食事や間食をした後で、全く満足感を得られなかった経験がありませんか?あるいは仕事中に遠くを見つめて何か食べたいなぁと考えているときはありませんか?もしそういうことがあるのなら、なぜ体が欲していないのに食べてしまうのか、なぜ過食してしまうのか、その理由を考えるよい機会です。「空腹は体の燃料計です。大事なことは食べる前に空腹のサインに注目すること。言ってみれば、ガソリン給油のためにパーキングに入る前に燃料計を確認するようなものです」(『Eat What You Love』著者, 『Am I hungry』代表・ミシェル・メイ氏)。段階的に過食を治す方法について、メイ氏は以下のように語っています。
食べる前に考える
「大事なことは自覚です。何か食べたいと思ったら、実際に手をつける前に必ず考えてください。空腹なのか、ただ口さみしいだけなのか、ストレスがあるのか、喉が渇いているのか、等を見極めてください」(メイ氏)。専門家の中には、2~3時間おきに食事をとったほうがよいという人もいますが、必ずしもそうする必要はありません。本当に空腹のときに食事をすればよいのです。ただし、忙しいときなどは、空腹が過度になるまで食事をとることを忘れがちなので、2~3時間おきに自分の空腹度合いがどの程度なのか考えるのはよいことです。例えば、携帯電話のアラーム機能を使う手もあります。「空腹が過度になるまで体を追い込むことは危険です。血糖値が下がり過ぎると、バランスの取れた食事のことも楽しんで食べることも何かも忘れ、過食に走りがちです」
空腹のサインを確認する
メイ氏は、にぎりこぶしを胸骨のすぐ下(みぞおち)の胃のあたりに当てて、本当の空腹のサインを確認することを推奨しています。「こぶしを置いた部分に全ての意識を向けてください。どんな症状があるのか、例えば、痛みがあるのか、グーグーと鳴っているのか、空腹感があるのか、あるいは張った感じや伸びた感じがあるのか、等を確認するのです。もし前者だったら本当の空腹の可能性が高く、後者の場合は食べ物以外を欲している可能性が高いです」(メイ氏)
体・精神・心をスキャンする
メイ氏は、「食べる必要がある」のか、あるいはただ「食べたい」のかを見極めるために、3つの確認箇所があると述べています。「私はこれを”体・精神・心のスキャン”と呼んでいます。”体”については、頭から脚のつま先までさまざまな感覚に注目するのです。例えば、首や肩に張りを感じる場合、それは空腹ではなく心配やストレスであることが多いです。”精神”については、もし仕事の生産性が下がっていて、ついつい休憩室に何か食べ物がないか探していたり、昼食や夕食をどこで食べようかなどと考えている場合、それは空腹でなく、ただ口さみしいだけである可能性が高いです。”心”については、自分の心の声に耳を傾けてください。深夜残業が続いて疲れているのか?仕事の締め切りにストレスを感じているのか?さまざまな心配ごとが、”頭の”空腹を引き起こしている可能性があります。食べる前にこのスキャンを行ってください。もし本当に空腹でなければ、たとえ食べても満足感を得ることはできずに、もっともっとと食べてしまいます」(メイ氏)
本当の欲求をつきとめる
もし本当に空腹なのかどうかよく分からない場合、あるいは本当に空腹でないことが分かっている場合は、食べる前に、何が問題なのかをつきとめてください。「ストレスを和らげるために席を立ってちょっと歩いてみる、疲れたのなら横になって20分くらい仮眠をとってみる、水をコップ一杯飲んで喉の渇きを癒してみる、などして一息ついてみましょう。もしかしたら、集中するためにちょっと時間が必要なだけかもしれません。もしそうした後にさらに空腹感が増すようなら、且つ実際しばらく何も食べていないのだとしたら、それは他の何ものでもなく本当の空腹です」(メイ氏)