『自分が空腹かどうか?』そんなこと分からないわけがないと思うかもしれません。しかしこれが意外と曲者。身の回りのいろいろなものが空腹の仮面をかぶって、あなたにスナックを食べさせようとしています。「多くの人が体でなく頭で空腹を感じています。言い換えると”食べたい”と”食べる必要がある”を混同しているのです。人間は食べ物を娯楽や気晴らしや癒しの道具にしています」(Am I Hungry代表・ミシェル・メイ氏)
「食べる理由は、他の何ものでもなく『体が空腹を感じているから』であるべきです。そうであれば、食べ過ぎることなく、体の満足信号が食べ終わり時を教えてくれます。食べなくてもよいものを食べている人は、それを食べなければ、もっと他の体によいことに興味が向くでしょう。何より食事が美味しく感じますし(”空腹は最高の調味料”という格言もあります)、食べ終えたときの満足感もアップします」(メイ氏)。
その空腹感が本物かどうか、見極める方法を以下にご紹介します。
気をつけて食べる
「”気をつけて食べる”とは、ぼーっとしてダラダラ食べるのではなく、自分の体に燃料を与えるのだと意識しながら、且つ今食べているものが身体にどんな影響を与えるのかを考えながら食べるということです。そうすることで、身体が空腹と満腹の本能的なサインを感じやすくなります。また、自然に食べていいものとよくないものを選別できるようになり、これ食べていいかな?あれ食べていいかな?などと神経質に悩むこともなくなります」(メイ氏)
自分に問いかけてみる
「何かを食べたいという欲求を感じたとき、一呼吸置いて『お腹すいてる?』と自分に問いかけてみてください。それは必ずしも、食べてよいかどうかを判断するということではなく、『なぜ食べたいのか?』ということを考えることになります。例えば、車を運転していて、ガソリンスタンドを見かけたからといってすぐに入らないですよね。まずは車の燃料計を見るはずです」(メイ氏)。では、肝心なその質問の答えはどのように導いたらよいのでしょうか?「本当に空腹の度合いを知るために、頭の中で体と精神と心をざっとスキャンしてみるのです。例えば、飢え死にしそうなのか、お腹がグーグー鳴っているのか、ちょっと物足りない程度なのか、胃もたれしてないか、エネルギーがなくなっているか、集中力がなくなっているか、判断力がなくなっているか、意識がもうろうとしているか、ちょっと頭痛があるのか、震えがあるか、イライラしているか、といった具合です。”空腹”とは身体の問題であって、思考や欲求ではありません」(メイ氏)
誘惑を知る
我々の周りには食べ物が溢れかえっているので、本当は空腹ではないのに空腹かのように感じてしまうことがあります。「我々はさまざまな状況を食べることと結び付けて考えてしまいます。例えば、人が何かを食べているのを、あるいはその食べ物自体を見て、あたかもテレビや映画のワンシーンを見ているかのように錯覚することがあります。そして、ストレスだらけの一日を乗り越えた自分へのご褒美として、山盛りのアイスクリームを食べたいなどと考えます。問題なのは、その欲求が空腹から来るものではない場合、それを食べても欲求が満たされることはないということです。一度自分の胸に手を当てて、自分がどんなときに、空腹ではないのにも何かを食べたくなるのか考えてみてください。そのように感じてしまうのが悪いということではなく、大事なのはその誘惑が何なのか把握しておくことです」(メイ氏)