良質な脂肪や食物繊維が含まれるナッツ。アメリカ在住の女性看護師を対象に行った調査では、ピーナッツやアーモンドなどを含むナッツ類を多く食べる人はBMI値が低いという結果が出ています。ここでは、毎日の食事は変えなくても、ナッツをプラスして食べるだけで痩せる「ナッツダイエット」についてご紹介します。
ナッツダイエットで痩せる理由
噛む回数が増え満腹感がアップ
ナッツ類は硬く、噛む回数が通常の食品よりも多くなります。よく噛むと、脳の視床下部にある満腹中枢が刺激され、少量でも満腹感が得られやすくなります。さらに、硬さが異なる食材を食べると噛む回数が増えるという報告があり、その意味ではミックスナッツが効果的です。
良質な脂肪により満腹感がアップ
脂肪というとダイエットの敵のように思われがちですが、ナッツに含まれるのは主に良質の脂肪です。健康に良い成分が豊富で、少量で満腹感を得られるので間食を減らす効果もあります。
ビタミンEやポリフェノールがダイエットを助ける
酸化ストレスが高い人は肥満度が高いという研究があります。アーモンドに含まれるビタミンEやクルミに含まれるポリフェノールなどの抗酸化成分は、継続的にとることによってダイエットの助けとなります。
食物繊維によって便通がよくなる
便秘の状態だと代謝が下がりますし、余分な糖質・脂質を吸収しやすくなります。ナッツ類は概して食物繊維が豊富なので、便秘解消に効果的。便秘解消は太りにい体を助けることにつながります。
ナッツダイエットの方法
1日25gのミックスナッツを食べる
ナッツを食べる量は、1日に25gが目安。25gは手のひらに軽く1杯くらいの量です。これは、アーモンド単品の場合では約150kcalになります。ナッツは全般的にカロリーが高いので、食べ過ぎには注意しましょう。
アーモンドとクルミを7割。それ以外は好きなナッツをブレンド
面倒なら市販のミックスナッツを買ってもよいですが、できれば自分でお好みの単品ナッツを買ってミックスしましょう。ダイエットに最も役立つ良質な脂肪や食物繊維が含まれるのはアーモンドとクルミですので、この2つを7割、その他のナッツを3割程度にするのが目安です。アーモンドとクルミを6~7割摂れていれば、ダイエット効果は変わらないと言われています。その他の3割のナッツは、カシューナッツ、ピーナッツ、大豆、カボチャの種、ヒマワリの種、タイガーナッツなどがオススメです。
無塩・素焼きを選ぶ
おつまみのナッツには油や塩が使われているので、毎日食べると油や塩分を摂り過ぎてダイエットには逆効果になってしまいます。ナッツダイエットで食べるナッツは、無塩・素焼きのものを選ぶようにしましょう。
各ナッツの栄養価と効果
アーモンド
クセがなく栄養価も抜群のアーモンド。余分な糖質や脂質の吸収を防ぐ働きがあり、ビタミンEやオレイン産などの抗酸化力の高い成分がアンチエイジングにも効果的。食物繊維豊富なので便通改善効果もあり、その他にも善玉コレステロールを増やす効果や終末糖化産物(AGEs)を排出する解毒効果などもあり、まさに「ナッツの王様」です。
クルミ
中性脂肪値や悪玉コレステロールを減少させる効果があると言われています。また、クルミ特有の渋みの元になっている薄皮には抗酸化作用のあるポリフェノールが豊富。またナッツ類には珍しくn-3系脂肪酸の一種のαリノレン産が豊富で、血管をしなやかにしたり、細胞の活性化を促す働きもあります。
タイガーナッツ
海外セレブが注目したことで近年話題のタイガーナッツ。実は本当のナッツではなく、カヤツリグサの塊茎(かいけい)です。食物繊維が豊富なのが大きな特徴で、なんと100g中に16.5gも含まれます。味はほのかな甘みがありミルクっぽく、スペインではタイガーナッツをすりつぶしてハチミツなどの甘味を加えた「オルチャータ」というドリンクが飲まれています。
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カシューナッツ
食感がソフトで甘味があり、ナッツ初心者にも人気のカシューナッツ。骨の形成を助けるビタミンKや、タンパク質合成に必要な亜鉛、貧血を予防する鉄、循環器や骨の健康に関わるマグネシウムも豊富に含まれます。ただし、ナッツ類の中では糖質が多いので、食べ過ぎには注意しましょう。
ピーナッツ
ピーナッツは実はナッツではなくマメ科の一種。不飽和脂肪酸であるリノール酸が含まれ、価格帯が低いのも魅力です。薄皮に抗酸化成分のアントシアニンやレスベラトールが含まれるので、薄皮つきのものを選んで、皮付きのまま食べましょう。
大豆
大豆もナッツではなくマメ科。ナッツと比べるとタンパク質や食物繊維が多いのが特徴です。大豆に含まれるイソフラボンは抗酸化成分の一種で、女性ホルモンの減少に伴う症状の改善に役立ちます。また、塩分過多による塩分過多による高血圧を予防するカリウムや、貧血を防ぐ鉄分も豊富です。
カボチャの種
漢方では生薬として使われるカボチャの種。カルシウムやリン、鉄などのミネラル源としても優秀です。ナッツ類に比べて脂質は少なめですが、リノール酸やオレイン酸なども含まれます。
ヒマワリの種
アメリカなどで食用として長く愛されているヒマワリの種。脂肪酸のうち4割が不飽和脂肪酸のリノール酸で、抗酸化成分のビタミンEや貧血を予防する鉄分、糖質の代謝を助けるビタミンB群などが含まれます。