甘いものが食べたくてたまらなくなる
たんぱく質が不足すると、人間はどんなものを食べたくなると思いますか?肉汁したたるステーキ?チーズ?卵?実はそういったものではなく、たんぱく質が足りないときには、人間は甘いものを食べたくなるのです。しかも厄介なことに、その場合、その欲求は甘いものを食べてもおさまることはありません。
あまり知られていませんが、たんぱく質には「血糖値を安定させる」という大事な働きがあります。つまり、たんぱく質をしっかり摂れていれば、糖質を摂っても血糖値の上昇はある程度抑えられるのですが、たんぱく質が足りないと、血糖値は急上昇した後に急降下します。この急降下したときに、甘いものを食べたくてたまらなくなるのです。
集中力がなくなる
糖質は脳の唯一の栄養素です。では糖質をたくさん摂れば脳がよく働いてくれるかいうと、実はそう単純ではありません。脳がよく働いてくれるためには、「血糖値の安定」が重要な鍵になります。
前に述べたように、たんぱく質が不足すると、血糖値は不安定に上昇・下降しやすい状態になります。そうなると、人間は、糖質という燃料を脳に安定供給することができず、その結果、頭はぼんやりとし、何をするにも集中力を欠いてしまうのです。逆に食事でたんぱく質をしっかり摂れば、糖質を少しずつ安定して脳に供給することができます。
仕事中や勉強中、疲れを癒すためにお菓子やスナックなどを食べる人は多いと思いますが、エネルギーが補充されるのはほんの一瞬のこと。その直後には、仕事や勉強の能率は食べる前よりもきっと下がってしまうでしょう。
髪が抜けやすくなる
「髪の成長に必要なのは海藻じゃないの?」と思う人もいるかもしれませんが、実はたんぱく質は、髪の毛を含む、体のあらゆる部分の細胞をつくるもとになっています。「人間はたんぱく質でできている」と言っても過言ではありません。髪の細胞がしっかりしていれば、髪を少々引っ張ろうが、風に吹かれようが、髪はそう簡単に抜けませんが、逆に、日頃髪に十分な栄養を与えていなければ、髪はどんどん薄くなっていってしまいます。
また、もし抜け毛がひどい場合は、甲状腺の病気など他の深刻な病気の徴候である可能性もあります。心配な方は医師に相談することをおすすめします。
だるい・疲れやすい
たんぱく質が筋肉を作るもとであるということは、子供でも知っている常識です。たんぱく質が不足すると、当然筋肉は日に日に衰え、ある日気付いたときには、昔は何でもなくできた運動が全くできない、ということが起こります。
また、筋力が衰えたことによって体力が落ち、疲れやすい、だるいといった症状も出てきます。
病気にかかりやすくなる
たんぱく質は体のあらゆる部分の細胞をつくるもとになっていると前に述べましたが、たんぱく質は人間の免疫細胞をつくるもとにもなっています。つまり、たんぱく質が足りないと、「風邪をひきやすい」「感染症にかかりやすい」という問題につながることがあります。
病気というほどではありませんが、「ささくれ」も一つの目印になります。人間の皮膚は、外の環境から人間を守っている大きな「免疫」組織です。たんぱく質が不足すると皮膚は弱くなり、ささくれやひび割れができやすくなります。また、その傷口が別の感染症につながる可能性もあります。