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    Categories: 減量食事

パーソナルトレーナー松井薫が提唱するダイエット方法

松井薫というパーソナルトレーナーがいます。柔道整復師でもあり、元ボディビルダー。スポーツトレーナー業界初「徹子の部屋」に出演、任天堂「Wii Fit」の監修も手掛けたという人物です。その松井薫氏が著書の「お腹やせの科学」の中で、ダイエット方法について語っています。奇を衒わないオーソドックスなダイエット方法で、多くの人にとって参考になるでしょう。ここではその内容についてご紹介します。

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炭水化物40%:たんぱく質60%:脂質0%を目標に

現代の日本人は、食の欧米化に伴い、炭水化物と脂質の摂取割合が高くなっています。炭水化物は全体の6~7割をも占める一方、たんぱく質の摂取割合は全体の2割前後にすぎません。皆さんご存知の通り、たんぱく質は筋肉の材料で、筋肉は基礎代謝の大部分を担っています。つまり、筋肉があれば脂肪を効率良く燃焼してくれるので、ダイエットのためにはたんぱく質を多く摂取する必要があります。

脂質について言うと、コンビニなどの弁当は揚げ物が目立ちます。ちなみに、これは油のコーティングによって食べ物を長持ちするためだとも言われています。もちろんダイエットを目指す人にはおすすめできず、脂質は可能な限り0%に近づけることが理想です。とは言え、あまり徹底するとストレスが溜まりますので、無理をする必要はありません。「炭水化物と脂質を減らし、たんぱく質を多めに摂取する」という基本姿勢が大切です。

脂質を摂るなら「不飽和脂肪酸」を多めに

脂質には、脂肪として吸収・蓄積されやすい「飽和脂肪酸」と、脂肪として吸収・蓄積されにくい「不飽和脂肪酸」があります。たんぱく質を摂ることは大切なのですが、例えば牛肉や豚肉などの脂味には飽和脂肪酸が多く含まれるので、摂り過ぎには十分気をつけなくてはいけません。過剰に摂取すると、メタボリックシンドロームや、動脈硬化、心筋梗塞などの原因となります。

一方、不飽和脂肪酸は魚に多く含まれます。最近よく宣伝されている「DHA」や「EPA」などがそれで、特に青魚のイワシサバ、サンマ、他にはマグロブリなどに多く含まれています。不飽和脂肪酸は体外に排出されやすく脂肪として蓄積されにくい上に、血液中の中性脂肪を減らし、血液をサラサラにする働きがあります。さらには、血栓防止や血圧を下げる効果がありますので、特に中高年の方は積極的にこれらの魚類を食べたほうがよいでしょう。
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炭水化物を摂るなら「複合炭水化物」を多めに

炭水化物には、「単一炭水化物」と「複合炭水化物」があります。単一炭水化物とは、ブドウ糖や果物の糖質などの糖質で、すぐに血中へと溶け込みます。そのため、血糖値を下げるためにインシュリンが大量発生し、脂肪へとすぐに変換されてしまいます。代表的なものはチョコレートなどのお菓子で、意外に思う人もいるかもしれませんが、濃縮還元100%のフルーツジュースもその一つです。

一方、複合炭水化物とは穀物豆類に含まれるでんぷん質の糖質で、単一炭水化物と比べると消化吸収が遅く、インシュリンの上昇は比較的緩やかです。しかし、もちろん、これも過剰摂取すると太る元になります。特に白米や小麦粉など精白した穀物は単一炭水化物に近いので血糖値を上げやすく、逆に玄米やオートミールなど精白していない穀物は血糖値を上げにくいです。
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とは言え、炭水化物を全く摂らないというのもの問題です。極端な食事制限をすると脳の働きに不可欠な糖が不足して、集中力が欠けたり、イライラしたりします。これではストレスが溜まり、心身の健康を保つことは難しくなります。前に述べたように、栄養素の摂取比率を炭水化物40%としたのも、そのあたりが理由です。

枝豆は脂肪の吸収を防いでくれる

前に述べたように、脂質は極力0%を目指したいところ。しかし、普通の食生活を営んでいく以上、多少の脂質が体内に摂りこまれることを避けるわけにはいきません。そこで、その脂肪が体内に吸収されないようにするために、枝豆を食べることをおすすめします。枝豆には、サポニンという成分が含まれ、サポニンにはコレステロールや中性脂肪といった、血中の脂肪を除去してくれる働きがあります。そのため、動脈硬化の原因となる血栓や小腸への脂肪吸収を抑えてくれ、さらには便秘の解消にも役立ってくれます。

サポニンは、枝豆の他にも、朝鮮人参や、納豆、豆腐、豆乳などの大豆製品、ホウレンソウ、アスパラガスなどの野菜に多く含まれています。著者の松井薫氏は、ボディビルダー時代にこれらの食べ物、特に枝豆を貪るように食べていたと言います。

夕食は抜いてはダメ

昔からよく「腹八分目」と言われます。たしかに基本的には食事は腹八分目がよいですが、朝食と昼食に関しては、腹九分目、あるいは十分目でもよいでしょう。しかし、夕食だけは腹八分目に留めなくてはいけません。しかも炭水化物と油ものはできるだけ減らし、1日3食の中でも、特にたんぱく質を中心に心がけましょう。

しかし、ダイエットと称して、この夕食を抜くのはよくありません。たんぱく質が効率良く小腸に吸収され、且つアミノ酸に変換され、さらに筋肉内に蓄えられるのは、エネルギー活動の少ない就寝中です。つまり、夕食を抜く、あるいはたんぱく質無しの夕食を摂るということは、筋肉の形成を停滞させ、かえって太りやすい体質を作る原因になります。

一日の食事回数は多めに

夕食は、なるべく夜の9時までに済ませるようにしましょう。仕事の都合でどうしてもそれ以降でないと夕食を食べることができないという人は、腹五分目、あるいは六分目にとどめましょう。もちろん、その場合も、高たんぱく、低脂肪・低炭水化物を心がけることは言うまでもありません。

一方で、ダイエットを目指す人は、1日の食事回数を増やすことが有効です。その目的は、筋肉が分解されないようにするため。人間の身体は、体内のたんぱく質が欠乏すると、元々ある筋肉からたんぱく質を分解してたんぱく質を補充しようとします。つまり、代謝に必要な筋肉が削ぎ落され、ダイエットの効率がひどく低下しまうのです。食事回数を極端に減らすダイエットをすると、この筋肉分解作用がどんどん進んでしまいます。

これを避けるために、1日3~5食を小まめに摂ることをおすすめします。例えば、午後の3時以降に、おにぎり1個に焼き魚、納豆などといった、軽いながらもしっかりした食事を摂るとよいでしょう。夜の食事が遅くなる人とっても、長時間の空腹を避けるために、また夜の少ない食事を補うために、この方法は効果的です。

参考文献:「お腹やせの科学 脳をだまして効率良く腹筋を鍛える」/松井薫/光文社新書
健康&ダイエットNAVI 管理人 :健康診断で脂肪肝を指摘されたことを機にダイエットを決意。さまざまな文献を読み健康的なダイエットを研究。糖質制限、有酸素運動(ボクシング)、筋トレ等の実践により、1年間で約17kg減、体脂肪11%減のダイエットに成功しました(管理人のダイエット体験談はこちら)。このサイトでは、ダイエットや健康に関するさまざまな有益な情報をご紹介しています。