「最近疲れやすい」「体調を崩しやすい」などと感じていませんか?もしかしたらそれは、あなたの免疫力の低下が原因かもしれません。 「免疫力」とは、体に備わる防衛機能のこと。これが落ちてしまうと、風邪を始め、さまざまな感染症にかかりやすくなります。
免疫力をアップさせるにはいくつか方法がありますが、無理がないのは日頃食べる食事を改善することです。ここでは、免疫力アップに効果のある食材(栄養素)をご紹介します。これらの食材を日頃の食事に積極的に取り入れ、健康維持に努めましょう。
たんぱく質
たんぱく質は、ご存知3大栄養素(たんぱく質・脂質・糖質)の一つ。たんぱく質は、筋肉や臓器など身体を構成する成分であることはよく知られていますが、体の最小単位である細胞の土台にもなっており、「免疫力の基本」とも呼ばれるほど、免疫機能にとって重要な働きをしています。
例えば、外からの異物と最初に接し、異物の侵入を防ぐ皮膚のバリア機能を高めます。また、免疫の仕組みを担っているのが血液中の白血球ですが、その中心的な役割を果たすリンパ球の働きを高めます。さらに、免疫システムを壊そうとする外からの特定の抗体とくっ付いて攻撃力を弱めたりします。他にも、酸素運搬の役目をする赤血球や、体内で起きる化学反応を円滑にする酵素の働きを支えたりもします。
にんにく
アメリカ国立ガン研究所の研究結果によると、免疫機能を高め、癌を抑制する働きの効果が最も高い食材がにんにくです。にんにくはそのままでは匂いはありませんですが、切ったりすったりして空気に触れると、独特の匂いを発生します。この匂いの元はアリシンという成分で、このアリシンこそがさまざまな効能の源で、アレルギー反応や癌の発生を抑制してくれます。
また、アリシンは低温の油で加熱することにより、アホエンという非常に抗酸化作用の高い物質に変化し、体の細胞を活性化させます。さらに、体内に入ったアリシンは、ビタミンB1と結合することによって持続可能な疲労回復効果を発揮し、体全体の免疫機能を高めてくれます。
【関連記事】たっぷりにんにくの人気レシピ15選
ファイトケミカル(フィトケミカル)
体を構成する5大栄養素といえば、たんぱく質・脂質・糖質・ビタミン・ミネラルですが、第6の栄養素として食物繊維が加えられました。さらに、近年は第7の栄養素としてファイトケミカル(フィトケミカル)が注目されています。
ファイトケミカルは、植物性化学物質とも呼ばれ、野菜などの植物の色素・香り・苦味・辛味・アクに含まれています。この物質は、植物にとっては紫外線の害や虫から守るための防御装置として働いており、人間にとっては免疫力を向上させるために働いてくれます。
通常、人間の細胞は活性酸素により傷つけられ、老化・癌化・免疫細胞の破壊など酸化の影響を受けてしまいます。しかしこのファイトケミカルは、酸化を抑制する抗酸化力が並外れて強く、体内の活性酸素を減少させることによって、免疫細胞を活性化させてくれるのです。
【関連記事】第7の栄養素!フィトケミカル(ファイトケミカル)の3つの効果
エゴマ油
α-リノレン酸は、魚介類の脂やシソ科の植物であるエゴマに多く含まれており、免疫力を高めてアレルギー疾患の発症を抑制する働きがあります。アレルギー疾患には、花粉症やアトピーなどの他、喘息もあります。
喘息の原因物質はヒスタミンやロイコトリエンという物質で、これらは筋肉を収縮させたり粘膜の分泌を促すため、呼吸器の炎症症状を誘発します。このロイコトリエンの材料となるのがオメガ6系列の不飽和脂肪酸「リノール酸」で、べに花油、ひまわり油、大豆油、コーン油などの植物油に多く含まれます。一方、魚、エゴマ油、亜麻仁油などに含まれるのがオメガ3系列の不飽和脂肪酸「α-リノレン酸」で、こちらは症状の悪化を抑制してくれます。
リノール酸が一概に全て悪いというわけではありませんが、現在の日本の食生活ではリノール酸の摂取が増えすぎています。現状は「リノール酸:α-リノレン酸=1:4」と言われていますが、α-リノレン酸の摂取量を増やし、「リノール酸とα-リノレン酸=1:1に」にするのが理想的です。
■ えごま油:楽天市場|Amazon
■ 亜麻仁油:楽天市場|Amazon