置き換えダイエットは効果があるか?
置き換えダイエットは、それだけを飲めば(食べれば)よいという手軽さゆえに、挑戦してみようと思う人も多いようです。「本当に効果があるの?」と聞かれることも多いのですが、上手く活用すればたしかに効果はあります。
置き換えダイエットには、日本肥満学会でも承認されている商品があります。保険適用外ですので高価ではありますが、実際に一部の病院ではメタボリックシンドロームの治療に用いられることもあります。このような商品は、乳児用の粉ミルク(英語でFormula)に似ていることから、医療現場では「フォーミュラ食」と呼ばれています。
このように医師も用いている置き換えダイエットですが、統計的には効果がなかったとの結果が出ています。上手に使えば効果が出る医師がいる一方で、医師が用いても効果がないという場合もあります。これはなぜでしょうか?
置き換えダイエット成功のポイント
効果があるのは、患者が医師を心から信頼していて、「肥満を解消しなければならないが生活改善が難しい」と思っている場合。このような患者の場合、置き換えダイエットの使用を始めると同時に、「ウォーキングを始めた」「ダイエット中だから朝・昼の食事量を控えるようになった」というように、生活習慣を改善する意識の変化が起こります。「結果を出して、先生を安心させたい」という気持ちになるのかもしれません。
そして1ヵ月後、医師は置き換えダイエットの使用をストップします。これによって、体重が下がるペースは緩やかになりますが、もうすでに患者それぞれが独自のダイエット方法を確立しています。自分で始めたことですし、何よりも診察の度に医師から「順調ですね!」という言葉をもらえるため、挫折も少ないのです。
ダイエット成功のポイントは意識の改革
このように考えると「置き換えダイエット」自体に効果があるというよりも、置き換えダイエットを始めたことによって、それ以外に自分に合ったダイエット方法を見つけて実行することがダイエット成功のポイントと言えるかもしれません。そのためには、患者とトレーナー役を務める医師との意思疎通が大切になってきます。
置き換えダイエットは上手く使えば、効果的なダイエットが可能です。しかし、置き換えダイエットに頼りきって、置き換えダイエットを飲んでさえいればダイエットできると思うのは早計です。置き換えダイエットは決して安価ではありません。一生涯、飲み続けるというのも難しいと思います。ダイエットは一瞬、目標体重になればよいと言うものではありません。置き換えダイエットを使うのはよいと思いますが、その先には「意識を変える」ことが大切であることを忘れないようにして下さい。