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ランナーがたんぱく質を摂るべき4つの理由~ランニングに必要な栄養素とは?

ランニングに必要な栄養素は?」と聞かれたら、多くの人は「糖質」と答えるのではないでしょうか。たしかに一番大事な栄養素は糖質かもしれません。しかし、糖質に負けず劣らず、たんぱく質も大事な栄養素です。たんぱく質というとボディビルダーのための栄養素と考える人もいるかもしれませんが、たんぱく質は、パフォーマンスアップ、ダイエット効果アップ、貧血予防など、さまざまな形で大いにランナーを助けてくれます。ここでは、ランナーがたんぱく質を摂るべき4つの理由をご紹介します。ランニングの前や後には、糖質だけでなく、たんぱく質(プロテイン)をしっかり補給するように心がけてください。

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たんぱく質と糖質を一緒に摂るとグリコーゲンが増える


ランニングに限らず、運動に必要な2大エネルギーは糖質脂質です。このうち、脂質は体脂肪として体内に10kg以上も蓄えられていますが、糖質のほうはグリコーゲンという形で肝臓と筋肉の中にわずか数百グラムしか蓄えられていないということをご存知でしょうか?

一方、運動中は脂質と糖質は同時に消費されていきます。すると当然、貯蔵量が少ない糖質のほうが先に底をつきます。糖質が底をつくと、体は筋肉や脂肪などを分解して糖質に変えようとしますが、すぐには必要十分な糖質は得られないので、運動のパフォーマンスは極端に落ちてしまうのです。

そこで、一般的にランナーを含めスポーツ選手は、グリコーゲンを増やすために糖質の摂取を増やします。しかし、実は、糖質だけを摂るより、糖質とたんぱく質を一緒に摂ったほうが、筋肉に貯蔵されるグリコーゲンの量は約1.6倍にも増えることが研究で明らかになっています。

グリコーゲンが多ければ多いほどハードな練習がこなせて走力は上がりますし、レースの本番でも高いパフォーマンスが発揮できます。また、ランニングをすると筋肉を構成するたんぱく質が分解されるので、その意味でもたんぱく質はしっかり摂るべきです。一般の人は、1日に必要なたんぱく質の量は体重1kgあたり1gと言われていますが、ランナーの場合は、不足分をカバーするためにも、体重1kgあたり1.2~1.4g(52kgの人なら62~73g)を目安に摂取するようにしましょう。

ダイエット効果と血管拡張効果


ダイエットのためにランニングをする人は多いと思います。そんな方におすすめな飲み物が豆乳です。ポイントは、豆乳に多く含まれる「アルギニン」という成分。アルギニンとはたんぱく質を構成するアミノ酸の一つで、牛乳にも含まれていますが、豆乳のほうが多く含まれています。

アルギニンの大きなメリットは、成長ホルモンの分泌を促してくれるということ。成長ホルモンは筋肉を成長させることとの関連で語られることが多いですが、最近は体脂肪の分解を促す作用のほうが高いと言われています。

もう一つは、血管を拡張させる作用のある一酸化窒素を増やしてくれるということ。血管が広がれば血流がよくなり、運動能力もそれだけアップします。また、血流がよくなれば、運動がしっかりできる上に、基礎代謝もアップするので、ダイエット効果も大きくなりますね。

BCAAが筋肉の損傷と疲労を軽減してくれる


必須アミノ酸」という言葉を聞いたことのある人は多いと思います。筋肉のたんぱく質を構成するアミノ酸は20種類ありますが、その中で、体内で合成できず、食事から摂り入れないといけない9種類のアミノ酸のことを必須アミノ酸と呼びます。

必須アミノ酸の中でも、「BCAA(分岐鎖アミノ酸)」と総称される、バリン、ロイシン、イソロイシンはランナーにとって特に重要です。これは、運動時に筋肉のエネルギー源となりやすく、ランナーの筋肉の損傷を防ぐ働きがあるためで、ランニング前に摂取することが推奨されています。

また、ランニングなどの有酸素運動を行うときには、BCAAを摂取すると疲労を抑えられるという研究もあります。これは、脳が疲労を感じるプロセスには、別の必須アミノ酸であるトリプトファンというものが関わっていて、BCAAを脳に先に取り込むことによって、トリプトファンの取り込みが抑えられるからだそうです。

貧血を予防してくれる


ランニングをして貧血になった(なりそうになった)ことはありませんか?ランニングとは、酸素を使って糖質と脂質を代謝しながら行う有酸素運動。ハードな練習を重ねると、血液中で酸素を運ぶ赤血球のヘモグロビンが不足することがあり、これが貧血につながります。特に気をつけたいのが、「溶血性貧血」と「鉄欠乏性貧血」です。

溶血性貧血」という言葉には馴染みがないかもしれません。ランニングでは、着地するたびに体重の2~3倍もの衝撃が足に加わりますが、実はそのとき、足裏を流れる血液中の赤血球の膜が破れ、ヘモグロビンが漏れ出てしまうのです。本来、漏れたヘモグロビンは腎臓で回収されて赤血球に戻されるのですが、長時間走るとこれは回収が追いつかなくなり、結局尿と共に排泄されてしまうということが起こります。それにによってヘモグロビンが足りなくなるのが溶血性貧血です。

鉄欠乏性貧血」のほうはよく知られている貧血で、走ると汗を大量をかきますが、その際水分と一緒に鉄分などのミネラル分も失われます。ミネラル分が不足するとヘモグロビンも減るので、そのために貧血が起きます。また、女性の場合生理で血液とともに鉄分を失うので、鉄欠乏性貧血になりやすいと言われています。

「じゃあ、鉄はサプリで補えばいいじゃないか」と思う方もいるでしょう。たしかに鉄分のサプリにも貧血を防ぐ一定の効果はありますが、実はそう単純ではありません。あまり知られていませんが、実はヘモグロビンの実体は、を含むヘムという赤い色素と、グロビンというたんぱく質からできている、たんぱく質の一種なのです。たんぱく質を過不足なく摂らないと、溶血性貧血も鉄欠乏性貧血も避けることはできません。

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参考文献:「Tarzan」2015/3/26号
健康&ダイエットNAVI 管理人 :健康診断で脂肪肝を指摘されたことを機にダイエットを決意。さまざまな文献を読み健康的なダイエットを研究。糖質制限、有酸素運動(ボクシング)、筋トレ等の実践により、1年間で約17kg減、体脂肪11%減のダイエットに成功しました(管理人のダイエット体験談はこちら)。このサイトでは、ダイエットや健康に関するさまざまな有益な情報をご紹介しています。