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にんにくの4つの健康効果
元気が出てくる
にんにくのにおい成分であるアリルスルフィド類は、交感神経を刺激し、アドレナリンとノルアドレナリンなどのホルモン分泌を促進します。その結果「瞳孔が大きくなる」「気管が拡張する」「心拍が促される」などの興奮作用が起こり、元気が出てきます。しかも、通常はアドレナリンの作用による緊張感の後はぐったりするものですが、にんにくにはエネルギー産生を促進する効果があるため、元気が持続します。
風邪を予防する
にんにくは、風邪のひきはじめに効果があると言われています。大きなポイントは、にんにくのにおい成分であるアリシン。アリシンは風邪のウイルスをやっつけるとともに、弱っている細胞免疫を高めてくれます。また、にんにくには血行促進する効果もあるので、これによっても免疫力や体内酵素の働きがアップします。
脂肪を燃焼する
上で述べたように、にんにくを食べるとアドレナリンの分泌が促進されます。アドレナリンは、褐色脂肪組織と呼ばれる脂肪を分解する特殊な脂肪組織を刺激するため、体内の熱産生が高まって脂肪が熱に変えられます。つまり、中性脂肪の燃焼を促進するダイエット効果もあるというわけです。
⇒ ダイエット効果を高めるにんにくの食べ方とは?
がんを予防する
にんにくのにおい成分アリシンは、サラダ油やオリーブオイルなどに溶かすとイオウ化合物になって、さらにアリルスルフィド類に変化します。アリルスルフィド類の中のひとつであるDATS(ジアリルトリスルフィド)には、ガン細胞を死滅させる働きがあります。また、アリシンをオイルなどで低温加熱すると生まれるアホエンという物質にも抗がん作用があります。実際、にんにくを頻繁に食べている中国東北部や韓国などではガン患者が少ないと言われています。
⇒ ガン予防の効果を高めるにんにくの摂り方とは?
ダイエット効果を高めるにんにくの食べ方とは?
数ある栄養素の中でもビタミンB1は、ダイエットのカギとなる重要な栄養素。ビタミンB1には、体内に摂り入れた糖からエネルギーをつくる、エネルギー代謝の働きがあるからです。しかし、現代人の食生活では、どうしてもビタミンB1は不足しがち。その一方で、脂肪の元になる糖は過剰に摂取しがちです。また、ビタミンB1は水溶性のため体内への吸収が悪く、たくさん溜めておくことはできないという問題もあります。
そこで役立つのが、にんにくに含まれているにおい成分アリシンです。アリシンは、ビタミンB1と結合するとアリチアミンという物質に変化します。アリチアミンはビタミンB1とは異なり、脂に溶ける脂溶性であるため、腸からの吸収率が格段に高く、それでいて吸収された後は体内でビタミンB1の働きをしっかりとしてくれます。また、より体内に貯めやすくもなるため、ビタミンB1の作用も長時間続きます。さらには、ビタミンB1は腸内の有害菌の一つアノイリナーゼ菌によって破壊されてしまいますが、アリチミンは破壊されずに吸収されるというメリットもあります。つまり、にんにくを食べることによって、より多くのビタミンB1が糖をどんどんエネルギーに変えてくれるというわけです。
まずは、ビタミンB1を多く含む食品を積極的に食べるよう心掛けましょう。豚肉やハム、とうもろこしやそら豆、玄米や椎茸などがビタミンB1を多く含む代表的な食品です。一度に大量ではなく、こまめに食べるのがよいでしょう。一方、にんにくの食べ方としては、にんにくは持続力が強力で2日間もあると言われているので、1~2片を2~3日に一度食べれば十分です。あまり食べ過ぎると胃が荒れてしまうので注意してください。
ガン予防の効果を高めるにんにくの摂り方とは?
オイル漬けにする
にんにくの抗がん作用の元となる成分の一つは、アリシンが変化することによってできるDATS(ジアリルトリスルフィド)です。DATSは脂に溶けやすいため、オイル漬けにすることによって成分を保つことができます。にんにくを刻んでお好みの油に漬け、にんにくオイルを作るのが簡単でオススメです。
低温で加熱する
抗がん作用のあるもう一つの成分は、アリシンを低温で加熱することによってつくられるアホエンです。イタリア料理では、刻んだにんにくを低温の油で熱して香りを油に移すことが多いですが、実はこの方法はがん予防にも有効だったのです。パスタのソースをつくるときや炒め物をするときは是非実践してください。
にんにくの臭いを消す食材とは?
にんにくは、お店で販売されている丸の状態ではほとんど臭いはありません。これを、包丁で切ったりすりおろしたりして、傷をつけると、アリイナーゼという酵素の働きによって、にんにくに含まれている成分アリインがアリシンに変化して臭いを放ちます。この臭いを完全に消すことはできませんが、食前・食中・食後に以下の食材を摂ることで臭いを抑えることは可能です。
りんご
りんごは歯と歯の間や頬粘膜の溝、舌の表面などに付いたにんにくの組織片をはがしてくれます。生のりんごのほうが有効ですが、食べるのが難しい場合はりんごジュースでも一定の効果はあります。
牛乳
牛乳に含まれる脂肪分は、にんにくの臭い成分を吸着してくれます。食後に飲むだけでなく、食前にも飲んでおくとさらに効果が高まります。
緑茶
緑茶に含まれているカテキンなどのタンニンが臭い成分を吸着してくれます。緑茶は食前・食後だけでなく食事中にも飲みやすいので、より即効性が高い方法と言えます。
野菜を一緒に食べる
野菜を一緒に食べることによっても臭いを抑えることができます。特に大根は、消化酵素のジアスターゼが口の中のでんぷんのカスと一緒に臭い成分も溶かしてくれます。
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