最近話題のMEC(メック)食ダイエット。「MEC」とは、肉(Meat)・卵(Egg)・チーズ(Cheese)の頭文字で、これらを食事の中心にして痩せようとする食事法です。今までのダイエットや健康に関する定説を覆す点が多く、初めて聞く人は「え?そんな食事で痩せられるの?」と驚く人も多いです。ここでは「次世代糖質制限」とも言われる、このMEC食について、そのやり方と効果をご紹介します。
MEC食ダイエットの考案者は?
MEC食ダイエットの考案者は、沖縄県にあるこくらクリニック院長の渡辺伸幸氏。離島医療の経験から予防医学に注目。生活習慣病外来で4000人以上のダイエットを成功させてきたという方です。
MEC食ダイエットのやり方は?
MEC食ダイエットの大きな柱は、肉・卵・チーズを毎日しっかり、一口30回噛んで食べること。一日に摂る量の目安は、「肉200g」「卵3個」「チーズ120g」です。
肉の種類は何でもよいですが、どちらかと言えば赤身よりも脂のある肉のほうが望ましく、それをバターかラードで焼いて食べるのがオススメ。こう言うと驚く人が多いと思いますが、脂肪が少ないと細胞膜や血管壁などが弱くボロボロになってしまうので、脂肪はたっぷり摂るべき。また、動物性の脂肪は、一見体に良さそうなオリーブオイルなどの植物性油よりも加熱に強いので酸化しにくく、実は体によい脂と言えるのです。
また、一口30回噛むというのもポイント。よく噛むことによって食事時間が長くなり、食事中に満腹中枢が刺激されやすくなります。また食材本来の味がしっかり味わえ、しっかり食べたという満足感も得られます。もし、肉・卵・チーズをしっかり食べた後、さらにご飯やパンが欲しかったら食べてもよいそうです。
ただし、これを実践するには、普通に食事を摂るとおそらく一食の食事時間が40分程度かかります。「そんなにまとまった時間はとれない」という人もいると思いますが、MEC食では、食事の回数、いつ食べるかは全くの自由です。時間のない方は、食事の回数を増やして、一回の食事時間を短くするなど工夫してみてください。
MEC食ダイエットと従来の糖質制限ダイエットとの違いは?
MEC食と糖質制限食は、低糖質・高たんぱくという基本的な考え方は同じです。しかし、従来の糖質制限食が、「糖質を制限する」ことを最優先しているのに対して、MEC食では「栄養不足にならないように、タンパク質と脂質をしっかり摂る」こと最優先している、という点が違いになります。
糖質を制限することばかりを考えていると、今までの和食中心の食事から単純に穀物を抜く食生活になりがち。そうすると、野菜や植物性タンパク質中心に偏ってしまい、栄養不足になってしまいます。
また、同じ栄養素を摂るにしても「効率良く摂る」ということもポイント。肉はアミノ酸バランスがよく、魚に比べて良質のタンパク質と、鉄分・脂肪・ビタミンなどその他の栄養素をより多く摂ることができ、卵は完全食品と言われるほど栄養価が高い食品。チーズは同じ乳製品の牛乳と比べてもタンパク質が豊富で低糖質です。「MEC」は、タンパク質やその他の栄養素を摂るのに非常に効率がよい食品なのです。
MEC食ダイエットの効果は?
渡辺氏の経験では、糖尿病の人や体の弱ったからお年寄りが、MEC食を実践することによって、みるみる健康になり、逆に体脂肪の多かった肥満傾向の人は、スリムで引き締まった、肌ツヤのよい筋肉質になっていったと言います。1年で50キロ痩せた方もいるそうです。
タンパク質は筋肉だけでなく 皮膚細胞をつくる働きがあり、脂質には血管や皮膚細胞を若々しく健康に保つ働きがあります。女性なら、髪・肌・爪などの状態が改善されるのを実感し、男性なら筋肉が増えることを実感するでしょう。特に、運動が苦手な人が筋肉が増えてくると、元気になって自然と体を動かすようになるはずです。
また、脂肪をしっかり摂っていると満足感が高まりストレスを和らげます。間食に甘いものを欲することもなくなり、倦怠感や不定愁訴の改善、集中力の増加などの効果も期待できます。
MEC食ダイエットをオススメしたい人は?
MEC食のルールは実にシンプル、誰でも簡単に始めることができます。特に、辛いダイエットをしたくない人、糖質制限ダイエットに失敗したことのある人は一度試してみてはいかがでしょうか?
肉・卵・チーズをたっぷり食べて 1年で50kg痩せました/椎名 マキ (著), 渡辺 信幸 (監修)/講談社