体調が悪くなると、市販薬でとりあえず不快な症状や痛みを抑えたいと思うかもしれません。しかし、市販薬は多くの場合、複数の症状に対応した成分が配合されているため、軽い症状のときに飲むと、副作用のために逆効果になることがあります。そこで、風邪をひいたら「卵酒」、喉が痛くなったら「大根ハチミツ」など、普段食べている食材を活用してみしょう。それぞれの食材には、体を温めたり、殺菌したり、炎症を抑えたりとたくさんの効能があります。ここでは、体調の崩れを治すために、台所にあるもので簡単につくることができるさまざまなレシピをご紹介します。
目次
風邪のひき始めに効く
卵酒
卵白に含まれているリゾチームという酵素は、市販の風邪薬にも含まれており、痰の切れを良くしたり、鼻詰まりを解消して呼吸が楽にできるよう作用します。また、日本酒には穏やかな発汗作用があり、血液の流れを良くし体を温めてくれます。
材料(1回分):
卵1個、日本酒180cc、砂糖小さじ2~、生姜の絞り汁少々
作り方:
日本酒はやや熱め(約60℃)にしておきます。小さいボールに卵を割り入れ、卵を加えて混ぜます。この時、約50~60℃のお湯を大きめのボールに入れて、湯煎しながら行います。一度に熱いお酒を入れると卵が固まりますので、溶いた卵に少しずつ温めた日本酒をたらして、のばしながら混ぜましょう。最後に、お好みで生姜汁を加えてください。
ホットワイン
寒さが厳しいヨーロッパで、古くから風邪のひき始めに飲まれていたホットワイン。加熱するとアルコールが飛び、甘みが増すためアルコールが苦手な方でも大丈夫です。安いワインでも、飲み残して時間がたったワインでも十分。就寝前に飲むとぐっすり眠ることができるでしょう。
材料(1回分):
赤ワイン180cc、ハチミツ小さじ1~、シナモンパウダー少量
作り方:
小鍋に赤ワインを入れて加熱してアルコールを飛ばしましょう。それからハチミツ、シナモンパウダーを加えてよく混ぜます。オレンジやレモンなど柑橘類のスライスや、ナツメグやクローブなど甘い香りのするスパイスを入れても良いでしょう。
ハチミツ葛湯
葛の根には、解熱や発汗作用、滋養強壮作用が含まれており、風邪薬で有名な漢方薬の「葛根湯」にも含まれています。栄養豊富なハチミツをプラスして飲むとさらに効果的。作用がマイルドなため、子どもにもオススメです。
材料(1回分):
本葛粉大さじ1、ハチミツ大さじ1、水100cc
作り方:
小鍋に水と本葛粉を入れてよく混ぜます。混ざったらハチミツを加え、弱火でゆっくり加熱します。木ベラなどで粘りが出るまで混ぜ続け、透明感が出てきて糊状になったらできあがりです。葛は冷めにくいですから、適温に冷ましてから飲みましょう。
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大根湯
大根は、熱をもった肺を潤したり、咳を鎮めたりする効果があります。また、醤油や生姜は体を温めて、発汗を促してくれます。ただし、生姜は刺激や発汗作用が強いので、小さいお子さんに与える場合は適宜量を調整してください。高血圧の方妊娠中の方は避けたほうがよいでしょう。
材料(1回分):
大根おろし50cc(輪切り1cm)、生姜のすりおろし小さじ1、番茶130~200cc、醤油大さじ1~2
作り方:
マグカップなどに大根おろしと生姜、醤油を入れます。熱い番茶を注いで、軽くかき混ぜたらできあがりです。醤油の代わりにはちみつを入れ、甘く仕上げるのもよいでしょう。
疲れがたまっている時に効く
ホットグレープフルーツジュース
グレープフルーツには、疲労回復に効くビタミンCやクエン酸が豊富に含まれています。寒い冬には体を温めるホットで飲みましょう。ただしあまり高温ではせっかくのビタミンCが失われてしまいますので、ほんのり温かい程度がオススメです。
材料(1回分):
100%果汁のグレープフルーツジュース200cc、熱湯50cc、ハチミツ適量
作り方:
常温のグレープフルーツジュースに熱湯を加えます。好みでハチミツを入れのも良いでしょう。ただし、薬を飲んでいる人は飲み合わせが悪い場合がありますので、下記の※印を参照してください。
ホットセロリドリンク
セロリの香りに含まれているアビオイルという成分は神経を休める作用があります。すりおろしているだけで気分が楽になることもあります。就寝前に飲むと心も体もリラックスして安眠できるでしょう。
材料(1回分):
セロリの茎の部分3/1、熱湯130cc
作り方:
マグカップにスジを取ってすりおろしたセロリを入れて、熱湯を注いでよく混ぜます。お好みでレモン汁やハチミツなどを小さじ1/2くらい入れたり、ラムやウイスキーを少量加えたりするのも良いでしょう。
眼精疲労や肩こりに効く
カロテンジュース
β-カロテンとは、黄色~赤系の野菜に多く含まれる色素の一種。強い抗酸化力があり、目の粘膜を強くすることで知られています。トマトやニンジンの場合、皮の方に多く含まれていますので、有機・無農薬のものを選び、皮ごと調理するようにしましょう。
材料(1回分):
ニンジン2/1本、トマト1個、レモン汁1/2個分、塩約1g(ひとつまみ)
作り方:
ミキサーに適当な大きさに切ったニンジンやトマトと、レモン汁を入れてスイッチon。コップに注いで、塩を加えて混ぜたらできあがりです。
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ブルーべリースムージー
ブルーベリーに含まれているアントシニアンは眼精疲労を緩和してくれます。ただしアントシニアンの効果は、食後4時間後くらいに表れ、24時間後には消えてしまいますので、毎日少しずつ継続して摂るのがオススメです。
材料(1回分):
ブルーベリー30g、ヨーグルト100cc、牛乳50cc、ハチミツ大さじ1
作り方:
材料全部をミキサーに入れて、なめらかになるまで混ざったらできあがりです。ブルーベリーに含まれているアントシニアンは冷凍や加熱に強く、生でも冷凍でも同じ効果があるので、冷凍を使うと便利です。
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冬の乾燥肌やあかぎれに効く
みかん風呂
冬に美味しいみかん。食べてビタミンを摂った後は、残った皮も有効に活用しましょう。みかんの皮に含まれる成分は、体を温めて血行を促進し、肌をなめらかにしてくれます。みかんの皮は中国では「陳皮」と呼ばれており、生薬として使われています。
材料(1回分):
みかんの皮3~5個分(約50~100g)
作り方:
みかんの皮を天日干しして乾燥させましょう。よく乾燥させたみかんの皮を木綿の袋や洗濯ネットなどに入れ、お風呂の浴槽の中に入れます。みかんの皮も浴槽に入れてからお湯を沸かすと、成分がより抽出されるのでオススメです。
赤唐辛子の湯
寒い時期にはあかぎれやしもやけに悩む人が多いもの。その大きな原因は寒さのために血行が悪くなることで、手をぬれたままにしておく特になりやすくなります。そこで血行改善に効果的なのが唐辛子。昔の人はしもやけになった時、靴下に赤唐辛子を入れていたと言われるほど、血行が良くなって体が温まります。ただし刺激が強いため、皮膚が弱い人や肌荒れや傷がある人は避けてください。
材料(1回分):
赤唐辛子2~3本、湯適量
作り方:
赤唐辛子を刻み、洗面器に少し熱めのお湯と共に入れて、ぬるくなるまで手や足をつけておきます。つけながら手や足の指の付け根から先の部分へマッサージすると良いでしょう。また、温まった足に綿100%の5本指ソックスを履くと効果がより長く持続します。
注意点
- ご紹介するレシピは、軽い不調を緩和するために手軽につくることができるものですが、医療用ではありません。自分の体質や体調に合わせて使うよう注意するとともに、レシピの効果には個人差があることをご了承ください
- これらのレシピは3歳以下の乳幼児には使用しないでください。高血圧やアレルギー、心臓疾患など、他の病気で薬を服用している場合は必ず専門家に相談しましょう
- 高血圧や狭心症の薬、アレルギー治療薬や免疫抑制剤はグレープフルーツとの相性が良くありません
- 塩分やアルコールを控えている人は、醤油やアルコールなどを使用したレシピは量を控えましょう
- 本当に体調が悪い時は、病院での診療をオススメします