナには自然の糖質と水溶性食物繊維が豊富に含まれるため、そのおかげで人間の体にゆっくりと安定的にエネルギーを供給してくれる効果があるのです。
とは言っても、その糖分によって「血糖値を上げるのではないか?」「太るのではないか?」と気にしている人もいるかもしれません。しかし、意外なことに、バナナのGI値は52前後と「低GI」の範囲に含まれ、バナナ1本に含まれる糖質も24g前後と特別高いものではありません(※たいやき1個の糖質が40g)。
【関連記事】食品のGI値一覧早見表
このように適度な糖質補給ができるので、ダイエット中の方のおやつにも向いています。1本当たりのカロリーは100kcal前後。食物繊維が豊富なので、腹もちもよく、バナナ1本で暴飲暴食を抑える効果もあります。おやつにコンビニ菓子ばかり食べている方は、是非そのおやつをバナナに置き換えてみてください。
便秘解消
すでにご紹介したように、バナナは食物繊維が豊富です。食物繊維は食べたものがスムーズに消化されるために必要なものですが、現代人の食事には食物繊維が圧倒的に不足しています。便秘がちの方は、便秘薬に頼る前に、毎日1~2本バナナを食べてみてください。
また、消化に関して言えば、バナナはオリゴ糖が豊富な食べ物で、オリゴ糖には「プレバイオティクス」と呼ばれる、腸内環境を整えるために有効な成分が含まれています。腸内環境が改善されれば、便秘解消に効果があるだけでなく、人間に必要な栄養が効率良く吸収されるようになります。
胸やけや胃潰瘍を抑える
バナナには胸やけを抑える効果があります。これは、バナナには胃の中のpH値(酸性・アルカリ性の度合い)のバランスをとり、胃を守る粘液を増やす働きがあるからです。また、すでに述べたように食物繊維が豊富なので、食事の消化がスムーズになり、結果的に逆流性食道炎を抑えられるということも言えます。
また、胃潰瘍を予防する効果もあります。最近の研究では、胃潰瘍は胃の中のピロリ菌によって引き起こされると言われており、バナナにはピロリ菌を退治する微生物が含まれているからです。
ビタミンB6
バナナはビタミンB6も豊富です。ビタミンB6は健康的な血液に欠かせない「ヘモグロビン」を作るのにとても重要ですが、それだけでなく、血糖値をコントロールしたり、たんぱく質とアミノ酸の分解・合成を助けたりと、人間の体にとって大事なさまざまな働きをします。
バナナ1本には、ビタミンB6の1日の推奨摂取量の1/5が含まれています。ビタミン補給にサプリを飲むのもよいですが、味気ないサプリを飲むより、食べて美味しいバナナでビタミン補給をしてはいかがでしょうか?
肌トラブル解消
バナナの皮にも使い道があるということをご存知でしょうか?バナナの皮は、ざ瘡(にきび)や乾癬(かんせん)などの肌トラブルを治療するのに効果的です。
剥いてすぐのバナナの皮の内側を、患部にやさしく塗りつけるようにしてください。内側の柔らかい白い部分が肌につくと思いますが、そのままにして、肌にその成分をしみこませます。白い部分に含まれる脂肪酸が、さまざまなな肌トラブルを解消してくれます。また、肌の保湿効果もあるので、肌トラブルのない方にもおすすめです。
症状は、だいたい数週間すると改善がみられるようになります。乾癬の方の場合、最初のうちは赤みが増すこともありますが、数日使っているうちに治まります。もし心配な場合は、本格的に使う前に、パッチテストをするとよいでしょう。
また、足の裏やかかとにできた角質を取るのにも効果的です。バナナの皮を小さく切り、内側を患部に塗りつけた後にテープでしっかり固定し、一晩おいてください。1週間も続けると、角質は見違えたようにすっきりするはずです。
各種ビタミン、ミネラル
カリウムとビタミンB6については既にご紹介しましたが、それだけでなく、バナナにはビタミンC、マグネシウム、マンガンも豊富に含まれます。その他、ビタミンB群、ヨード(ヨウ素)、鉄分、セレン、亜鉛などの供給源としても優秀です。
がん予防効果
近年、日本で行われた研究で、バナナは他の果物に比べて、体内の「TNF-a(腫瘍壊死因子)」という物質を増やす働きが強いことが分かりました。TNF-aには免疫力を高める働きがあり、がんの治療に使われる薬よりもその免疫増強効果は高く、バナナにはがん予防の効果があると考えられています。また、皮が少し黒ずむくらい熟したバナナのほうがその免疫力が高いことも分かりました。
ただしこの研究は動物を対象にしたもので、人間への効果についてはまだ未知数な部分もあります。とは言え、バナナに限らず、果物にはさまざまなフィトケミカルが含まれているので、バナナを食べることはがんのリスクを減らすことに一定の効果があるとは言えそうです。
気分が明るく、ストレスが軽くなる
「トリプトファン」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?トリプトファンとはアミノ酸の一種で、脳内の”幸せ物質”と呼ばれる「セロトニン」の材料になるものです。セロトニンのレベルが高いと、心が落ち着いて明るい気分になり、ひいては外見にも良い影響を与えます。また、質の良い睡眠とも密接な関係があります。
このトリプトファンは、体内で作りだすことができない、言い換えると、食事からしか摂ることができない、ということに注意してください。そこにもってこいなのがバナナです。実際のところバナナはトリプトファンがすごく豊富というほどではないのですが、簡単に多少のセロトニンを増やすにはとても有効です。
会社で昼下がりに小腹が空いたときには、おやつにバナナを食べましょう。小腹を満たすと同時に、仕事のストレスも軽くなるはずです。
二日酔い解消
バナナは、飲み過ぎた翌朝の食事に最適です。そのまま食べるのもよいですが、一つのおすすめとして、バナナとベリー類の果物を、牛乳、氷と共にミキサーにかけて作ったドリンクは、二日酔い解消に絶大な効果があります。もちろん、初めから飲み過ぎないのが一番良いのですが、飲む予定のあるときは、翌朝のためにバナナを買っておくとよいでしょう。
あるいは、熟しすぎてしまったバナナは、一口大の大きさに切って、そのまま冷凍してしまうのもおすすめです。その冷凍バナナは、スム-ジーを作るときの氷の代わりとして、ミキサーに入れてしまうことができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?きっとバナナを常備しておきたくなったのではないかと思います。また、バナナは厚い皮に包まれているので、農薬の心配がないというのも嬉しいポイントです。お手頃のバナナを見つけたら是非購入して、ダイエットや健康のために活用してみてください。
【関連記事】
手作りダイエットドリンク!バナナスムージーの人気レシピ10選