ダイエットには様々な方法がありますが、大事なことは自分に合ったダイエット方法を選ぶことです。食事からのカロリー摂取量と、運動によって消費するカロリー量の収支をマイナスにすれば体重を減らすことはできますが、摂取カロリーを抑えることばかりを気にするとストレスになりますし、運動は辛いので長続きせず、途中で諦めてしまった経験がある方は少なくないと思います。ダイエットしてはリバウンド、という負のサイクルを繰り返すことだけは避けなくてはいけません。
そこで魅力的なのが「低インシュリンダイエット」です。ここでは、低インシュリンダイエットについて、その原理や、魅力・注意点などをご紹介します。
インシュリンの働きとは?
インシュリンとは体内で分泌されるホルモンのひとつで、食べ物から取り入れた糖質(血糖)を肝臓や筋肉に蓄え、余ったエネルギーを脂肪細胞に蓄える働きをします。これは体のためにはなくてはならない働きなのですが、インシュリンが分泌されると糖が脂肪に変わりやすく、逆に体脂肪は分解されにくい状態になるため、過剰に分泌されると肥満の原因になります。インシュリンは、血糖値が急激に上昇すると大量に分泌されるので、なるべく血糖値が急激に上がらないような食事をすることがダイエットにつながるのです。
食べる量を減らさなくて良い
血糖値を上げない食品かどうかは、「GI値」で判断できます。GI値とは、体内に取り入れた食品が糖に変わり血糖値が上昇する速さを計った値です。こちらの記事でGI値の一覧早見表をご紹介していますので参考にしてください。
GI値が高い食品は、基本的におやつなどの糖分や主食の炭水化物です。もちろん食べ過ぎは禁物ですが、糖分や炭水化物は身体に必要な栄養素でもあるため、必ずしも食べるのるやめたり減らしたりする必要はありません。同じ量を食べてもGI値の低いもの選んで食べるだけで、ダイエットには十分な効果があります。目安として、なるべくGI値が60以下のものを選んで食べるように心がけましょう。
また、GI値が低い食品は、体内でゆっくり吸収されるので、より満腹感が持続するという効果もありそのため知らず知らずのうちに食べる量が減ることも多いです。
尚、GI値は同じ食材でも調理の仕方によっても異なり、基本的には固く歯ごたえがあるほうがGI値は低くなります。例えば、同じ食材でもゆでるよりは炒めたほうが、また同じゆでる場合でも柔らかくゆでるよりも固くゆでるほうがGI値はより低くなります。
GI値の高い食品を食べてもよい
とは言え、いつもGI値の低いものばかり食べなければいけないと思うとストレスになるかもしれません。たまにはGI値の高い食品を食べてもよいので、その場合は、血糖値が急激に上昇するのを防ぐ食べ方をしましょう。
例えば、乳製品や食物繊維、酢には血糖値の上昇を抑制する働きがありますので、GI値の高い食品と一緒に食べると効果的です。ただし、乳製品はカロリーが高く、また酢を使用した料理には砂糖を多く加えがちですので、これらの摂り過ぎには注意しましょう。
また、体内でゆっくり吸収される油脂類を活用する手もあります。フライや天ぷらではカロリーが高くなりすぎるので、少量の油を炒め物や香り付けに使用するのがおすすめです。食べた満足感があり、腹持ちもよいという利点があります。
間食の甘いものは止めなくて良い
「食後のデザートは太りにくい」という説があります。この説の理由は「食事によって血糖値がすでに上昇しているので、デザートを食べたときには急上昇しない」というものですが、近年は「食後のデザートは太る」という説のほうが定説になりつつあります。これは「すでに血糖値がすでに上昇している状態は、その後に摂った糖分は脂肪に変わりやすい」というのがその理由です。
どちらかと言えば、甘いものを食べるなら食事と食事の間に摂るのが望ましいと言えます。これは、食間はほどよくお腹が空いた状態、言い換えれば血糖値が下がっているけれども空腹時ほどには下がり切っていない状態なので、比較的血糖値が急上昇しにくいからです。「3時のおやつ」は実は理にかなっているのです。
もちろん食間だからと言って何をいくらでも食べてもよいわけでもありません。糖質と油脂が両方たっぷり含まれている洋菓子はできれば避けたいですし、比較的低カロリーな和菓子も砂糖がたくさん使用されているものが多いので要注意です。食べるなら、なるべく比較的GI値の低いフルーツや、プリン、ゼリーなどを食べるようにましょう。
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