ひとりひとり違う!ニオイの感じ方
普段何気なく感じるニオイは人によって感じ方が違うことをご存知でしょうか?ある人が嫌なニオイと感じても、別の人にとってはそれほど気にならないということもあります。その違いはどうして生じるのでしょうか?
人は息を吸う時、空気と一緒にニオイの分子も鼻から入ってきます。そのニオイ分子が鼻の穴の奥にある嗅神経細胞を刺激することによってニオイを感知します。興味深いことに、この時点では嫌なニオイと判断されることはありません。実は、ニオイは脳にある大脳皮質にニオイの刺激が伝わる時に判断されます。つまり、人によって感じる嫌なニオイは、ニオイ分子の種類ではなく人の脳で決まるのです。
ニオイの良し悪し!判断するのは脳
人間の大脳は、人が育った環境や文化、体験や体調の変化などを記憶しています。その大脳が司る嗅覚は、性別や年齢、人種や鍛錬などによって様々な違いが現れます。
一般的に、嗅覚が比較的優れているのは男性よりも女性です。また、風邪をひいていたり疲れていたりすると嗅覚は鈍くなります。朝よりも夜の方が、また満腹の時よりも空腹の時の方が嫌なニオイを感じやすいという人も多いでしょう。このように、ひとりひとりが持っている大脳皮質が、ニオイの良し悪しをさまざまな形で判断するのです。
ニオイの不思議!記憶や体調が関係している!?
鼻から入ったニオイ分子がその人のすでに持っている記憶と結びつくと、それは良いニオイにもなれば嫌なニオイにもなります。
例えば、誕生したばかりの赤ちゃんは、大便のニオイを不快に感じません。なぜなら、赤ちゃんは大便に関する記憶を大脳皮質にまだ持っていないからです。赤ちゃんは大便を処理する大人が「臭い」と感じている顔を見ることで、次第に「大便は臭い」と記憶し、そのニオイを嫌なニオイと認識するようになるのです。
また、体調が悪い時に食べて吐いてしまった物は、以前大好きだったとしても、ニオイを感じるだけで不快になってしまうということもあるでしょう。
ニオイの不安!病気のサインかも…
大脳皮質でニオイの良し悪しが判断されると、さらにその刺激が視床下部に伝わるため、自律神経が働きます。良いニオイを嗅ぐとリラックスしますし、嫌なニオイを嗅ぐとストレスを感じるのもそのためです。
そこで、ふつうの人は「他の人に嫌なニオイを発していないだろうか?」と気になります。他の人の仕草や態度など周りの反応で判断し、「やはり自分は周囲の人に不快感を与えるニオイを出している」と不安になることもあるでしょう。人間誰しも、生理的なニオイ=体臭がありますが、もし病的なニオイであれば、内臓の機能低下など何らかの病気のサインかもしれません。
手軽にできる!体臭を消す食生活
カテキンやフラボノイドには、口臭を防ぐ効果があります。抗菌作用が強く、口の中の雑菌の消臭効果がある上に、口臭だけでなく体内のニオイ物質全般が発生するのを抑えてもくれます。カテキンやフラボノイドが多く含まれるお茶としては、多い順に、緑茶、ウーロン茶、紅茶が挙げられます。
また、体臭は腸内環境と密接な関係があります。腸内に悪玉菌が多いと、食べ物は腸内で腐敗し、アンモニア・硫化水素などのニオイのきつい有害な成分を大量に作り出します。すると当然便のニオイはきつくなりますが、それだけでなく、血液中にニオイ成分が充満する状態になるため、体臭の原因にもなります。そこで、腸内で善玉菌を優位にしてくれる、ビフィズス菌入りのヨーグルトやオリゴ糖を摂るのがオススメです。
手軽に摂れる食べ物で消臭効果が大きいものとしては、リンゴがあります。リンゴには、アップルフェノンと呼ばれるポリフェノールの一種が含まれていますが、このアップルフェノンは消臭剤の原料になるほど、高い消臭効果があります。また、リンゴの食物繊維には、ワキガ臭の原因となるアポタンパクと呼ばれる成分の生成を抑えて減らす働きがあります。
加齢臭に効果があるのは、野菜や果物、魚介類に含まれるビタミンEやビタミンCです。活性酸素を抑える抗酸化作用が高い上に、加齢臭の原因となる動脈硬化も改善してくれ
ます。
またリンゴ酢には、消臭効果のあるリンゴと、抗酸化作用や殺菌作用を持つお酢、ダブルの消臭効果があります。