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首や肩のコリや痛みの原因とは?
首や肩の痛みやコリは、大まかに言うと筋肉の疲労が原因です。病的な原因で起きる慢性的な痛みとは違って、骨や関節や神経に明らかな異常は見られないのが特徴と言えます。
例えば、朝起きるとビリっと痛む「寝ちがえ」。これは、眠っている間の首の動きや姿勢が関節や筋肉に負担をかけたり、一時的に神経が圧迫されていることによって生じます。特に、疲労を抱えている時はなりやすいでしょう。
中国医学では未病という考えがありますが、首や肩の違和感や軽い痛みは、健康ではないが病気とまでは言えない状態です。違和感から激しい痛みに変わらないよう、痛みは早めに解消しましょう。
首や肩のコリや痛みを悪化させる4つの原因と解消法
1. 長時間同じ姿勢
デスクワークなど長時間同じ姿勢でいる人には首や肩の痛みが多いもの。これはなぜでしょうか?
長時間同じ姿勢で手先を使う作業などをしている時、首や肩の筋肉は緊張状態が続いています。あまり体を動かさないため、筋肉の動きによって生じる血液の流れが悪くなります。血液の流れが悪くなると、血液を通る酸素も運ばれにくくなり、筋肉に十分な酸素が行き届かなくなります。酸素が行き届かなくなると、筋肉の燃料となるブドウ糖が不完全燃焼になり、老廃物が溜まって疲労感が強くなるのです。
さらには、その老廃物が溜まり過ぎると、末梢の神経を刺激し脊髄から脳へ達して、疲労感から痛みに変わります。そうなると筋肉は反射的に緊張し、筋肉のこわばりがさらに強くなってしまうという悪循環に陥ってしまうのです。
デスクワーク中は、1時間に一度椅子から立ち上がってストレッチをしたり、椅子に座りながらできるストレッチなどを工夫して行いましょう。集中しているとついつい忘れがちなので、スマホのアラーム機能やパソコンのフリーソフトなどを使うのがオススメです。
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2. 冷え
寒い時や体が冷えている時には、首や肩もいつもより強い痛みを感じやすくなります。これには血流が大きく関係しています。
通常、血液は体の隅々まで熱を運びますが、寒さや冷えがあると、体温を保つために皮膚からの熱の放出をできるだけ抑えようとします。そのために血管が収縮し、血流が悪くなり末端まで熱が届きにくくなります。これが「手足が冷えている」状態です。そして、血管が収縮すると、乳酸など痛みの原因となる物質も溜まりがちになります。そのため痛みが悪化するのです。
一方、暖かい環境では、体は体温が上がりすぎないように熱を発散させます。すると血管が拡張して血流が良くなり、痛みのもとになるる物質を排泄しやすくなります。足元を温かくする、温かいものを飲むなどして、体を冷やさないよう心がけましょう。
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3. 心因性
昼間活動している時は痛みが気にならなくても、夜になると痛みを感じるということがあります。実は、痛みの感じ方には精神的な状態も大きく関係しています。
そもそも、精神状態を構成するものには、「知性」「情動(感情)」「意欲」の3つがあります。これら3つの要素が十分に豊かなのが、「精神的に充実している」状態です。この3つの要素のバランスは変わることがありますが、ある要素が低下しても他の要素が補うことができれば、精神的に充実した状態を保つことができます。
精神的に充実している時は、痛みよりも他のことに関心が向くため楽しいという感覚が大きくなるでしょう。しかし、精神的に落ち込んでいる時は関心が痛みに集中するため、より強く感じてしまうのです。また、夜は一人で物思いにふける時間も増えるため、活動する昼間よりも痛みを感じやすいと言えます。
是非、仕事や家事以外にも打ち込めることや趣味を見つけましょう。精神状態のバランスがとりやすくなるだけではなく、今の仕事にも好影響をもたらします。
4. 女性
幾つかの理由が関係していますが、男性よりも女性のほうが首や肩の痛みを感じやすいと言えます。
主な理由は筋肉量です。骨格がきゃしゃで筋肉量が少ないと、重い頭を長時間支える時の疲労感が増して、筋肉内の血管が収縮し血行不良になります。また、筋肉は熱を生みますので、筋肉量が少ないと熱の産生量も少なくなって、筋肉が収縮し体が冷えやすくなったり、血行不良になってしまいます。
さらに、女性ホルモンも関係しています。女性ホルモンには靱帯や筋肉などを緩める働きがあり、関節の動く範囲が過剰になるため、筋肉や関節へのストレスが大きくなります。また、更年期や生理前は女性ホルモンの分泌が乱れ、自律神経の働きも乱れます。すると血管や筋肉が収縮したままになるため、首や肩のコリや痛みが増してしまうでしょう。
これらは女性である限り避けられませんが、改善することはできます。筋肉については、ジムに通わなくてもちょっとした運動で筋力をつけることは可能です。また、自律神経の問題はストレスが関係しています。ストレスと上手につきあい、ストレスを溜めない生活を心がけましょう。
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慢性的なコリや痛みの原因・症状とは?
慢性的なコリや痛みがある場合、骨や関節、神経に異常が生じている、あるいは内臓疾患が原因になっていることがあります。
症状としては、手先のしびれが長く続いたり、力が入らないといったものがあるでしょう。また、首を動かすと激痛が走ったり、頭痛や耳なり、めまいなどを伴うこともあります。
他にも、手先の冷えが強かったり、痛くて眠れない、憂うつ感が強いといった症状にも現れることがあります。このような場合、首や肩以外の原因も考えられるため、医師に相談し痛みの原因を検査することをおすすめします。
激しい痛みがある場合の対処法とは?
急性の激しい痛みが生じた時は、首の骨や神経などに損傷が起こっている可能性が考えられます。まずは安静にし、なるべく早めに受診しましょう。整形外科やペインクリニック(Wikipedia)に行くことをおすすめします。
また、慢性的に感じている痛みやコリが急激に悪化した時も早めに受診することをおすすめします。睡眠不足や疲労、体の冷えなど、痛みを悪化させている原因が分かっているときは、早めにその原因を取り除きましょう。