体が汗をかく理由とは?
そもそも人間にとって汗はどうして必要なのでしょうか?食べ物を食べると、摂り入れた栄養は体内の代謝酵素が分解したり合成したりして代謝を行います。代謝が活発になると体温が上がりますが、もちろん上がりっぱなしというわけにはいきません。そこで汗を出すことによって、体の熱を奪い、体温が上がり過ぎないように調整してくれるのです。つまり、汗をかくのは体温調節のため。汗をかきにくい人は、体温調節も行われにくいでしょう。
尚、人間の体温は37度前後に保たれていますが、この37度という温度は、酵素の働きが最も活発になる温度でもあります。人間の体はうまくできていますね。
体が体温を調節する方法とは?
体には、体温を調節するしくみが3種類あります。
一つ目は、冬など体温よりも外気が低い時に熱を産出する場合です。
二つ目は、身体から周りの空気に体温が伝わる場合です。夏にプールなどで泳いでいる時、冷えて寒くなるといった感じです。
三つ目は、汗が蒸発する時に皮膚の気化熱が奪われる場合です。暑い夏に打ち水をすると涼しく感じるのと似ています。
特に体温調節しやすいのが、三つ目の汗を蒸発させることです。真夏の炎天下など、気温が体温よりも高くなった時でも、すぐに体温を下げることができます。
汗腺の種類とは?
汗を生成する汗腺は、エクリン腺とアポクリン腺の2種類がありますが、通常汗をかく時の汗腺はエクリン腺です。エクリン腺は体のほとんどの部分にありますが、活動しているのはその半分くらいです。特によく働くエクリン腺は手のひらや足の裏、額などにあるため、このあたりは体の他の部分よりも多く汗が出ます。
暑い地域に住んでいる人はいつも汗をかくため、汗腺が活動しスムーズな体温調節が行われますが、寒い地域に住んでいたり、生まれた時から空調環境が整っていたりすると、汗腺の働きが弱く汗をかきにくいため、体温調節がしにくくなります。ひいては細胞の代謝まで抑えてしまい、だるさや疲れを感じることもあるでしょう。
良い汗の特徴とは?
汗にもいろいろあります。スポーツやお風呂で流す汗もあれば、熱帯夜にかく寝汗や苦しいときにかく脂汗、ストレスからくる冷や汗などです。悪い汗よりも爽やかな良い汗をかきたいものですね。
良い汗の特徴は3つあります。
一つ目は、肌の上ですぐ乾くということ。
二つ目は、限りなく水に近くサラリとしていて、血漿の成分があまり含まれていないこと。
三つ目は、体温が上がった時に必要量が迅速に出るということです。
良い汗をかく方法とは?
では汗を良い汗に変えるにはどのようにしたらよいのでしょうか?
一つは、汗腺を鍛えること。そのためには体を動かすことが有効です。特にオススメなのがウォーキングやランニングなどの有酸素運動で、体に酸素が行き渡ると、汗のニオイのもとである乳酸が少なくなります。また、日頃から汗をかきやすい体質にするために、過度の冷房の使用は控えましょう。
二つ目は、酢を活用することです。ニオイのもとである菌は酸性が苦手ですので、クエン酸の多い黒酢や醸造酢をお風呂に入れて入ったり、毎日スプーン1杯程度飲んだりすることによって汗のニオイを抑えることができます。
三つ目は、汗腺の機能を活性化させることです。お風呂のお湯は最初は少なめで熱くして、次に水を足してぬるま湯にして、最後に水をかぶって上がるのがオススメです。
四つ目は食事です。サラリとしたよい汗をかきやすくするには、しょうが湯やくず湯、豆乳や納豆が効果的です。
五つ目は、上手な水分補給です。暑い日は冷たい飲み物が欲しくなりますが、急に冷たいものを飲むと血行が悪くなり、多汗の症状が悪化します。また、水分だけでなくミネラル分まで出してしまいます。そこで、暑い日でも常温に近い飲み物を飲むか、冷たいものを飲む場合は、ガブガブ飲まずに口にしばらく含んで、冷たさをしばらく感じてから飲みこむようにしましょう。オススメの飲み物は、硬度の高い海外の炭酸水です。カルシウムやマグネシウムなどの豊富なミネラルと、炭酸水に含まれる重炭酸イオンが、疲労を回復させるのに効果的です。
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心の汗とは?
「冷や汗」や「手に汗握る」という言葉にある通り、感情が高ぶり興奮することによって、手に汗をかくことは正常な反応です。時間が経って気持ちが落ち着いてくると、自然に汗もひくことでしょう。しかし、緊張感がなく興奮もしていないのに異常な汗をかく人もいます。これは「心の汗」と言って、心が関係しており、精神的疾患につながります。
心の汗をかく人の特徴とは?
心の汗をかく人の特徴としては、真面目で完璧主義、努力家タイプであることが挙げられます。また、自分への意識が強く負けず嫌いですが、その一方で恥ずかしがり屋の一面もあります。汗に悩む自分の気持ちもなかなか他の人には言えません。自分で克服しようと頑張り、誰も頼れなかったり、他の人に打ち明けたとしても軽くあしらわれてしまい、傷ついてしまうことも多いでしょう。
また、本当は多汗ではないのに、そう思い込んでしまっている人もいます。ネガティブ思考の方に多いのですが、やはり周囲を気にし過ぎたり自意識が強いといった共通点があります。
心の汗をかく人の共通する育った環境とは?
心の汗をかく人は、育った環境にも特徴があります。幼い時から素直で良い子、いつも周囲の反応を気にして、嫌われないように人に従うといった様子です。本当は強い自分を持っていて、意思も考えもあるのですが、他人を気遣うあまり、自分の本当の気持ちを抑えて表現することができなくなってしまうのです。心の優しい思いやりの深い人とも言えるでしょう。